
庭石の撤去方法が知りたい! 注意点と処分・買取方法も解説!
従来の日本家屋には、庭石(にわいし・ていせき)と呼ばれる観賞用の大きな石が庭に置かれていました。現在でも、日本独特の雰囲気を醸し出すときに使われることが多いのですが、何かの理由で庭石を撤去することもあるでしょう。そのときに悩むのが、庭石の処分方法です。
「自治体で回収してもらえるのか?」「費用が高くつくのでは」など、庭石の撤去における悩みを解決できるよう、本記事では、庭石の撤去方法と注意点などについて解説します。
この記事を読むことで、庭石を撤去し、お得に処分する方法やポイントなどが分かります。悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。
1.庭石の撤去で知っておくべきこと
まずは、庭石の撤去で知っておくべき事項をチェックしておきましょう。
1-1.日本庭園を彩る庭石の種類を知ろう!
庭石は、日本庭園において構成要素の1つとなっている観賞用の石です。庭の景観を作る大切なポイントで、主な種類に御影石(みかげいし)があります。
御影石は、花崗岩質に分類される岩石の石材です。神戸市の御影地区が産地として有名だったことから御影石と呼ばれるようになり、庭石のほかに墓石や石造品に多く用いられています。
また、敷石に御影石を使用することがあるのです。敷石は、地面に敷くように埋め込む石のことで、庭に出る際は足の踏み場として用いられることが多いでしょう。面倒な雑草の処理が減り、オシャレな雰囲気にできるなどのメリットがあります。
1-2.ゴミとして捨てられるか確認する
処分方法で1番に思い浮かぶ自治体回収ですが、ゴミとして捨てられるか否かは自治体によってルールが異なっています。そのため、まずはゴミとして捨てられるか確認することが大切です。自治体の中には、砂利や小さい石などは燃えないゴミとして捨てられるところがあります。しかし、庭石の大きさや上限が決まっているところもあるため、ホームページ等で確認してください。
1-3.石の大きさを確認する
庭石に使われる石は、小さいものから大きいものまで多種多様です。自治体回収を検討する場合、処分したい庭石の大きさが1番のポイントになるでしょう。撤去する前に、庭石の大きさをある程度確認しておいたほうが、スピーディーに処分できます。場合によっては、大きめのサイズだと自分で細かく砕かなければならないケースもあるでしょう。
1-4.自分で持てる重さか
大きな庭石の場合、自分で持ち運ぶだけで手間と時間がかかります。無理に持ち上げて運ぶと、腰を痛める恐れがあるので注意が必要です。後悔しないためにも、自分で持てる重さかどうか確認しておきましょう。重量がある場合は、無理をせず、専門の業者へ依頼することをおすすめします。
1-5.庭石の運び方を確認しよう
重量だけでなく、移動や運搬方法も撤去前に確認しておきたいポイントです。小さめの庭石が1~2個程度なら、ゴミ捨て場に持って行けるでしょう。けれども、重量がある大きめの庭石は持ち運ぶだけで大変です。自分の手で持ち運ぶのも難しく、さらに大量の庭石があるとトラックを用意するケースも出てくるでしょう。自分で運べるか・どのようにして運ぶのか、事前に確認しておきたいポイントです。
2.庭石の撤去方法~自治体の場合
庭石を処分する場合、自治体回収を利用する方法があります。その際の具体的な方法とポイントを解説しましょう。
2-1.まずはゴミの分類と処分方法を確認する
庭石は自治体回収が可能ですが、お住まいの地域によってゴミの分類と処分方法が異なります。一般的に、小さな庭石や砂利などは「燃えないゴミ」あるいは「破砕ゴミ」に分類している自治体が多いでしょう。破砕ゴミの場合は、大きめの庭石を細かく砕かなければなりません。また、いつどこでどのように捨てるのかは、ゴミの種類によって異なるので注意してください。庭石を自治体回収で処分する際は、ホームページ等で事前の確認が必要です。
2-2.捨てられる庭石の大きさや数が制限されている
