カーペットの染み抜き方法を知りたい! 汚れを除去するポイントは?

カーペットに染みついた汚れを、どうやって取りのぞけばいいのか分からずに困っている方が多いのではないでしょうか。間違った方法で掃除をすると、さらに汚れが広がる可能性があります。カーペットの染み抜きは慎重にやらなければならない・手間と時間がかかるというイメージがあるはずです。ですが、汚れの種類をきちんと把握し、それぞれ適した方法で染み抜きをすれば難なく落とすことができます。

本記事では、カーペットの染み抜き方法とポイントを解説していきましょう。

  1. カーペットの染み抜き前に知っておきたいこと
  2. 水溶性の汚れがついたときのカーペットの染み抜き方法
  3. 油性の汚れがついたときのカーペットの染み抜き方法
  4. 血・泥・そのほかのカーペットの染み抜き方法
  5. カーペットの染み抜きに関してよくある質問

この記事を読むことで、カーペットの染み抜き方法とポイントが分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.カーペットの染み抜き前に知っておきたいこと

カーペットの染み抜きを行う前に、知っておかなければならない注意点とポイントがあります。必ずチェックしておきましょう。

1-1.染み抜きの基本は汚れを広げないこと

カーペットの染み抜きは間違った方法で行うと、すぐに汚れが周囲に広がってしまいます。染み抜きの基本は、汚れを広げずに叩き吸い取ることが基本です。ジュースなど飲み物をこぼすと、すぐにタオルでトントンと叩きます。ついゴシゴシとこすってしまいますが、こすると繊維にジュースの成分が染みついてしまうのでNGです。染みを広げないように、正しい方法をマスターしておきましょう。

1-2.汚れたらすぐに拭き取る

染みを広げないのはもちろんのこと、汚れたらすぐに拭き取るのも基本的なポイントです。ついてすぐの汚れは、時間が経過したときよりも落としやすい傾向があります。汚れを放置するほど頑固な染みとなり、簡単には落とせなくなってしまうので要注意です。また、つけてしまった汚れの落とし方が分からない場合も、ひとまず応急処置としてタオルで拭き取りましょう。

1-3.汚れの種類を知って掃除しよう

カーペットの染み抜きを正しく行うためには、汚れの特徴で染み抜きの方法を変えることが、1番のポイントとなります。間違った方法で染み抜きをすると、汚れが広がってしまうので、まずはどんな汚れがついたのか確認しましょう。主な汚れの種類は水性と油性の2つに分かれます。

  • 水溶性:水に溶けやすい性質を持った汚れ。コーヒー・ジュースなどの飲料、醤油、ケチャップ等
  • 油性:油に溶けやすい性質を持った汚れ。ミートソース・チョコレートなど油を含んだ食品等

1-4.染み抜きに使った洗剤はきちんと拭き取る

カーペットの染み抜きを行う際に、使用した洗剤のカスが残っているとそれが汚れの原因になるので注意が必要です。基本的に、洗剤は水で薄めて使用し、染み抜きをした後は水を含ませたタオルなどで洗剤をきちんと拭き取ります。洗剤カスをカーペットに残さないように気をつけましょう。

2.水溶性の汚れがついたときのカーペットの染み抜き方法

では、水溶性の汚れを落とすために必要なアイテムと、染み抜きの方法を紹介します。

2-1.必要な道具と洗剤

水溶性の汚れは水に溶けやすい性質を持っているため、油性汚れよりも落ちやすい傾向があります。基本的に、食器用中性洗剤とぞうきんさえあれば十分です。また、中性洗剤の代わりに重曹も使えます。カーペットの汚れた部分に重曹を振りかけ、タオルで拭き取るだけなので簡単です。

2-2.染み抜きの手順を紹介!

水溶性の汚れを落とす手順は以下のとおりです。

  1. 染みの原因になった汚れをティッシュなどで取りのぞく
  2. 濡らしてしぼったぞうきんに中性洗剤を1~2滴たらしなじませる
  3. ぞうきんで汚れの上からたたく
  4. 洗剤を残さないように、水拭きで吸い取り完了

周囲から中心に向かって、ぞうきんに汚れを移すイメージで拭くと、汚れが広がりません。また、最初に乾いたぞうきんやウエスで汚れと水気を拭き取りましょう。いきなり濡らしてしぼったぞうきんで拭くよりも、できるだけ水気を拭き取っておいたほうが染みが取れやすくなります。

