木製家具の手入れ・メンテナンス方法は? 掃除・取り扱いの注意点など
木製家具を部屋に置くと、落ち着いた印象やオシャレな雰囲気をもたらしてくれます。しかし、木製家具は、お手入れや掃除方法・メンテナンスの仕方が難しいと思っている方も多いでしょう。
そこで今回は、木製家具のお手入れ・メンテナンス方法などについてご紹介します。
木製家具の取り扱いの注意点・掃除方法・お手入れのポイントを知っていれば、木製家具をより長く、よりよい状態で使うことができます。ぜひ最後まで読んでみてください。
1.木製家具を扱うときの注意点
まずは、木製家具の取り扱いの注意点についてご説明します。
1-1.直射日光をあてない
木製家具は、なるべく直射日光が当たらないところに置きましょう。日光の紫外線により、表面が色あせたり、塗装がはがれたりする可能性があります。レースカーテンを閉めれば、ある程度の紫外線をカットすることが可能です。
1-2.湿度に注意
木製家具に湿度は禁物です。風通しのよい場所で使用するようにしましょう。結露の影響を受けないよう、木製家具は窓際に置かないのもポイントです。また、壁際に置く場合は5cm以上隙間をあけて、空気の通り道を作ったほうがよいでしょう。
1-3.空調の注意
木製家具には冷暖房の風が直接当たらないようにしましょう。表面が乾燥したり、変色や変形の原因となってしまいます。
2.木製家具のお手入れ方法
次に、木製家具のお手入れ方法についてご紹介します。
2-1.UV塗装・ウレタン塗装家具のお手入れ
UV塗装・ウレタン塗装の木製家具は、比較的お手入れやメンテナンスが楽と言えます。基本的にはカラ拭きで掃除してください。化学雑巾類は使わないようにしましょう。薬剤の影響で、塗装がはがれたり変色したりする可能性があります。
2-2.自然塗装(オイル塗装・蜜蝋(みつろう))の家具のお手入れ
自然塗装は、傷や汚れがつきやすい分、補修がしやすいのが特徴です。軽い汚れやシミは、上からオイル塗装を行うことで目立ちにくくなります。年に3回程度オイル塗装を行うのが一般的です。乾燥を防ぐため、木の断面に定期的にオイルをしみこませてください。
2-3.湿気・カビ対策
木製家具を湿気やカビから守るためには、以下のような方法があります。
2-3-1.風通しをよくする
置く場所や室内の湿度によって、木製家具に湿気がたまってしまうことがあります。除湿機の使用や部屋の換気をして、湿度が上がりすぎないようにしましょう。梅雨時期は、換気の代わりにサーキュレーターで室内の空気を循環させるのも湿度対策になります。
2-3-2.窓のそばに置かない
前述したように、木製家具はなるべく窓のそばに置かないようにしましょう。窓が結露すると、近くある木製家具も影響を受けてしまいます。どうしても窓のそばに置きたい場合は、窓を二重窓にしたり、分厚い断熱カーテンを窓より少し大きめにかけたりすることで、結露が発生しにくい状況にしましょう。
2-3-3.木製家具についた水分はすぐに拭く
木製家具に水をこぼしてしまったり、水滴がついたりした場合はすぐにカラ拭きで拭きとりましょう。木製家具が水を吸ってしまうだけでなく、シミの原因にもなってしまいます。そのため、もし水拭きで掃除をした場合も、必ず仕上げとしてカラ拭きをしてください。
2-3-4.湿度計を置く
湿度計を置くことで、湿度の上がりすぎに気づくことができます。また、季節の変わり目ごとにメンテナンスをしている方は、お手入れ時期の目安にもなるでしょう。
2-4.乾燥対策
木製家具が乾燥すると、ひび割れや反り返りの原因になってしまいます。特に、自然塗装の木製家具は、ツヤがなくなったり色が薄くなったりしてしまうこともあるのです。そのため、専用の蜜蝋(みつろう)ワックスなどを塗りこむ必要があります。
- ウエスなどを使って全体的にワックスを塗りこむ
- 10分ほど放置してワックスをなじませてからカラ拭きをする※
- 4時間以上放置して乾燥させる(上になにも置かない)
