シックハウス症候群とは? 対策や予防策を覚えて症状を緩和しよう!

目がチカチカする・めまいや頭痛に悩まされている・だるさが取れないという症状を家の中で感じるようなら、シックハウス症候群の可能性があります。シックハウス症候群とは、揮発性化学物質による過敏症です。新築やリフォーム後の家で起こります。シックハウス症候群はしっかり対策を講じなければ、健康被害が深刻化することもあるのです。シックハウス症候群への対策と予防法を覚えておきましょう。

  1. シックハウス症候群とは?
  2. シックハウス症候群の対策方法
  3. シックハウス症候群の予防方法
  4. シックハウス症候群でよくある質問

この記事を読むことで、シックハウス症候群についてよく分かります。シックハウス症候群を引き起こす物質には発がん性があるものもあるため、症状を軽減する対策はしっかり身につけておきましょう。

1.シックハウス症候群とは?

まず、シックハウス症候群とはどのようなものか、主な症状などをご紹介します。

1-1.シックハウス症候群について

建築基準法の改正に伴い、2003年7月1日以降に建築された建物には、シックハウス症候群への対策を講じることが義務づけられています。近年の住宅はどんどん気密化が進み、シックハウス症候群の症状を感じやすくなっているからです。

1-2.シックハウス症候群の主な症状

シックハウス症候群は、喉の痛み・咳(せき)・めまい・頭痛・目がチカチカするといったアレルギー症状を感じるものです。自律神経の不調や風邪に似た症状がいつまでも続くようなら、シックハウス症候群を疑うべきでしょう。

1-3.原因・発生要因について

シックハウス症候群は、揮発性化学物質によって引き起こされます。ホルムアルデヒド・トルエン・アセトアルデヒド・クロロベンゼン・クロルピリホスなどが代表的です。また、化学物質以外では、カビやダニによる発症も指摘されています。換気をあまりしない家庭では、発症リスクが上がるので注意してください。

1-4.シックハウス症候群の問題点・最近の傾向

ひと昔前は、新築時やリフォーム後にシックハウス症候群を発症するケースが目立ちました。しかし、2003年の建築基準法改正後は規制が厳しくなり、新築住宅では以前より注意が払われています。また、ホルムアルデヒドの測定に関する規制も含まれるようになりました。ただし、家具・カーテン・カーペットなどにも化学物質が使われているため、換気をしない環境は、シックハウス症候群になる恐れがあるので注意してください。シックハウス症候群の原因となる物質を測定する機器のレンタルができます。さまざまな測定方がありますが、「検知管方式」が最も手軽にできる方法でしょう。室内の安全性を確保するためにも、測定器の結果を見て、適切に対策を講じることが大切です。

2.シックハウス症候群の対策方法

シックハウス症候群は、自分なりに注意して対策を整えることが大切です。知らぬ間に起こる症状なので、普段からできる対策を覚えておいてください。

2-1.シックハウス症候群の基本的な対策

シックハウス症候群の基本的な対策は、換気と掃除がポイントになります。なぜなら、症状を引き起こすのは、室内に滞った化学物質・カビ・ダニによるものだからです。人体に有害な物質を除去するために換気を行い、室内にこもらないようにしましょう。掃除は、通常の清掃とは異なり、カビ取りやダニ除去を意識したやり方を取り入れなければなりません。また、新築時やリフォーム直後は室内に入らないようにし、化学物質を吸い込まないよう注意しましょう。

2-2.具体的な対策方法

シックハウス症候群への対策を具体的に見ていきましょう。

2-2-1.新築後はすぐに入居しない

新築住宅にすぐ入居するのは止めましょう。なぜなら、住宅が新築されたばかりのころは、ホルムアルデヒドなどの有害物質が多く存在するためです。3か月ほど経過すれば、化学物質の量が減るとされています。入居時期に注意を払うことで、シックハウス症候群の対策を講じることができるでしょう。

