ガルバリウム鋼板を屋根に用いるメリットは? 方法や注意点も解説

屋根のリフォームで人気があるガルバリウム鋼板ですが、屋根に用いるとどのようなメリットやデメリットがあるのかきちんと理解していない方が多いのではないでしょうか。「人気だから」「ほかの人も使っているから」といった理由では、ガルバリウム鋼板の魅力を最大限に生かすことはできません。

そこで、本記事では、ガルバリウム鋼板の特徴や屋根の施工方法などについて解説します。

  1. ガルバリウム鋼板屋根の種類と特徴を知ろう!
  2. ガルバリウム鋼板を屋根に用いるメリット&デメリット
  3. ガルバリウム鋼板屋根の施工方法とメンテナンス法
  4. ガルバリウム鋼板屋根の施工業者選びは?
  5. ガルバリウム鋼板に関してよくある質問

この記事を読むことで、ガルバリウム鋼板の施工方法や業者選びのコツなどがわかります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.ガルバリウム鋼板屋根の種類と特徴を知ろう!

まずは、ガルバリウム鋼板屋根の種類と特徴をチェックしておきましょう。

1-1.昔からある金属素材の1つ

ガルバリウム鋼板は、1972年にアメリカで開発された金属素材の1つです。昔から屋根材として使われてきた素材で、近年ではスタイリッシュでモダンな見た目が人気になっています。ガルバリウム鋼板のほかにも、ガルバ・ガルバニウムの愛称で親しまれており、アルミと亜鉛で鉄を守るための役割をになっているのです。そのため、耐久性に優れている点が大きな特徴と言えるでしょう。アルミニウム55%・亜鉛43.4%・シリコン1.6%で構成されています。

1-2.あらゆる用途に対応できる鋼板

耐久性に優れているほか、耐食性・加工性・耐熱性・熱反射性などにも優れています。亜鉛の特徴である犠牲防食機能も備わっているため、従来の鋼板よりも丈夫です。そのため、屋根材だけでなくあらゆる用途に対応できるのも大きな特徴と言えるでしょう。アルミと亜鉛の合金めっきの上から樹脂塗料で塗装されているため、樹脂塗料の耐久性が低下しても鋼板表面のめっき層がサビから原板を守ってくれます。耐用年数が長いのはもちろん、メンテナンス性にも優れた材質です。

1-3.メーカーによって異なるガルバリウム鋼板の種類

ガルバリウム鋼板は、販売しているメーカーごとに種類や特徴が異なります。たとえば、大手外装材メーカーのニチハは、屋根材として「センタールーフ(超高耐久横暖ルーフ)」が発売中です。断熱材一体型となっているため、断熱材と併用しなければならない寒い地方に向いています。旭トステムからは、新築からリフォームまで対応可能な種類が発売されているなど、メーカーごとの特徴をチェックするといいでしょう。

2.ガルバリウム鋼板を屋根に用いるメリット&デメリット

ここでは、ガルバリウム鋼板を屋根に用いるメリットとデメリットを紹介します。

2-1.メリット1:耐久性に優れている

ガルバリウム鋼板の大きなメリットは、耐久性に優れていることです。住宅の中でも屋根は常に雨や風にさらされる場所なので劣化スピードが速い傾向があります。そのため、屋根材選びで耐久性に優れていることは必須項目でもあるのです。また、ガルバリウム鋼板はアルミの長期耐久性を併せ持っているので、従来のトタン屋根に比べて3~6倍もの耐久性があります。

2-2.メリット2:耐熱性と耐震性に優れている

耐久性だけでなく、ガルバリウム鋼板は耐熱性と耐震性に優れているのも大きなメリットです。1~3mm程度と非常に薄い素材ではありますが、重さは瓦の10分の1の軽さとなっています。屋根の重さは家の耐震性に大きな影響を及ぼすため、軽量でできているガルバリウム鋼板は地震の揺れに強いのです。熱に強いアルミが多く含まれていることもあり、従来の亜鉛鉄板よりも耐熱性が抜群と言えます。

