骨肉の争い?! 遺産相続を巡るトラブル回避への道

親の突然死の悲しみにくれる間もなくやってくるのは、遺産相続を巡る数々のトラブルです。資産家の人はもちろん、そうではない人にも起こりうることでしょう。
決して他人(たにん)事ではない遺産相続トラブル。兄弟姉妹間にとどまらず、時には親戚をも巻き込んだ骨肉の争いに発展させないために、どのような回避策があるのでしょうか?

1.よくある遺産相続のトラブル

親の死に直面したときには、さまざまな思いを馳(は)せて、涙にくれることでしょう。悲しみの中に突如起こるのが、現実です。遺産相続問題。誰にでも起こる可能性がある遺産相続にまつわるトラブルをご紹介します。

1-1.考え方の相違

よく耳にするのは、長男や長女だから多くもらえると思い込んでしまうケースです。遺産には、法定相続人が存在します。まず、遺産の2分の1を配偶者が相続し、その残り2分の1を子どもたちで分配するものです。子どもの数で割りますので、相続すべき権利はそれぞれが平等に持つことになります。長男や長女だから多くもらえるわけではありません。
生前に親と同居して面倒を見ていたとアピールして、独り占めしようとするケースもよく見られます。それに対して、遠方に住んでいたために面倒が見られなかったと主張するなど、ぶつかり合う原因です。

1-2.連絡のつかない兄弟姉妹がいる

長い間、音信不通になっている兄弟姉妹がいる場合、連絡がないから無視して相続を進めていいわけではありません。行方がわからない場合には、戸籍を追って現在の本籍地を調べ、戸籍の附票で現住所を探しましょう。どうしても見つからない場合には、相続への利害関係にない第三者を管理人に指定して、「不在者財産管理人選任の申し立て」を家庭裁判所へ行う必要があります。
生存すらも確認できない場合、生死の確認ができなくなった時点から7年が経過していれば、「失踪宣告」の申し立てを家庭裁判所へ行いましょう。

1-3.多額の借金が残されていた

被相続人である親が残すものは、必ずしもプラスの要素ばかりではありません。死亡後に多額の負債が見つかるケースもよくあります。負の遺産も受け継がれていき、相続の対象となるものです。こうした負の遺産を相続したくない場合には、「相続放棄申述書」を家庭裁判所へ提出する必要があります。相続放棄すると、負債を背負わなくて済む代わりに、プラスの遺産も放棄することになるので注意しておきましょう。

2.遺産相続のトラブル回避策

親の死後、突如としてやってくる遺産相続問題。資産家よりも一般的な家庭の方がもめやすい傾向にあります。つまり、誰の身に起こってもおかしくない問題です。
仲のいい兄弟姉妹の関係をも壊しかねない相続問題は、どうにかして回避しておきたいものでしょう。遺産相続のトラブル回避策をご紹介します。

2-1.被相続人を交えて話し合う

被相続人の生前に、相続人が集まって話し合いを行う遺産分割協議です。遺産分割協議では、どのくらいの資産があり、どの割合で分割すべきかを話し合います。分けにくい不動産の分割についても、どのようにすべきかを明確にしておくと、相続時になってトラブルを回避できるでしょう。
被相続人自身が、自分にどのくらいの資産があるのかを把握していないケースもあります。今の状況を再確認した上で話し合いができますので、タンス預金が後から見つかってもめるなどの問題を解消できるでしょう。

2-2.書面にしておく

被相続人の生前に、遺産分割協議で話し合った内容を書面にしておくものです。遺産分割協議書といいます。これには、誰がどの資産をどのくらいの割合で受け取るのかを明記でき、相続トラブルが発生した場合でも強い効力を発揮できるものです。
相続人全員が自署し、実印で捺印(なついん)して作成します。
必ず作成しなければならないというものではありませんが、作成しておくことで後々のトラブルを回避できるメリットがあるはずです。

2-3.遺言書の作成

被相続人が生前に自身で行うものが、遺言書です。被相続人の意思で、誰にどのように財産を残したいのかを明記しておきます。
遺言書には方式が決まっており、それにのっとって作成することが必要です。民法にも「遺言はこの法律に定める方式に従わなければ、これをすることができない」とされています。
被相続人が認知症などの症状がなく、自分の意思をきちんと表明できる能力があれば作成可能です。この遺言書に記載された内容は、相続時に優先されますので、被相続人の思いが詰まったものだといえます。

3.まとめ

いかがでしたか? 遺産相続問題は、兄弟姉妹の間を引き裂いてしまう可能性があるものです。

  • よくある遺産相続のトラブル
  • 遺産相続のトラブル回避策

事前に話し合いをして資産状況の把握をしておくなど、被相続人の生前から準備しておくことで、さまざまなトラブルを回避できるでしょう。