2-2-2.換気の仕方にもひと工夫

換気は、1箇所の窓を開けても風がきちんととおり抜けません。2箇所を全開にし、風のとおり道を作ることが大切です。こまめに換気を行い、室内に化学物質が留(とど)まるのを防ぎましょう。24時間換気機能がある場合は、存分に活用してください。通気の維持は、カビやダニ対策にも効果的です。

2-3.シックハウス症候群対策になる建材の選び方

シックハウス症候群対策は、新築時の建材選びから始まります。家を建てる際に、自然由来の塗料や人体に安全な建材を選ぶことも、シックハウス症候群対策には重要なポイントです。以下でご紹介する予防策も併せて覚えておきましょう。

3.シックハウス症候群の予防方法

シックハウス症候群は、普段の生活でも予防できます。予防方法を覚えておき、発症しないように工夫しましょう。

3-1.シックハウス症候群の予防方法

3-1-1.生活環境の改善

カビやダニ以外でも、喫煙・防虫剤・芳香剤などが原因で、シックハウス症候群を発症することがあります。なるべく禁煙を心がけ、防虫剤や芳香剤は適正量を守って使用することが、シックハウス症候群の予防策です。子どもや高齢者は過敏にアレルギー反応を示すため、より注意が必要でしょう。

3-1-2.毒性の強い化学物質を使用したものは避ける

記述したとおり、家具・カーテン・カーペットなどにも化学物質が使われています。化学物質が少ない天然素材や、アレルギーに考慮したものを選ぶことも大切です。家具などを新調したときは、半日程度扉などを開放し、含有する化学物質を放出するようにしてから使用してください。

3-2.こまめに掃除をする

シックハウス症候群の原因には、化学物質以外にカビやダニが含まれます。予防するためには、換気だけに頼らず、こまめな掃除を行うことが理想です。アレルギー症状がひどい場合は、芳香剤や殺虫剤などの使用も控えてください。

4.シックハウス症候群でよくある質問

シックハウス症候群に関する質問を集めました。ご一読ください。

Q.体内に蓄積した化学物質を出す方法はあるのか?
A.適度な運動をし、汗を出すことで毒素を排出できます。低温サウナなどもおすすめです。しかし、排出される量は限られています。あくまでも、症状を和らげる手段の1つとして考えておきましょう。

Q.夏はシックハウス症候群の症状がひどくなるもの?
A.シックハウス症候群の原因となる揮発性化学物質は、気温が上昇すると発散量が増加します。そのため、夏は症状を感じやすくなるでしょう。気温の高い時期は、換気をこまめに行うよう意識してください。

Q.ベイクアウトとは?
A.ベイクアウトとは、化学物質の発散を促す方法です。揮発性化学物質の特性を生かし、室内を40℃近くまで上げ、有害物質の濃度を高めます。濃度が高まった状態で換気をすることで、室内の化学物質濃度を下げることができるのです。ただし、ベイクアウトを行うときは高温になるため、家具や建材に反(そ)りや亀裂が発生することがあります。

Q.ホルムアルデヒドは臭いを感じるもの?
A.ホルムアルデヒドは、0.08ppmから臭いを感じるようになります。測定器を使うと数値が分かるでしょう。数値が上がるごとに、目や鼻に強い刺激を感じるようになります。呼吸器に影響が出る場合は危険です。

Q.シックハウス症候群は完治しないのか?
A.シックハウス症候群を発症した場合、完治は難しいものです。少しでも症状を和らげるため、対策や予防策を講じることが大切でしょう。症状がひどい場合は、速やかに病院を受診してください。

まとめ

いかがでしたか?シックハウス症候群は、目・鼻・呼吸器などにアレルギー反応が出る化学物質過敏症状です。新築住宅やリフォーム後は特に注意してください。また、家具・カーテン・カーペットなどに使われている化学物質でも発症することがあります。換気をこまめに行うことで、症状を和らげることができるでしょう。カビやダニによる発症も指摘されているため、掃除もきちんと行うようにしてください。