住みやすい家の条件とは? 注文住宅を建てる前に知っておくべきこと

「住みやすい家」には条件があります。快適な暮らしを手に入れるために知っておきたい条件をご紹介しましょう。注文住宅を建てる予定のある人は、特に必見です。

1.住みやすい家の条件『間取り』

1-1.動線の無駄がない

家の中での人の動きを「動線」といいます。この動線の無駄が少ないほど、日常生活においても無駄な動きをする必要がなくなるということです。特に、家事をするときの動線を考える必要があるでしょう。
動線を短くするためには、通路はあまり長くしないことをおすすめします。部屋から部屋へ移動するのに長い通路を通らないといけないのは大変です。どのような動きをするのか想像して、無駄な労力をできるだけ減らす工夫をしましょう。

1-2.回遊性のある間取り

間取り図を見たときに、家の中をぐるりと回れるようになっているのが理想です。たとえば、リビングからダイニング・キッチンを抜けて洗面所に行けること。そして、そのままトイレに寄ってリビングに戻れるような動線をつくります。このように、ぐるりと回れる間取りになっていることで、家族それぞれが動きやすいというのが特徴です。また、家事も効率よくできるでしょう。回遊性のある間取りは、快適な生活に欠かすことができません。

1-3.可変性のある間取り

長年住んでいると、部屋の使い方が変わる可能性があります。つまり、家を建てたときの間取りを変える必要がでてくることがあるということです。特に、小さな子供がいる場合には将来どのような変化が起きる可能性があるのか考えておきましょう。ライフスタイルに合わせて柔軟に対応できるような間取りにしておくと役立ちます。このような点に気をつけておくと、使わない部屋がでてくるといった問題を避けることもできるでしょう。

2.住みやすい家『熱効率』

2-1.熱を逃がさない工夫

家全体を断熱材でおおって気密シートをはることで、熱のもれを防ぎます。このような工夫は、省エネやエコロジー住宅の基本とされているのです。すきま風を防ぐことができ、部屋を冷暖房したときに温度を保つことができます。熱を逃がさない工夫も、快適な生活には必要です。

2-2.太陽の熱を活用する

自然の力はぜひ活用してください。特に、寒い冬には太陽のあたたかい日差しをたっぷりととりいれたいものです。広い窓があるとよいでしょう。床や壁に熱を蓄え、少しずつ放熱して暖房に役立てます。高度な断熱技術や気密化性能をいかした家づくりをするとよいでしょう。

2-3.夏の日差し対策

夏の暑さ対策に必要なのは、太陽熱の照り返しを防ぐことです。さらに、放射熱による温度上昇の対策も大切になります。そのために、緑を植えるとよいでしょう。
建物のまわりに緑があることで、風の向きが変わります。空気を浄化する働きも期待できるでしょう。さらに、騒音をやわらげる働きもあります。緑は、目隠しのためだけに使うものではありません。心を体にやさしい環境づくりのために、ぜひ緑をとりいれる計画を立ててください。

3.住みやすい家の条件『省エネ』

3-1.省エネ住宅とは

省エネルギーに対応している住宅のことを、省エネ住宅といいます。省エネルギーとは、たとえば冷暖房を使う際の消費エネルギーを減らすこと。壁や床、天井、屋根などに断熱材を入れるほかにも、断熱・気密性の高いドアや窓をとりいれることもあります。室内と室外で熱の出入りが多くならないように対策をするのです。
このような省エネ住宅は、地球温暖化防止に貢献できます。冷暖房による二酸化炭素の排出量を減らすことができるからです。また、光熱費をおさえることができるので家計にもやさしいというメリットも見逃せません。
家づくりに関する省エネ性能は、「次世代省エネルギー基準」が定められています。この基準を確認しておくとよいでしょう。似たような言葉に「エコ住宅」というのがあります。このエコ住宅とは、太陽光などの自然エネルギーを活用する方法です。地球環境に配慮して、できるだけ自然素材を使うこともあります。

3-2.省エネの工夫

省エネをするためには、暖房を使って暖めた空気を外へ逃がさないようにしなければなりません。また、夏には熱い空気が室内に入り込まないように防ぐ必要があります。そのためにさまざまな工夫が考えられているのです。
たとえば、高性能の断熱材を使うというやり方。また、断熱の施工方法を工夫してもよいでしょう。熱の出入りが激しい部分に、断熱性能の高い複層ガラスや断熱ドアをとりいれる方法も効果的です。
さらに、給湯の熱効率を高めるシステムなどを用いるのも有効でしょう。エネルギーをつくりだす太陽光発電システムもあります。このような省エネのためにできる工夫はたくさんあるのです。パンフレットなどを取り寄せて、詳しく調べておくとよいでしょう。

3-3.補助金制度

省エネ住宅やエコ住宅への関心は、高まってきています。国や地方自治体も省エネを普及するために、さまざまな補助金制度を設けていることはご存じでしょうか。省エネに有効な太陽光発電システムや燃料電池システム、給湯器などを設置するときに、必要となる経費の何割かを補助してくれる制度です。このような制度を利用して、省エネに取り組むことをおすすめします。

4.住みやすい家をつくるポイント

4-1.経験者に話を聞く

家を建てるのは、人生において何度も経験できるものではないでしょう。ですから、経験者の意見を聞くことが大切です。どのような点に苦労したのか、やっておいてよかったこと、後悔していることなどを教えてもらいましょう。

4-2.年をとっても住みやすいように

家を建てるときには、できるだけ長く住みやすく感じるように心がけてください。自分が年をとったときのことまで考えて家づくりをしましょう。今は気にならなくても、段差につまずきやすくなり階段の上り下りに手すりが必要になるときがきます。年を重ねて足腰が弱くなっても移動に困難が生じないように考えておきましょう。

4-3.妥協をしないことも大切

当然のことながら、家は毎日の暮らしに欠かすことができないものです。また、気軽に取り替えることのできるインテリアや洋服とは違います。どうしても妥協できない点は、しっかりと主張するとよいでしょう。特に、毎日多くの時間を費やして家事をするキッチンスペースは、使う人が満足するように工夫してあげてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。住みやすい家の条件は次のとおりです。

  • 動線の無駄がない
  • 家の中をぐるりと回れるようになっている間取りが理想
  • ライフスタイルに合わせて柔軟に対応できるような間取りにしておく
  • 熱を逃がさない工夫をとりいれる
  • 太陽の熱を活用する
  • 建物のまわりに緑を植える
  • 補助金制度を利用する
  • 経験者の意見を聞く
  • 年を重ねて足腰が弱くなっても移動に困難が生じないように考えておく
  • 妥協をしないことも大切

このような点に注意して、家づくりを進めるとよいでしょう。家は決して安い買い物ではありません。簡単に買い替えられるものでもないでしょう。じっくりと検討して、家族みんなが納得のいく家づくりをしてください。みんなが住みやすいと感じる家を建てることが大切です。