ガルバリウム外壁って!? 特徴・種類など知って得する5つのポイント

家の外壁を「ガルバリウム」にしようかな……とお考えでしょうか? 最近人気を集めているガルバリウム外壁は、見た目がクールな印象なのでスタイリッシュ&モダンなデザインの家作りにはぴったりです。「でも、実際ガルバリウム外壁ってどうなの?」と迷っている人もいるでしょう。そこで、ガルバリウム外壁の特徴・種類・メリット・デメリットなど知って得する5つのポイントをご紹介しましょう。

  1. ガルバリウムについて
  2. ガルバリウム外壁のメリット・デメリット
  3. ガルバリウム外壁へのリフォームについて
  4. ガルバリウム外壁の業者選び
  5. ガルバリウム外壁〜よくある質問〜

この記事を読んでいただければ、ガルバリウム外壁に関するいろいろな疑問が解決できるでしょう。ぜひお役立てくださいね。

1.ガルバリウムとは

ここでは「そもそもガルバリウムとは?」という基礎知識をご紹介しましょう。

1-1.ガルバリウムとはどのようなもの?

「ガルバリウム」とは、正式名称を「ガルバリウム鋼板(こうはん)」といいます。鉄板に、アルミニウム55%・亜鉛43.4%・ケイ素1.6%で配合したメッキを吹き付けた合金メッキ鋼板です。ガルバリウムは、主に屋根や外壁材に使用されています。

1-2.ガルバリウムの特徴は?

ガルバリウムは、以下のような特徴があります。

  • 耐食性:サビに強く長期間美観を維持できる
  • 加工性:加工しやすく着色性も高い
  • 耐熱性:日射熱に強い
  • 熱反射性:トタンと比較すると太陽熱の熱反射率が高い
  • 犠牲防食機能:メッキに傷が生じ素地(そじ)の鉄が露出しても、傷周囲の亜鉛が先に溶けて鉄を保護する作用がある

1-3.ガルバリウムの種類は?

ガルバリウムはいろいろなメーカーが取り扱っているのでおよそ100種類以上あるといわれています。そして、販売メーカーごとに種類や特徴は異なるのです。

1-4.ガルバリウムの最近の傾向

最近は、大手の住宅会社でもガルバリウムを積極的に使うところが多くなっています。ガルバリウムが戸建て住宅に使われるようになってから30年以上の間、さまざまな検証がなされました。その結果、近年は建築のプロからも評価されるようになったのです。

2.ガルバリウム外壁のメリット・デメリット

ガルバリウム外壁には、どのようなメリットとデメリットがあるのかをご紹介しましょう。

2-1.ガルバリウム外壁のメリットとは

メリットとしては以下のようなことが挙げられます。

2-1-1.モダンで都会的なイメージの家ができる

ガルバリウムは、シンプルなものから木目・レンガ調・タイル調などさまざまな種類があり、いずれもモダンでハイセンスな雰囲気を持っています。クールで都会的な外壁の家を作りたい人にはぴったりでしょう。

2-1-2.丈夫で長持ちする

前項でご紹介したように、ガルバリウムには、耐食・耐熱・熱反射性に優れ、なおかつ犠牲防食機能も持ち合わせています。そのため、きちんとメンテナンスを行えば長く使えるでしょう。

2-1-3.素材自体が軽いので家への負担が少ない

ガルバリウムは外壁材の中でも特に軽量です。そのため、家の基礎部分に負担がかかりません。

2-1-4.長期的に考えるとお得

ガリバリウムは、基本的に材料費や工賃がかかるため初期費用が高くなります。けれども、ガルバリウムの寿命(塗り替えが必要になる期間)は約20〜25年です。そして、一般的な外壁の塗り替えは10〜15年ごとに行うことが推奨されています。長期的に考えると、ガルバリウムのほうがメンテナンスの回数が少ない分お得といえるでしょう。