2-3.リビング用洗剤を使用するとさらにいい

食器用中性洗剤でも十分に落とすことはできますが、「マイペット」や「劇落ちスッキリ」などリビング用洗剤を使ったほうがなお効果的です。リビング用洗剤は泡切れがいいので、軽めの汚れなら落ちるでしょう。リビング用洗剤をキレイなタオルや布などにつけ、染みの箇所に上からポンポンとたたいてください。また、洗剤を拭き取るときは、水ではなくぬるま湯で濡らしたタオルがおすすめです。ぬるま湯のほうが、洗剤の成分が拭き取りやすくなります。

2-4.ポンポンと上からたたくように拭く

油性の汚れにも共通することですが、染み抜きをするときはタオルでポンポンと上からたたくように染みを取ることがポイントです。最初に説明したとおり、ゴシゴシとこすると汚れが広がってしまいます。そして、最後に濡れたタオルで洗剤の成分を拭き取った後は、乾いたタオルで水気を拭き取ってください。完全に乾燥させるため、ドライヤーで乾かすのもOKです。生乾きは嫌なニオイの原因になるので注意してくださいね。

3.油性の汚れがついたときのカーペットの染み抜き方法

それでは、油性の汚れがついたときのカーペットの染み抜き方法を解説します。

3-1.必要な道具と洗剤

油性の汚れが水溶性の汚れよりも落ちにくい傾向があるため、食器用中性洗剤ではなく「ワイドハイター」や「ライオンブライトW」のような酸素系液体漂白剤を使用します。酸素系液体漂白剤は、油分を浮かせる働きがあるからです。ほか、ゴム手袋・ぞうきんを用意してください。さらに、油汚れの分解力を高めるために重曹を併用するのも方法の1つです。より効果を上げるため、重曹も用意しておくといいでしょう。

3-2.油性の染み抜きの手順を紹介!

液体酸素系漂白剤と重曹を併用した染み抜きの手順は以下のとおりです。

  1. 液体酸素系漂白剤20mlに対し、重曹大さじ1(約15g)を混ぜて洗浄液を作る
  2. 濡らしてしぼったぞうきんを電子レンジで温める
  3. 洗浄液を汚れの箇所にかけ数分間放置し、その後に上から温めたぞうきんでたたく
  4. 最後に、水で少し濡らしたぞうきんでたたき、汚れをぞうきんのほうへ移す
  5. 汚れが落ちたら、水拭きで洗剤を拭き取りから拭きをして完了

液体酸素系漂白剤はデリケートな素材のカーペットでも使用できますが、中には色落ちする可能性もあるので事前に目立たないところで試したほうがいいでしょう。

3-3.直接重曹を振りかける

重曹は油汚れやヤニ汚れなどに効果があるといわれています。液体酸素系漂白剤と混ぜるのもいいですが、直接カーペットの汚れた箇所に重曹を振りかけ、数分間放置した後にぬるま湯で濡らしたぞうきんで拭き取ってみてください。あらかじめ、重曹をお湯で溶かし染みこませたタオルで拭き取るのもいいでしょう。重曹は粒子がやわらかいので、カーペットの繊維を傷つけずに汚れを吸い取ることができます。

3-4.少量のベンジンを使用する

ベンジンを少量使用して油性の汚れを落とすのも方法の1つです。少量のベンジンを使用した染み抜きの手順は、以下のとおりとなります。

  1. カーペットについた汚れを紙・布で吸い取り、固形の場合は拭き取る
  2. 少量のベンジンをキレイなぞうきんに染みこませ、汚れの中央に向かってたたくように拭き取る
  3. 中性洗剤を水で薄め、キレイなぞうきんに染みこませた後、汚れの中央に向かってたたくように拭き取る
  4. キレイな水を少量染みこませたティッシュで拭き、固くしぼったキレイなぞうきんで洗剤分を拭き取り完了

ベンジンは揮発性が高いため、近くに火の気がないことを確認してから使用してください。ベンジンの使用中は火気厳禁です。

4.血・泥・そのほかのカーペットの染み抜き方法

なかなか落ちにくい血・泥などの汚れを落とす方法・ポイントを解説します。

4-1.必要な道具と洗剤

血液の染みを落とす場合は、アルカリ性の洗剤や石けんが効果的だといわれています。泥がついたときには、いったん土を乾かしブラシや掃除機で吸い取りましょう。丸洗いができるタイプなら、洗濯機やコインランドリーを活用したり、洗濯用固形洗剤と洗濯ブラシを使って落とすことができます。

4-2.染み抜きの手順を紹介!

