カバー工法のメリットは? 屋根工事の費用相場・耐用年数などまとめ

屋根は、雨風や日光などから、私たちを毎日守ってくれています。そんな屋根ですが、年数が経つと劣化したり傷んだりして、補修や工事が必要になるでしょう。屋根の工事の一つにカバー工法というものがあります。さまざまなメリットがあるため、最近では、カバー工法を採用する方や業者が増えてきているのです。そこで今回は、カバー工法による屋根の工事方法や、メリット・デメリットなどをご紹介します。

  1. 屋根のカバー工法とはどんなもの?
  2. カバー工法がおすすめのケース
  3. 屋根のカバー工法のタイミングは?
  4. 屋根のカバー工法の方法
  5. 屋根のカバー工法についてよくある質問
  6. まとめ

屋根のカバー工法について知りたい方や、屋根の工事・補修・メンテナンスを検討している方はぜひこの記事を読んでみてください。

1.屋根のカバー工法とはどんなもの?

まずは、屋根のカバー工法について、メリット・デメリットなどの基礎知識をご紹介します。

1-1.カバー工法とは?

屋根の屋根カバー後方とは、既存の屋根材を撤去せず、上から新しい屋根材をかぶせる工事方法のことです。「重ね葺(ふ)き」「重ね張り」「被せ張り」と呼ばれることもあります。一方、既存の瓦(かわら)や金属板などを撤去して、新しい屋根材に葺(ふ)き替えるのが「屋根葺(ふ)き替え工事」です。

1-2.カバー工法のメリットとは?

カバー工法のメリットは以下のとおりです。

  • 廃材が出にくく、撤去費用や処分費用の分安価になる
  • 撤去作業がないため、工期が短い
  • 遮音性が向上する

1-3.カバー工法のデメリットとは?

カバー工法にはデメリットもあります。

  • 二重屋根になるので、屋根が重くなる
  • 瓦(かわら)屋根など、施工が難しい場合がある
  • 既存の屋根が劣化しすぎている場合は施工できない(撤去したほうがよい)

2.カバー工法がおすすめのケース

次に、カバー工法をおすすめできるケースとそうでないケースをご紹介します。

2-1.カバー工法がおすすめのケースは?

2004年より前に作られたスレート屋根材を使っている場合は、アスベストが含まれている可能性があります。その場合、カバー工法で、既存の屋根材をカバーするのがおすすめです。また、カバー工法は金属やスレート(カラーベスト、コロニアル)に向いています。費用を安く抑えたい・工期を短くしたいという場合には、カバー工法を検討したほうがよいでしょう。

2-2.他の工法がよいケース

以下のような場合は、カバー工法は不向きといえます。

  • 瓦(かわら)屋根・トタン瓦(かわら)棒屋根・波型スレート屋根など→形状上、カバー工法が難しい
  • 屋根材が劣化しすぎている→葺(ふ)き替え工事で撤去したほうがよい
  • 今後も屋根を補修・メンテナンスする可能性がある→カバー工法で二重屋根になることで今後の補修・メンテナンスが難しくなったり費用が高額になったりすることがある

3.屋根のカバー工法のタイミングは?

次に、カバー工法工事を行うべきタイミングや耐用年数などをご紹介します。

3-1.すぐに工事すべき場合とは?

以下のような症状がある場合は、すぐに工事をしたほうがよいでしょう。

  • 屋根材の抜け落ち
  • 屋根材のはがれ
  • 屋根材のめくれ
  • 孔食(穴あき)の発生
  • 雨漏りがある/天井・壁・屋根裏に雨シミがある→別途雨漏り診断が必要

3-2.耐用年数など

屋根は、築10年を目途に点検および塗装を行うのが一般的です。また、築20~25年を目途に工事が必要となるでしょう。また、カバー工法の耐用年数は約20年となっています。

4.屋根のカバー工法の方法

カバー工法の方法や工期・費用などをご紹介します。

4-1.カバー工法の流れ

カバー工法の流れについて、ご紹介します。

4-1-1.棟板金の撤去

棟板金(屋根の一番とがった部分に被せる金属の山形の板)・雪止めなどを外し、屋根をなるべく平らにします。廃材が少ないのがカバー方向の特徴です。

4-1-2.ルーフィング(防水シート)を敷く

屋根材のすきまから雨漏りなどがしないように、防水シートを張ります。

4-1-3.新しい屋根材を敷く

防水シートの上から新しい屋根材を敷きます。最近では、軽くて丈夫なガルバリウム鋼板を使ったカバー工法が一般的です。

4-1-4.棟板金の取り付け

新しく取り付けた屋根材の上に棟板金を取り付け、ビスなどで固定します。最後に、板金同志のつなぎ目をコーキング(パテのようなもので埋める)して完了です。

4-2.日数・費用

カバー工法による工期は、約5~7日です。費用相場は、約30坪の住宅で80~120万円となります。費用には、足場工事・ルーフィング・屋根材・工事管理費(1日あたり1~2万円・諸経費(搬入費・駐車場代など)が含まれることが一般的です。

5.屋根のカバー工法についてよくある質問

Q.工事業者の選び方のポイントは?
A.工事業者を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 屋根工事(カバー工法)の実績が豊富
  • 無料相談・見積もりを行っている
  • 口コミ・評判などが高い
  • 工事や費用の説明が丁寧

Q.雨漏りの直し方とは?
A.雨漏りをDIYで直すのは危険なのでやめておきましょう。雨漏りした箇所(屋内)にタライやバケツとタオルなどを置き、応急処置をしたら、すぐに工事業者に補修依頼をしてください。

Q.工事でトラブルに巻き込まれたら?
A.工事中や、工事後になにか問題がおきたら、住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談しましょう。工事内容が契約と違う・業者との話し合いでもめているという場合にも相談できます。

Q.工事費用を安く抑えるコツは?
A.複数の工事業者に見積もりを依頼して、比較しましょう。費用・作業内容をよく見比べ、総合的に最もお得になる業者を選んでください。別料金やオプション料金が発生する場合は、細かい内容を事前によく確認しておきましょう。

Q.工事の相談や見積もり依頼の方法は?
A.工事業者の中には、無料で工事の相談や見積もりを行ってくれるところがあります。最適な工事内容は住宅ごとに異なりますので、一度相談してもらうのがおすすめです。ただし、実際に屋根の上や家屋を点検する場合は点検費用がかかることを理解しておきましょう。

6.まとめ

屋根のカバー工法についてご紹介しました。毎日雨風から私たちを守ってくれる大切な屋根なので、定期的にメンテナンス・点検を行い、必要があれば工事をして、よりよい住宅環境を整えましょう。屋根の工事について不明点や疑問点がある場合は、業者に相談するのがおすすめです。