
輸入住宅を建てた後のメンテナンス方法とは? こんなことが大切!
輸入住宅というのは、アメリカやヨーロッパで作られた住宅を輸入し、日本で建築したものです。
憧れている方は多いですが、輸入住宅を建てた後のメンテナンスが気になるという方も少なくないでしょう。
そこで今回は輸入住宅のアフターメンテナンスについてご紹介します。
輸入住宅と日本製の住宅のアフターメンテナンスの違いとは?
また、輸入住宅独特の注意点はあるのでしょうか?
輸入住宅を建てたいけれど、アフターメンテナンスが心配という方はぜひ読んでみてくださいね。
1.輸入住宅を建てる際の注意点とは?
この項では、輸入住宅と日本製の住宅の違いや注意点をご紹介します。
輸入住宅にはいったいどのような特徴があるのでしょうか?
1-1.欧米の気候に合わせた住宅
日本の伝統的な家屋が、窓が広くて壁が少なく夏を過ごしやすくするため工夫が凝らされているのに対し、輸入住宅は窓が小さく壁が多く、冬を過ごしやすくするための工夫が凝らされています。
ヨーロッパ諸国の気候は、日本の青森~北海道あたりとよく似ていて、雨が少なく、冬寒く、乾燥しています。
そんなヨーロッパの人たちが移住したアメリカの住宅も、同じスタイルを受け継いでいるのですね。
現在は屋内の温度調節をエアコンで行うことが多いですから、ヨーロッパ仕様の住宅を建てても住みにくいことはありません。
しかし、いくつか注意しなければならないこともあります。
1-2.最大の敵は湿気
輸入住宅を日本に建てる際、最も気を付けなければならないのが、湿気対策です。
前述したように輸入住宅というのは、乾いた冷涼な気候の国に合わせて作られています。
それをそのまま日本に移築すると、梅雨時~夏にかけて家の中に湿気がこもりがちになり、カビや腐食の原因となるでしょう。
エアコンの除湿機能をフルに使っても、土台などの見えない部分のカビや腐食は防ぎきれません。
ですから欧米の住宅をそっくりそのまま移築した場合、日本の住宅に比べて寿命は短くなるでしょう。
それを防ぐためには、防カビ、防腐食の処置を念入りにすることが大切です。
1-3.地盤沈下も心配?
日本の住宅に比べて、欧米の住宅はレンガなどが使われている分、総重量が重くなりがちです。
その為、柔らかい地盤に建ててしまうと、地盤沈下を起こす危険性もあるでしょう。
日本製の住宅なら問題なかったけれど、輸入住宅を建てたら沈んだ、という例もあります。
また、レンガなどの重い建築素材は地震の際にはがれ落ちると大変危険です。
実際に神戸の異人館は、阪神淡路大震災でレンガ製の煙突が折れるなど大きな被害が出ました。
2.輸入住宅を維持していくためのコツとは?
さて、ここまで記事を読まれた方の中には「輸入住宅ってやっぱり日本には合わないのでは?」と思う人もいるでしょう。
でも、西洋の建築物が日本に全く適していないわけではありません。
その証拠に、日本の西洋建築の歴史は古く、明治時代までさかのぼれます。
その頃の西洋建築は「洋館」とも呼ばれ、富の象徴でもありました。
戦争中にこのような洋館の多くが失われてしまいましたが、今でも神戸や長崎、そして東京に築100年以上の洋館がいくつも現存しています。ですから、輸入住宅も維持の仕方さえきちんとしていれば、日本の住宅と同じくらい長持ちするでしょう。
では、輸入住宅を維持していくコツとはなんでしょうか?一例をあげてみましょう。
2-1.こまめな点検
日本製の住宅は10年ごとに点検をするのが一般的ですが、輸入住宅は建てて1年後に最初の点検を行い、その後も場所によっては1年~5年ごとに点検をしましょう。そうすれば何か異常があってもすぐに修理できます。
2-2.早めの補修
輸入住宅は、日本の建築資材と規格が合わないものも少なくありません。
ですから、現地から資材を取り寄せるために時間がかかる場合があります。
その為、すぐに修理が必要なことが出てきても、急に対応できない場合もあるでしょう。
不具合は早めにメーカーに連絡して、直してもらってください。
2-3.災害後の点検
ヨーロッパやアメリカは日本よりも台風が少ないです。
ですから、台風やゲリラ豪雨などにあったら入念に家を点検して、破損や不具合がないか調べましょう。
特にレンガなどがはがれおちていないか、気をつけて見回ってください。
また、強めの地震にあった場合も同じです。
普段の生活でも家の備品は丁寧に扱うように心がけましょう。
子供がいるご家庭は、階段から飛び降りたり、ドアノブにぶら下がったりしないようによく言い聞かせてください。
3.輸入住宅を建てる際の業者の選び方とは
では最後に、輸入住宅を建てる際の業者の選び方をご紹介します。
輸入住宅を建ててくれる業者はたくさんありますが、長持ちする輸入住宅を建ててくれる業者には共通の特徴があるのです。
3-1.アフターサービスの種類が豊富である
前述したように、輸入住宅の維持にはこまめな点検が必要です。
また、不具合が起きた場合はすぐに修理を受け付けてもらう必要もあるでしょう。
家を建てる際に、業者にアフターサービスの種類と頻度をしっかり確認してください。
建てたら建てっぱなしで、メンテナンスは自分で業者を探してください、というような業者には依頼してはいけません。
3-2.日本に合わせた施工をしてくれるのか?
輸入住宅といっても欧米の住宅をそのままそっくり移築してくるような業者は、利用しないほうがよいでしょう。
日本の気候風土に合わせて防カビや湿気対策を行ってくれる業者に依頼をしてください。
また、地域によっては台風対策が必要な場合もあります。
こまめな対応をしてくれる業者ならば、「輸入住宅を建てたいけれど和室も欲しい」といった施主の要望にもできる限り応えてくれるでしょう。
3-3.資材のストックはあるか?
ドアノブや水道、窓の鍵などは、頻繁に使う分、壊れやすくもあります。
このような細々としたものも、輸入住宅は欧米製のものを使っていることが多く、日本製のものとは規格が合わないこともあるでしょう。
業者に資材がストックしてあれば、急な故障でもすぐに対応してくれます。
また、壊れやすい部品は欧米製によく似た日本製の部品を使う業者もあるでしょう。
これならば、急に故障しても、他の業者に修理を依頼できます。
おわりに
いかがでしたか?
今回は輸入住宅のアフターメンテナンスについてご紹介しました。
まとめると
- 輸入住宅の維持管理にはこまめな点検が必要
- 小さい故障や不具合でも放っておかず、すぐに業者に修理を依頼することが大切
- アフターメンテナンスが充実している業者に建築を依頼するとよい
ということです。現在はグローバル化が進み、欧米製の資材が現地から届くまでの時間も短くなりました。
しかし、日本製の住宅に比べて補修に時間と手間がかかることはかわりありません。
輸入住宅を建てる際には「きれいな家に住みたい」という憧れだけでなく、維持管理の方法もしっかりと勉強しましょう。
また、中古の輸入住宅を買い取りたい、という場合は日本製の住宅よりもいっそう入念な点検をする必要があります。
できたらその家を建てた建築業者に補修を依頼するとよいでしょう。
輸入住宅は丁寧に住めば、時間がたつほど独特の味が出て、素敵なお家になっていきます。
その魅力は日々のメンテナンスの苦労も気にならないくらいです。