ゴミの分類や処分方法だけでなく、自治体によっては捨てられる庭石の大きさや数が制限されていることがあります。庭石を1度に廃棄したくても、制限されている重量以上のものは回収してもらえません。ホームページまたは窓口等で、大きさや数が制限されているか否か必ず確認してください。回収してもらえない場合は、自治体以外の方法で処分するほかありません。
2-3.無料~数百円で処分できる
自治体で回収・処分してもらう大きなメリットは、費用が最小限に抑えられることです。燃えないゴミに分類される場合、指定袋に入れるだけなので無料で処分できます。一辺が30cm以上の庭石は粗大ゴミになる可能性があり、数百円程度の費用がかかるでしょう。お得に処分できるのはうれしいことですが、大量の庭石や大きく重量があるものは無理をして自分で持ち運ばないようにしてください。自治体の場合は、自分たちで回収指定居場所へ運ぶケースがほとんどです。運搬が難しい方は、プロの業者へ依頼したほうがいいでしょう。
3.庭石の撤去方法~自治体以外の場合
では、自治体以外で庭石を回収・処分してもらう場合、どのような方法があるのでしょうか。
3-1.造園業者・石材店に回収してもらう
庭のリフォームを造園業者へ依頼する際、必要なくなった庭石を回収してもらえることがほとんどです。リフォームと同時に処分できるので一石二鳥の方法といえるでしょう。あらかじめ、造園業者へ不要な庭石を回収してもらえるか尋ねてください。また、近所に石材屋さんがあれば、声をかけてみるのも方法の1つです。中には、需要がない庭石の回収を行っていないところもあるので、断られることも十分に覚悟しておきましょう。
3-2.解体業者・ホームセンターに回収してもらう
そのほかの方法としては、解体業者に庭石の引き取りを依頼する方法があります。ただし、無料で回収を行っているところはほとんどありません。大きな庭石になると、撤去と処分のために重機を使用することがあるため、処分費用が10万円以上かかる可能性があります。また、場合によっては、ホームセンターなどで引き取ってもらえることもあるでしょう。近くに、造園業者や解体業者・石材店がない場合は、ホームセンターに問い合わせてみてください。その際は、処分費用についても細かくチェックしておきましょう。
3-3.欲しがっている人へ譲る
できるだけ、処分費用をかけたくない方は、欲しがっている人へ譲る方法もあります。地元を中心とした、庭石個人譲渡を扱っているインターネットサイトを利用するのも方法の1つでしょう。もちろん、引き取りに来てくれる人に限定して募集をかけることになりますが、費用をかけずに手放せる方法です。
3-4.回収業者へ依頼する
大量の庭石がある・スピーディーに処分したいという方は、回収業者への依頼がおすすめです。ほとんどの回収業者は、出張回収を行っています。わざわざ自分たちで細かく砕いたり、運んだりする必要がないので、スピーディーに処分できるでしょう。ただし、処分費用が1kgあたり30〜40円かかる可能性があります。処分費用に加え、運搬・撤去費用を請求するところもあるので注意が必要です。
3-5.買取店などへ売る
店舗側の買取条件に当てはまる庭石なら、買い取ってもらえる可能性があります。しかし、現在、庭にお金をかける人がほとんどいないため、庭石の再販売が困難です。中古市場においても庭石は需要が低いため、庭石を買い取っている業者が少なくなってきました。買取店が再販売できる庭石は限られているので、すべてが買い取ってもらえるとは思わないほうがいいでしょう。買取に関しては、次項で詳しく解説します。
4.庭石は買い取ってもらえる?
ここでは、庭石の買取事情やポイントなどについて解説します。
4-1.買い取ってもらえるものは限られる
前述したように、買取対象となる庭石は非常に限られています。年々、庭石の需要が低くなってきているため、積極的に買取を行う業者が少なくなっているのです。買取可能な業者だとしても、鞍馬石・紅加茂石・年代ものの灯籠などが買取対象となります。いわゆる一般的な庭石は、ほとんどの店舗で買い取ってもらえません。買い取ってもらえることになっても、査定額は低くなるでしょう。
4-2.主な買取先をご紹介!