2-3.メリット3:加工しやすい

ガルバリウム鋼板はめっき層がやわらかい特徴を持っているため、加工しやすいメリットがあります。複雑な折り曲げも可能で、さまざまな形状の屋根に用いることができるのです。最近では、紫外線に強い製品からフッ素樹脂を焼きつけたものなどの加工が施された商品もたくさん登場しています。

2-4.デメリット1:断熱性・防音性が低い

ガルバリウム鋼板の大きなデメリットは、断熱性と防音性が低いことです。瓦やスレート屋根材は、素材自体に耐熱性を持っていますが、ガルバリウム鋼板にはありません。そのため、一般的に屋根材の下や屋根裏に断熱材の施工が必要となります。断熱材を取り入れる際は、その分の工事費用がかかるので注意が必要です。また、金属素材なのでどうしても防音性に劣るところがあります。雨音が気になる場合は、別途防音対策を施す必要があるでしょう。

2-5.デメリット2:アルカリ性に弱い

耐久性に優れている屋根材ですが、アルカリ性に弱いデメリットがあります。枯れ葉や木くずなどが長い間付着していると、変色したり変質したりする可能性があるのです。自宅や隣家などに背の高い植物がある場合は、こまめな手入れやメンテナンスが必要でしょう。

3.ガルバリウム鋼板屋根の施工方法とメンテナンス法

それでは、ガルバリウム鋼板を屋根に施す方法とメンテナンスの方法などについて解説します。

3-1.施工方法は横葺(ふ)き・縦葺き・瓦調葺きの3種類

基本的に、ガルバリウム鋼板屋根の葺き方(乗せ方)は、横葺き・縦葺き・瓦調葺きの3種類となります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 横葺き:最も普及率が高く、屋根材と断熱材が一体化しているものもある
  • 縦葺き:「ストライプ(縦じま)」のように、雨が流れる方向に屋根材をいた屋根の形状
  • 瓦調葺き:角度のない屋根に使用することができ、さまざまな屋根に対応可能

それぞれの方法は、屋根の勾配によって選ぶことになります。たとえば、横葺きの場合は、2.5寸以上の屋根勾配でなければ施工できない点が特徴です。素人では判断しにくいので、リフォーム業者と話し合いながら決めることをおすすめします。

3-2.古い屋根を剝がさず張り替えるカバー工法

ガルバリウム鋼板は、既存の屋根材を剝がし、新しい屋根材に張り替える葺き替えのほか、カバー工法を用いることができます。カバー工法とは、古い屋根を剝がさずに、新しい屋根に張り替える工事方法です。下地の野地板がしっかりしている場合には、カバー工法が最適でしょう。カバー工法なら既存屋根材を撤去する必要がないので、その分費用を抑えることができます。ただし、でこぼこがある屋根にはカバー工法が厳しくなるため、注意してください。

3-3.ガルバリウム鋼板の耐用年数は10~30年

ガルバリウム鋼板の耐用年数は、約10~30年と言われています。ほかの屋根材と比べると非常に長く、メンテナンス頻度が少ない屋根材と言えるでしょう。ただし、塩害地域や工業都市などでは、耐用年数が短くなる傾向があります。たとえ、屋根材が長持ちしていたとしても、下地層が傷んでいるケースもあるのです。より長く使い続けるためには、定期的に屋根塗装を施す必要があります。使用する塗料によっては、塗り替え頻度が短くなるケースもあるでしょう。

4.ガルバリウム鋼板屋根の施工業者選びは?

それでは、ガルバリウム鋼板屋根の施工業者選びについて解説します。

4-1.施工業者によって仕上がりが変わる

ガルバリウム鋼材のデメリット要素を補い、メリットを十分に生かすためには業者選びが重要なポイントとなります。光沢のあるスタイリッシュな見た目が魅力ではありますが、仕上げ方しだいで外観デザインが大きく変わるからです。温かみのあるナチュラルな外観にしたい方は、ガルバリウム鋼板は向いていないでしょう。また、カラーコーディネートを誤ると、ガルバリウム鋼板ならではの質感を生かしきることができなくなります。このような失敗を防ぐためには、サンプルだけでなく、実際に施工されたガルバリウム鋼板を確認することが大切です。

4-2.複数の業者を比較しよう

「早く施工したいから」と最初から1社にしぼり依頼してしまうと失敗する可能性が高くなるので注意してください。業者選びで大切なのは、複数の業者を比較することです。比較することで、どの業者がガルバリウム鋼板の屋根工事に長(た)けているのか・親身になって話を聞いてくれるのかなど、良いとことろ悪いところのメリハリがつくようになります。優良業者は親身になって話を聞き、適切な施工方法を提案してくれるでしょう。

4-3.保証やアフターサービスの有無は要チェック!

