24時間換気システムの種類をチェック! 導入ポイントや使用時の注意点

「24時間換気システムはどのような種類があるのか」「導入するにはどうすればいいのか?」など、24時間換気システムについて悩んでいる方は多いでしょう。シックハウス対策として注目されている24時間換気システムですが、導入や使用時にはいくつか注意点があります。

本記事では、24時間換気システムについて詳しく説明しましょう。

  1. 24時間換気システムとは?
  2. 24時間換気システムの種類
  3. 24時間換気システムを導入するには?
  4. 24時間換気システムを使用する際の注意点
  5. 24時間換気システムに関してよくある質問

この記事を読むことで、24時間換気システムの導入ポイントや使用時の注意点も分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.24時間換気システムとは?

まずは、24時間換気システムがどのようなものなのか、基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.24時間建物内の換気ができる仕組み

24時間換気システムを簡単に説明すると、1日中建物内の換気ができるように設計された仕組みのことです。換気をするとき、家中の窓を開けて新鮮な空気を室内に入れる方がほとんどでしょう。ですが、24時間換気システムは窓を開けなくても外気の空気を室内に取り込み、室内の空気を外に出すことができます。なかなか空気の入れ替えができない場所でも、24時間換気システムを導入すれば空気の入れ替えができるというわけです。

1-2.普通の換気扇とは異なる「常期換気」

24時間換気システムは、トイレやお風呂などについている一般的な換気扇とは大きく異なります。同じ換気扇だと勘違いしている方が多いのですが、一般的な換気扇は局所換気と呼ばれる換気設備です。一方、24時間換気システムは常期換気と呼ばれ、家全体の空気を入れ替えるように循環させていく換気システムとなっています。局所換気とは違った目的で設計されているため、約1時間で室内の半分ほど空気を入れ替えることができるでしょう。

2.24時間換気システムの種類

ここでは、24時間換気システムの主な種類を説明します。

2-1.第1種換気方式

24時間換気システムは吸排気の仕方によって、3つの種類に分かれています。その中でも最も確実な換気が可能だといわれているのが、第1種換気です。第1種換気は、換気も給気も機械で行うシステムとなっています。そのため、空気の流れが制御しやすく、外気を室内の温度になるべく近づけて取り込める点が大きなメリットです。だからこそ、冬の気候が厳しい地域などに採用されることが多い特徴があります。ただし、すべてを機械で動かしているのでランニングコストが高い・設置本体が通常の換気扇よりも高額になる点がデメリットです。

2-2.第2種換気方式

給気を機械で行い、排気を排気口などから自然に屋外へ排気する方法を第2種換気方式といいます。第2種換気方式は、室内が正圧になりやすいのが特徴です。吸気口にフィルターを組み込むことによって、清浄な空気を保つことができます。ただし、気密性能によっては湿気が室内へ侵入してしまい、内部結露が懸念されるので注意しなければなりません。内部結露の発生を防ぐためにも、気密性能の確保を図ることが大切です。一般的に、第2種換気方式は機械で強制的にキレイな空気を取り入れることができるため、クリーンルームや無菌室などに採用されています。

2-3.第3種換気方式

第3種換気方式は、第2種方式とは真逆の仕組みになっているのが特徴です。排気を換気扇などの機械で行い、給気口から自然に給気します。給気口には換気扇を設置しないため、すべての部屋に給気口が必要です。第1種換気方式よりも設置コストや電気代が安いことから、一戸建てやマンションに多く採用されています。排気を機械で強制的に行うことができるため、結露が発生しづらくなり高気密高断熱の家にぴったりの換気方式といえるでしょう。ただし、外気の温度が室内に入り込みやすいデメリットがあります。

3.24時間換気システムを導入するには?

ここでは、24時間換気システムを導入する方法を解説します。

3-1.リフォーム業者に依頼する

24時間換気システムは、リフォーム業者に依頼して導入することになります。リフォーム業者は換気システムについて知識を持っているため、専門家の話を聞きながら建物に合った換気方式を取り入れることができるでしょう。ちなみに、2003年に定められた改正建築基準法に基づいて、24時間換気システムの導入は義務化されています。建物技術の向上によって建物の気密性が上がったため、部屋の空気を循環させる必要が出てきたからです。そのため、新築住宅の建設時は24時間換気システムの導入が必要不可欠となります。

3-2.ほとんどの住宅で採用されているのは第1種と第3種換気方式

24時間換気システムを導入する際、どの換気方式を選べばいいのか分からずに悩んでしまう方は多いでしょう。実際のところ、第1種換気方式と第3種換気方式がほとんどの住宅で採用されています。その理由として、第1種換気方式はどのような住宅でも換気効果が得られること、第3種換気方式は低コストである程度の換気効果が期待できるからです。ただ、第1種換気方式はコストがかかってしまうため、なるべく設置費用を抑えたい方は第3種換気方式を選ぶといいでしょう。

3-3.家族の状況も考慮する

換気効果やコストだけでなく、家族の状況も考慮して24時間換気システムを導入することが大切です。特に、アレルギー体質を持っている家族がいる場合、換気効果を重視しなければなりません。換気効果が発揮できないとシックハウスやハウスダストの影響を強く受けてしまう恐れがあります。もちろん、きちんと室内の空気を循環させることができれば、シックハウスやハウスダストの影響を受ける心配はありません。家族にアレルギー持ちの人がいるのであれば、換気効果が1番高いといわれている第1種換気方式を導入したほうがいいでしょう。

