階段のリフォームはDIYできるのか? リフォーム内容と費用をチェック

「階段が急なのでゆるやかにしたい」「滑って落ちそうになるのが怖い」など、階段の悩みを抱え込んでいませんか? 滑り止め・張り替えなど簡単な作業であれば、自分でリフォームすることができます。しかし、安心して使える階段にするためには、DIYできるか見極める判断も必要です。本記事では、階段リフォームの基礎知識・DIYできる内容・プランなどについて説明します。

  1. 階段リフォームの基礎知識
  2. DIYできる階段リフォーム
  3. 階段リフォームのプランについて
  4. 階段リフォームの工事・費用について
  5. 階段リフォームに関してよくある質問

この記事を読むことで、階段の悩みを解決するためのリフォーム方法が分かります。検討している方・悩んでいる方はぜひチェックしてください。

1.階段リフォームの基礎知識

最初に、階段リフォームの基礎知識を身につけておかなければなりません。それでは、リフォームについて詳しく説明します。

1-1.リフォームする理由とは

「滑りやすい階段を上り下りするのが怖い」「いつか転びそうで不安」など、階段に大きな不安を抱えているままでは安心して生活できませんよね。リフォームする大きな理由は、階段に感じている不安を解消するためです。リフォーム前に、今感じている不具合をハッキリさせておいたほうがよいでしょう。

1-2.リフォームをしたほうがいい場合

少しでも階段に不安を感じていたり、使いづらいと思ったりしているのなら、リフォームをしたほうがよいでしょう。また、親と同居することになり、バリアフリーを取り入れる必要がある場合もリフォームのタイミングです。ほかには、以下のケースが当てはまります。

  • 目立つキズ・汚れがある
  • 壊れている部分がある
  • 急な勾配で上り下りが不安
  • 手すり・滑り止めなどの機能を追加したい

1-3.リフォームのメリット

リフォームをする大きなメリットは、安心して階段が使えることです。今まで、使いづらい・上り下りが不安と思っていた階段が、快適かつ安心して使えるようになります。階段が使いやすく安全度が増すのは、大きなメリットになるでしょう。また、目立つキズや汚れなどがキレイになり、見た目が美しくなります。収納を増やしたい場合は、空間の再利用ができるようになるでしょう。リフォームの目的によって、さまざまなメリットが生まれます。

1-4.注意点

階段をリフォームする際に注意してほしいのが、建築基準法です。建築基準法は、建築物の敷地・形態・構造・設備などに関する最低基準を定めた法律となります。階段のリフォームに関しては、第23条「階段の蹴上げおよび踏面の寸法についての規定」が関係しているのです。たとえば、「階段1段の高低差が23cm以下」「階段の横幅が75cm以上」と定めているため、この機会に基準に適した階段へリフォームしましょう。

2.DIYできる階段リフォーム

DIYでできる階段リフォームとは、どのような内容になるのでしょうか。ここでは、簡単なリフォーム内容と注意点について説明します。

2-1.簡単リフォーム

自分でできる階段のリフォームとしては、「張り替え」と「滑り止め」があります。階段の老朽化によって板が古くなってきた場合、古い板をはがして新しいものと交換可能です。また、古い板の上から新しい塗料を塗ってキレイにすることもできるでしょう。滑りやすい場合は、階段に滑り止めテープ・シートを貼ることができます。これらの作業は、自分で行うことも可能です。

2-2.注意点

DIYは、費用を抑えられる点が大きな魅力です。しかし、リフォーム内容によっては想像以上に時間と手間がかかり、途中で諦めてしまうことがあります。DIYの前に、どこを何のためにリフォームするのか「目的」「プラン」を明確にしてください。そして、「自分で行うのは無理」と思った場合は業者に依頼したほうがよいでしょう。特に、手すりを取りつける場合は、安全・強度の問題からプロの業者に依頼したほうが安心できます。