2-2.ガルバリウム外壁のデメリットとは

デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。

2-2-1.耐熱性はあるが「断熱」ではないので費用がかかる

ガルバリウムは耐熱性や熱反射に優れています。しかしながら、薄いので「断熱性」はほぼありません。そのため、家そのものに断熱性能をつけるなどの工事が必要になり費用がかかります。

2-2-2.絶対にサビないわけではない

「サビに強い!」とうたわれているガルバリウムですが、絶対にサビないわけではありません。潮風が当たる海岸沿いの家、高温多湿な環境などではサビやすくなります。
また、知識や腕のない施工業者が作業すると「電食(※)」が起き、異なる種類の金属から「もらいサビ」をして劣化することもあるので要注意です。

※電食:異種金属接触腐食

2-2-3.好き嫌いが分かれる

モダンでクールな雰囲気を好む人には、ガルバリウムの外壁は評判がいいようです。けれども、人によっては「倉庫っぽい」「トタンみたい」という人もいます。ガルバリウム外壁は、個性を演出できる分、評価が分かれるところです。

3.ガルバリウム外壁へのリフォームについて

ガルバリウム外壁を取り入れたリフォームについて、事前に知っておきたい知識をご紹介しましょう。

3-1.ガルバリウム外壁が不向きなケース

耐久性を誇るガルバリウムでも、「塩害」は弱点となっています。潮風に乗って運ばれてきた塩分が金属に付着するとサビを発生してしまうのです。ガルバリウムはサビには強いというメリットがあります。しかし、塩害の激しい地域では、そのメリットをいかせません。
また、ガルバリウムは薄いので台風や竜巻などが多い地域では損傷を受けやすくなります。海岸沿い・風災が頻繁(ひんぱん)に起きる地域にお住まいの場合は、ガルバリウムなどの金属素材をリフォームに使用するのは避けたほうがいいでしょう。

3-2.ガルバリウム外壁のメンテナンスについて

「ガルバリウム外壁はメンテナンスフリーなので楽ですよ!」などとセールストークをする業者もいます。しかしながら、メンテナンスは必要です。けれども、方法は簡単なので必ず定期的に行いましょう。メンテナンスは以下のことに注意して行ってください。

  • 豪雨や台風の後、外壁に泥はねがあったら水洗いをする
  • 高圧洗浄機を使うと外壁がへこんだり傷がついたりするのでホースを使い優しい水流で汚れを落とす
  • メンテナンスの目安は、1年に1〜2回。海岸沿いではなくても海に近い地域や、台風は多い地域では2〜3か月に1回

3-3.ガルバリウム外壁の工事について

ガルバリウム外壁の工事のときには、ガリバリウムと内壁の間に「断熱材」を用い、家自体に断熱機能を持たせる工事も必要です。
そのため、それらの工事経験が豊富な業者を選ぶ必要があります。業者選びに関しては後の項で詳しく説明しましょう。

3-4.ガルバリウム外壁の価格について

ガルバリウムは、ほかの外壁材と比較すると高くなります。というのも、前項でご紹介したように断熱材を用いた工事が必要になるからです。また、ガルバリウムは湿気を通さないので湿気対策が必要なこともあり、その分施工コストが高くなります。ガリバリウム鋼板の商品価格だけではなく、付帯作業の費用もかかるということを覚えておいてください。

3-5.ガルバリウム外壁の注意点

ガルバリウム鋼板の素材感をいかすために「素地(そじ)」のままで使用すると、「黒点現象」が起こる可能性もあるので注意しましょう。外壁工事中にセメントを使用する工程があると、そのセメントがガルバリウムに付着することがあります。そして、雨にぬれるとガルバリウムのアルミニウムの成分とセメントのアルカリ成分が反応して黒くなってしまうのです。美観が損なわれてしまうので、気になる人は「塗装を施しているガルバリウム鋼板」を選びましょう。