施工業者を選ぶ際、必ず確認してほしいのが保証やアフターサービスの有無です。業者の中には、工事終了後から5~10年の保証期間を設けているところがあります。何らかのトラブルが起きたとしても無償で対応してくれるので安心です。無料で定期的にメンテナンスを行ってくれるところもあるので、依頼前に必ず保証とアフターサービスの有無を確認してください。

4-4.施工トラブルは工事に問題がある

屋根や外壁のリフォーム工事は、トラブルが起きやすいと言われています。施工トラブルが起こる原因は、屋根材ではなく工事に問題があることがほとんどです。たとえば、リフォーム後にすぐ雨漏りが起きた・塗膜が剝がれたなどのトラブルが起きています。施工トラブルのほか、「見積書の内容と違う金額を請求された」「高額な追加費用を求められた」といった金銭トラブルも発生しているので十分に注意しなければなりません。

5.ガルバリウム鋼板に関してよくある質問

ガルバリウム鋼板に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.メンテナンスは自分でできるのか?
A.簡単なメンテナンスなら自分でできます。たとえば、屋根の塗膜が剝がれていないか・色あせが起きていないか・雨が降った翌日に雨漏りが発生していないかなどです。屋根の塗装は定期的に行うことで屋根材の寿命も長く延びます。塗装を依頼する際に、屋根材が劣化していないか業者に調査を依頼するといいでしょう。また、環境によっても異なるため、外壁工事を行う際に屋根もチェックするのも方法の1つです。

Q.メンテナンスの頻度はどのくらい?
A.だいたいの耐用年数は10~30年ほどですが、15~20年で色あせが目立ち始めるケースが多いようです。気になる方は、この時期にガルバリウム鋼板のメンテナンスを行うといいでしょう。サビが発生していなければ塗装を施さなくても30年は持つ可能性がありますが、30年以上保ち続けたい方は15年に1度の塗装メンテナンスをおすすめします。

Q.葺き替えとカバー工法はどちらがいいの?
A.下地が傷んでいない場合はカバー工法でも構いません。カバー工法のほうが葺き替えよりも費用を抑えることができるため、費用節約のためにその方法を用いる方がいます。ただし、下地が傷んでいたり、太陽光発電を設置したりしている場合は、葺き替えのほうがいいでしょう。また、雨漏りが発生している・劣化状態がひどい場合も吹き替えでのリフォームをおすすめします。

Q.横葺きと縦葺き、どちらを選ぶべきか?
A.勾配にもよりますが、縦葺きは台風対策や雨じまいの強度に勝るため、長めの軒に対応できるでしょう。施工費用をなるべく抑えたい方にも、縦葺きのほうが費用が節約できます。一方、横葺きの場合は、勾配が2.5寸以上をクリアしていれば問題ありません。縦よりもスッキリとした印象を与え、落ち着いた仕上がりになります。

Q.悪徳業者の特徴は?
A.悪徳業者は見積書の内容が細かく記載していない傾向があります。内訳が記載していないので、工事後に高額な追加料金を請求するのです。また、工事前に屋根の状態をしっかり確認しない傾向もあります。事前に調査するからこそ、状況に合った施工が施せるのです。

まとめ

ガルバリウム鋼板は、金属素材の一種です。耐久性と耐震性に優れている・耐熱性が高い・加工しやすいというメリットがありますが、断熱性や防音性が低いデメリットもあります。デメリットもきちんと把握することで、メリットをより生かすことができるでしょう。また、ガルバリウム鋼板を屋根材に用いる際は、実績があるリフォーム業者に依頼するのも大切なポイントです。親身になって話を聞いてくれるか・見積書の内容が明確に記載されているのかなど、いくつかポイントをチェックした上で信用できる業者を選びましょう。