庭石の買取を行っているのは、リサイクルショップまたは専門ショップなどです。それぞれの特徴をチェックしておきましょう。
4-2-1.査定額が低いリサイクルショップ
リサイクルショップは庭石のほかに、衣類・家電・家具・ゲーム機・CD・本などさまざまなジャンルを扱っています。庭石はほかのジャンルよりも欲しがる人が少ないため、買い取ってもらえるとしても査定額が低くなりがちです。専門ショップで買い取ってもらえなかった庭石をどうしても売りたいなら、リサイクルショップに1度査定を依頼してみてください。
4-2-2.需要がある庭石は専門ショップへ
庭石の中でも需要がある種類や珍しいもの・人気がある石材などは、専門ショップへ査定を依頼してください。庭石などを扱っている石材店や造園業者の中には、買取を行っているところがあります。どんな庭石が買い手がつきやすいのか把握しているため、価値があるものは適切な査定額で売ることができるでしょう。
4-3.買取の相場は1,000円~
庭石の種類や大きさなどによりますが、買取の相場はおよそ1,000円~です。ただし、小さめの庭石やリーズナブルな価格のものは、千円以下になる可能性があります。逆に、珍しい石材で作られた庭石やデザインのものは、1万円以上になる可能性もあるでしょう。買取相場は非常に幅広いため、複数の業者から出た査定額を比較してください。
5.庭石の撤去に関してよくある質問
庭石の撤去に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.庭石を処分するメリットは?
A.大きな庭石を処分すれば庭のスペースが広がるので、あいたスペースを有効活用できるのが主なメリットです。広がったスペースを使って、自分好みの庭に変えられるでしょう。たとえば、もう1台の車を停める駐車場を作ったり、日本庭園からガーデニングができる状態にしたりするなど、選択肢が広がります。
Q.庭石を無料で引き取ってもらえる業者は?
A.庭石を買い取ってもらうことはできませんが、無料で引き取ってくれる業者があります。特に、造園やリフォームに力を入れている業者は、さまざまな種類の庭石を欲しがっているので無料引き取りが可能です。ただし、無料引き取りを行っている業者は少数なため、最終手段としてみておきましょう。
Q.庭石の移動にかかる費用は?
A.まずは掘り起こしてから、処分先まで運搬しなければならないので1回あたり1万~2万円かかると思っておきましょう。運搬する手段として業者がよく使うのは、ユニック車と呼ばれるクレーンつきトラックです。大きな庭石でも簡単に持ち上げることができますが、費用がかかるので見積書を確認してから依頼しましょう。
Q.処分費用が高くなるケースは?
A.庭が傾斜地にある・すぐそばに崖がある場合は、庭石の撤去と処分費用が高くなる可能性があります。作業中に小石などが転がり、ケガをする恐れがあるからです。また、庭の近くに駐車場やガーデニングスペースがある場合も、養生を施す費用が余分にかかる可能性があるでしょう。
Q.ネットオークションとフリマサイトを利用する際の注意点は?
A.インターネットを利用して庭石を探し求めている方は、市場に出まわっていないものを求める傾向があります。大量生産され、すぐに手に入るような庭石は買い手がつかない可能性があるでしょう。すぐに売れるとは限りませんので注意してください。また、自分で運び出して買い手側に送る手続きが負担になるというデメリットがあります。送料がかかるのもインターネットで取り引きするデメリットです。その点をきちんと踏まえて利用してください。
まとめ
日本庭園で重要なポイントとなる庭石は、庭のリフォーム等で要らなくなるケースがあります。庭石を撤去する場合、自分で運び出せる大きさ・重量か確認しておかなければなりません。また、大きさや数量によっては、自治体での回収ができないケースがあります。そんなときは、庭石の回収を行っている業者へ依頼しましょう。庭石として再販売可能な状態なら、買い取ってもらえることもあります。買い取ってもらえれば、処分費用を浮かせることができるので、1度査定に出してみてください。しっかりと撤去・処分のポイントを把握してから、正しい方法で処分することが大切です。