4.ガルバリウム外壁の業者選び

ガルバリウム鋼板は、施工条件が厳しい外装材です。そのため業者は慎重に選ぶ必要があります。業者選びのポイントや注意点などをご紹介しましょう。

4-1.業者選びのポイント

業者のホームページなどで以下のことを確認してください。

  • ガルバリウム外壁に関する知識や経験が豊富か
  • ガルバリウム外壁の施工例を写真つきで紹介しているか
  • ガルバリウム鋼板のメーカーの保証だけではなく業者独自の施工保証もあるか
  • 「ガルバリウム外壁はメンテナンスがいらない」など、誇大セールスをしていないか

4-2.カルバリウム外壁工事の価格について

ガルバリウム外壁工事の価格は、使用する材料・面積・業者によって大きく異なります。見積もりは1社だけではなく複数社に頼み、比較検討してください。インターネットで外壁塗装の見積もりを比較できるサイトもあるので利用してみるのもいいでしょう。

4-3.外壁工事を行う業者選びには要注意!

ガルバリウム外壁を行うリフォーム業者の中には、悪徳業者も存在するということを覚えておきましょう。以下のようなことに気をつけてください。

  • 業者の本社や営業所などの所在地がはっきりしていない
  • 「大幅に値引きします」など過剰なセールストークをしている
  • 「追加工事が発生する可能性があるか」「追加工事があった場合の料金はどうなるのか」を明確にしていない
  • 見積もりがおおざっぱで細かい明細を書いていない

5.ガルバリウム外壁〜よくある質問〜

ガルバリウム外壁に関する、よくある質問をご紹介しましょう。

Q.自分や業者によるメンテナンスは必要でしょうか?
A.自分で行うメンテナンスは「3-1.ガルバリウム外壁のメンテナンスについて」でご紹介したとおりです。また、1〜2年に1度は専門業者によるメンテナンスをしたほうが長持ちするでしょう。

Q.ガルバリウム外壁工事の日数はどれくらいかかりますか?
A.外壁の面積などにもよりますが、一般的な住宅の場合は10日〜2週間ほどです。工事内容は、足場の設置→下地工事→ガルバリウム鋼板の施工→足場の撤去となります。

Q.ガルバリウム外壁はどんな人に向いてるのでしょうか?
A.ガルバリウム鋼板は耐用年数が20〜25年あるので、これから住宅購入を考えている人におすすめです。また、中古住宅を購入しガルバリウム外壁にリフォームするのもいいでしょう。

Q.外壁施工はどのような業者に依頼すれば費用を抑えられるのですか?
A.基本的に、施工作業を行う人員が増えれば増えるほど人件費が高くなります。たとえば、以下の2社では大きく費用が異なるのです。

  • 営業・施工がすべて外注スタッフの場合:材料費+営業外注費+施工外注費+中間マージン+運送費+諸経費
  • 営業も施工も職人が行う業者の場合:材料費+職人の人件費+運送費+諸経費

費用を抑えたい場合は、外注を使わない業者のほうがおすすめです。

Q.ガルバリウム鋼板で外壁をリフォームするとき、色や模様の選び方のポイントはありますか。
A.「クールな雰囲気にしたい」「ナチュラルなイメージにしたい」など、最初にイメージをはっきりと決めましょう。その上で、自分が選んだガルバリウムの色や模様がイメージに合っているかどうかよく検討してください。

まとめ

いかがでしたか。ガルバリウム外壁の特徴・種類・メリット・デメリットなどをご紹介しました。ガルバリウム外壁がどのようなものか、おわかりいただけたかと思います。
ガルバリウムは丈夫で長持ちし、長い目で見るとコストパフォーマンスがいいので最近注目されている外壁材です。自宅に取り入れるときは、メリット・デメリットをしっかりと把握してください。そして、依頼するときにはガルバリウム外壁工事の経験が長く、信頼のおける業者を選びましょう。