※種類によっては、塗りこんでからすぐに拭きとるものもあるので、商品の説明をよく読んでください。
3.木製家具に汚れがついたときの対処方法
次に、木製家具に汚れがついてしまったときの掃除法・対処方法をご紹介します。
3-1.拭き掃除
木製家具に汚れがついてしまった場合、カラ拭きでだめなら水拭き、水拭きでだめなら中性洗剤、というように順番に試してみてください。中性洗剤は200~500倍程度に薄めて使用しましょう。洗剤を使用したあとは、必ず水拭きで洗剤分を拭きとり、最後にカラ拭きをしてください。汚れた箇所を掃除する前に、目立たない場所を掃除してみて、塗装のはがれや変色をチェックするとよいでしょう。
3-2.サンドペーパーでの掃除
オイル塗装の家具の場合は、サンドペーパー(#240~#400くらい)を利用し、汚れを削りとるという手もあります。汚れを削ったあとは、「2-3.乾燥対策」でご紹介した方法でワックスなどを塗りこんでください。こちらも、目立たない箇所で一度試してみてからのほうがよいでしょう。
4.木製家具にキズがついたときの対処方法
次に、木製家具にキズがついてしまったときの対処方法についてご紹介します。
4-1.専用のクレヨン・ペンを使う
木製家具に傷がついてしまった場合でも、浅い傷であれば、専用のクレヨンやペンをぬることで傷を目立ちにくくできます。
4-2.サンドペーパーで研磨する
浅い傷は、サンドペーパーで研磨して目立たなくすることも可能です。「3-2.サンドペーパーでの掃除」を参考にしてください。
4-3.深いキズはパテで
木製家具についてしまった深い傷は、パテを使用して補修します。木製家具用の専用のパテは、ホームセンターなどで購入可能です。パテは、二色セットとなっていて薄い色と濃い色のものが別のパッケージに入っています。手袋を装着して、指で混ぜ合わせて、家具の色に近いパテを作ってください。ムラにならないよう、色が均一になるまで混ぜ合わせるのがポイントです。パテは1時間~1日で硬化するので、しばらく放置してください(硬化時間は、各種メーカーの説明書を参照)。パテが固まったら、サンドペーパーで削って均一にしたあと、必要があればオイルなどで塗装します。
5.よくある質問
木製家具の手入れ・メンテナンスについてよくある質問をまとめました。
Q.木製テーブルにのせてはいけないものとは?
A.熱い鍋・冷たすぎるもの・水滴のついたコップ類などは、直接テーブルの上に乗せないようにしましょう。鍋敷きやコースターを使用してください。
Q.木製家具のお手入れのコツは?
A.カラ拭きで済むうちに、早めに・こまめに掃除をすることが大切です。水拭きや洗剤を使った掃除が減ればその分木製家具をいい状態で使うことができるでしょう。
Q.どうしても落ちない汚れや傷の補修は?
A.木製家具メーカーによっては、下地処理や塗装・削り直しなどを行っているところもあります。お近くの家具修理業者などを探してみてもよいでしょう。
Q.白木や無塗装の家具でやってはいけないこととは?
A.白木や無塗装の家具は、水拭きの水分も吸い込み、ムラやシミができてしまうこともあります。必ずカラ拭きで掃除してください。
Q.桐(きり)のタンスがへこんでしまいました
A.桐(きり)は比較的やわらかく、少しぶつけただけでもへこみができてしまうことが多いでしょう。桐(きり)タンスがへこんでしまった場合の補修方法は以下のとおりです。
- 数滴の水をへこんだ部分にしみこませる
- ぬらした布を傷の上にあてて、アイロン(低温)をあてる
- 1.2.を数回繰り返す
アイロンをあてる際は、必ず布がぬれていることを確認してください。布が乾いたままアイロンをかけると、焦げや変色の原因になってしまいます。
まとめ
木製家具の手入れ・メンテナンス・掃除方法についてご紹介しました。家具の保管方法・使用方法・掃除方法を知っておくことで、より良い状態でより長く木製家具を使うことができるでしょう。ぜひ日ごろから、丁寧に木製家具をお手入れしてください。