血液と泥、それぞれの染み抜きの手順を紹介します。

<血液の場合>

  1. 血液がついたところを水で濡らしたタオルでポンポンとたたくように拭く
  2. アルカリ性の洗剤または石けんをタオルに含ませた後、水で薄めて汚れた箇所をポンポンとたたきながら取りのぞく
  3. 水で濡らしたタオルで洗剤と汚れを拭き取り乾かしたら完了

<泥の場合>

  1. 一旦土を乾かした後、ブラシや掃除機で吸い取る
  2. 剝がせる絨毯なら下に汚れてもいいタオルを敷き、お湯で濡らしたタオルでポンポンとたたいてから洗濯用固形石けんを塗る
  3. 洗濯ブラシでゴシゴシこすり洗いをする(デリケートな素材の場合は要注意)
  4. 固くしぼった塗れタオルで何度もたたく
  5. 仕上げに、乾いたタオルでたたきながら水気を吸い取り、ドライヤーの温風で乾かして完了

4-3.自分でやっても落ちない場合はクリーニングへ

何の汚れがついているのか・どんな素材を使っているのか分からない場合や、自分で染み抜きをしても落ちない場合は、クリーニング専門店へ依頼したほうがいいでしょう。無理に自分で行い失敗するよりも、お金をかけてもプロに任せたほうが安心です。

5.カーペットの染み抜きに関してよくある質問

カーペットの染み抜きに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.おすすめのグッズは?
A.ドラッグストアでは、カーペットの染み抜きに大活躍する掃除グッズがたくさん発売されています。たとえば、2度拭き不要で簡単に除菌までできる「マイペット」です。マイペットはカーペットのほかにもガラス・サッシ・畳などさまざまな場所で使えるので1つ置いておくだけでも便利でしょう。また、ヘッドブラシがついているリムーバーもあります。どのような汚れに対応できるのか確認してから活用してくださいね。

Q.絵の具を落とす方法はあるのか?
A.水性絵の具の汚れを落とす場合に、クレンザーが大活躍します。中性洗剤を含んだタオルでたたくように拭いた後、クレンザーを直接まいてみてください。後は、染みが広がらない程度に歯ブラシで軽くこすり、濡らしたタオルで汚れを拭き取ってから乾かせば完了です。ただし、油性の絵の具はクレンザーでは落ちないため、マニキュア用の除光液を代わりに使いましょう。

Q.汚れをつきにくくするコツは?
A.防汚(ぼうお)加工が施されたカーペットに買い替える方法があります。防汚加工は汚れそのものをカーペットにつきにくくする特徴があり、水をこぼしても染みにくく汚れがつきにくいものです。掃除もしやすくなるので手入れも楽になるでしょう。また、月に1度の丁寧な掃除を心がけてください。掃除機をかけるだけでなく、水洗いできるものなら洗濯機に入れて洗ったり、風呂で手洗いをするなど入念な掃除をしましょう。

Q.掃除機を使用する際のポイントは?
A.カーペットの染み抜きは、掃除機を使う方法もあります。掃除機を使用する際は、染みの上にぞうきんをかぶせ、掃除機の「強」で吸い取りましょう。そうすることで、掃除機の吸引力でぞうきんに染みを移すことができます。ただし、掃除機は水を吸うと壊れる恐れがあるため、しっかり水分を拭き取った後に使用してくださいね。

Q.水溶性か、油性どちらの汚れか分からない場合は?
A.時間が経過したカーペットの汚れは、水溶性か油性どちらの汚れか分からない場合があります。そんなときは、まず水溶性の方法から始めてみてください。ぬるま湯をカーペットの汚れの上に軽くかけ、布またはタオル等でできるだけ吸い取ります。それでも取れない場合は油性汚れの可能性が高いので、油性の方法を試しましょう。

まとめ

いかがでしたか? カーペットの染み抜きは、水性・油性の汚れによって方法が異なります。水性は水に溶ける汚れなので、ぬるま湯や中性洗剤で落とすことが可能です。一方、油性は水に溶けない性質を持っているため、液体酸素系漂白剤と重曹を併用し染み抜きをします。重曹は油汚れに効果があり、併用することで油の分解力がアップするのです。どちらの汚れも、ぞうきんでゴシゴシと強くこすってはいけません。ぞうきんに汚れを移すイメージで、上からポンポンとたたきながら落としてくださいね。