3-4.電気代は月々数百円

前述したように、24時間換気システムはそれぞれの方式で換気扇といった機械を用いることになります。そのため、電気代は月々いくらかかるのか・高いのではないかと気になっている方は多いでしょう。正直にお話しますと、24時間ずっと換気システムを使っていても月々100~500円程度で済みます。一般的に、お風呂場の換気扇は約20Wで月々400円程度かかるでしょう。24時間換気システムを使っているからと特別電気代が高くなるわけではないので安心してください。

4.24時間換気システムを使用する際の注意点

ここでは、24時間換気システムを使用する際の注意点をいくつか紹介します。

4-1.長く快適に使い続けるための手入れ

24時間換気システムを長く快適に使い続けるためには、日々の手入れが必要です。外気を取り入れるフィルターは外からのゴミがたまりやすく、室内の空気にもダニの死がいやホコリがたくさん舞っています。そのため、しっかりと掃除をしておかなければ、換気効果が薄れてしまうのです。それでは、吸気口と排気口それぞれの手入れ方法を紹介しましょう。

4-1-1.吸気口の手入れ

吸気口のフィルターは半年に一度交換してください。24時間換気システムには、定期的に手入れをして長く使うタイプと一定期間使用したら新しいフィルターに交換するタイプの2種類があります。掃除をすることで長く使えるフィルターはコストパフォーマンスに優れていますが、交換式のほうが衛生面としては有効です。なお、吸気口を掃除する際は以下の手順を参考にしてください。

  1. 吸気口のカバーを取り外す
  2. フィルターを取り外し、ホコリなどの汚れを水で洗う
  3. フィルターを完全に乾かす
  4. 元の位置にフィルターを戻しカバーをつけて完了

4-1-2.排気口の手入れ

室内の空気を外に排出する排気口にも、たくさんの汚れやホコリがつきやすいので定期的に手入れをしてください。基本的には、吸気口の掃除方法と同じです。ただ、排気口は天井近くに配置されているケースが多いため、フィルターを取り外す際は十分に気をつけてください。しっかりと足場の安定を確保してからフィルターを取り外しましょう。また、排気口には大きめのホコリをキャッチするためのフィルターがついています。そのフィルターも忘れずに掃除してください。

4-2.24時間換気は止めない

原則として、24時間換気は止めないようにしてください。新築の家に引っ越して数年経過したからもう大丈夫だろうと、24時間換気を止めてしまう方がいます。給排気口を閉じてしまうと、人体に影響を及ぼす物質が室内に発生してしまい、不衛生な環境になってしまうのです。換気を続けることで一酸化炭素・二酸化炭素・窒素など人体に影響を及ぼす物質を減少させることができます。ただ、フィルターの掃除を行う際だけは、24時間換気システムをオフにしてください。

5.24時間換気システムに関してよくある質問

24時間換気システムに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.シックハウス症候群とは?
A.建材や家具などから発生する化学物質やダニ・カビなどの室内空気汚染によって起こる健康被害のことです。めまい・吐き気・疲労感・毛体感・じんましんん・頭痛などがシックハウス症候群の代表的な症状となります。住宅の高気密化が進み、化学物質による空気汚染が起こりやすくなっているのがシックハウス症候群の原因です。そのため、住宅から離れた外ではシックハウス症候群の症状が軽くなるというケースが多く見られます。

Q.24時間換気システムのデメリットは?
A.大きなデメリットとしては、室内が寒くなる点です。特に、多くの住宅で採用されている第3種換気方式は自然換気で給気を行うので室内に入ってくる外気の調整ができません。室内が寒いと感じるときは、機械換気タイプの給気を一時的に停止するといいでしょう。長時間の停止はおすすめしませんが、短時間であればそれほど影響はありません。ほかにも、音がうるさかったり虫が入ってきてしまったりというデメリットがあります。

Q.24時間換気システムを止めたほうがいいケースは?
A.なるべく、24時間換気システムは稼働したままが理想ではありますが、台風など雨風が強い場合は停止したほうがいいでしょう。24時間換気システムを停止させるだけでなく、リビングや居室などにある給気口も閉じておきます。雨風が強い状態で24時間換気システムが稼働したままだと雨風が室内に入る可能性があるからです。台風が過ぎ去った後は、給気口を開けて24時間換気システムも再稼働してください。

Q.生活環境の衛生面を維持するためのコツは?
A.花粉や黄砂が飛散しやすい時期は、24時間換気システムに加えて空気清浄機を活用するのがポイントです。特に、春先は24時間換気システムを稼働させていても、室内にPM2.5などが侵入する可能性があります。より生活環境の衛生面を維持するためにも、空気清浄機も活用して空気をキレイにしてください。

Q.リフォーム業者選びのポイントは?
A.どのリフォーム業者に依頼すればいいのか・相談すればいいのかと悩んでいる方は多いでしょう。そんなときは、以下のポイントを参考にしてください。

  • さまざまなリフォームに対応しているか
  • 24時間換気システムといった設備に詳しいか
  • ホームページ等に施工事例が掲載されているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • どのような質問にも分かりやすく答えてくれるか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • 無料相談や無料見積もりを受け付けているか
  • 口コミや評判がいいか

まとめ

24時間換気システムとは、窓を開けなくても外気の空気を室内に入れ、室内の空気を外に排出する仕組みのことです。気密性の高い建物が多くなっているからこそ、24時間換気システムの導入が義務化されています。シックハウス対策のためにも、正しい方法で24時間換気システムを導入しましょう。導入によっては、24時間換気システムが上手に生かせなくなってしまうため、実績のある業者に依頼することが大切です。業者選びの際は、複数の業者を比較し信用できるところを選んでください。