3.階段リフォームのプランについて

階段リフォームのプランには、簡易なものと本格的なものがあります。それぞれの内容と特徴・メリット・工期・費用についてチェックしていきましょう。

3-1.簡易な階段リフォームの方法

簡易な階段リフォームの方法としては、手すりの設置・塗り替え・張り替え・勾配(こうばい)をゆるくするなどがあります。

3-1-1.手すりの設置

階段は滑りやすいところで、上り下りの際は体に大きな負担がかかります。たとえ、今は難なく上り下りができていても、年を重ねるたびにきつく感じるかもしれません。長く安心して使い続けるためには、手すりを設置したほうがよいでしょう。手すりを設置すれば、ケガをしたときや病気になったときでも役立ちます。また、即日工事が可能で1日で工事が終わり、費用も5万~20万円程度と低めです。

3-1-2.塗り替え

「階段をキレイにしたい」「雰囲気をがらりと変えたい」と思っている方におすすめしたいのが、塗り替えのリフォームです。簡単にイメージチェンジができると人気のリフォームとなっています。古い塗料をはがして新しい塗料を塗り替える方法です。好みの色を選んで塗ることができるため、インテリアとの統一感を図ることができます。塗り替えにかかる日数は約1~3日程度で、費用は約10万~20万円です。

3-1-3.張り替え

毎日階段を使っていると、踏み板が欠けたり、キズがついたりするでしょう。踏み板を張り替えるリフォームも、簡易なプランの1つです。古い板を取りはずした後、新しい板に張り替える方法となります。踏み板の強度・安全性が増すため、安心して使用できるでしょう。また、踏み板が丈夫になることで、長く使い続けることができます。即日工事が可能で、約1~2日、費用は数十万円になるでしょう。

3-1-4.勾配(こうばい)をゆるくする

古い家は勾配が急なところが多いですよね。上り下りが難しく、途中でつまずいてしまうと転んで大ケガをする可能性があります。勾配をゆるくすることで上り下りが楽になり、体にも負担がかかりません。工事期間はおよそ数日、費用は数十万~100万円と幅広い傾向があります。

3-1-5.そのほか

ほかの方法としては、階段の足元を照らすランプを取りつける・階段下や階段横の壁に収納を作るなどのリフォームがあります。足元にランプを取りつけることで、転落事故が防止できるでしょう。また、収納スペースが欲しい方は、突っ張り棒と収納ボックスを利用してDIYで作ることもできます。

3-2.本格的な階段リフォームの方法

本格的な階段リフォームには、どのような方法があるのでしょうか。

3-2-1.位置変更を伴うもの

階段の位置を変えるリフォームは、大がかりな工事となります。なぜなら、階段だけでなく、近くにある部屋や廊下のリフォームも含まれるからです。リフォーム範囲が広くなるため、費用も200万~300万円と高めになるでしょう。位置変更で注意しなければならないのが、間取りによっては希望どおりにいかないことです。業者と入念に打ち合わせをしてから、位置変更のリフォームを行いましょう。

3-2-2.撤去し新しく設置する

現在の階段をすべて撤去して、新しい階段を設置するのも大がかりなリフォームになるでしょう。階段を丸ごと交換することになるため、期間と費用もそれなりにかかります。階段の大きさ・間取り・強度などによって期間・費用が異なるので、事前に確認しておいたほうがよいですよ。

3-3.外階段のリフォームについて

階段のリフォームは室内だけではありません。外についている階段もリフォームが可能です。外階段は常に紫外線・雨水にさらされているため、劣化しやすい特徴があります。劣化した外階段はもろく危険なので、すぐにリフォームしなければなりません。

4.階段リフォームの工事・費用について

具体的な階段リフォームのプランと同時に、予算と見比べながら費用もチェックしなければなりません。スムーズに工事をすすめるために必要な知識を身につけましょう。

4-1.工事の流れ

具体的な工事の流れは、リフォームの内容によって異なります。参考として、古い階段を取りはずして新しい階段を設置する場合の流れを、以下にピックアップしてみました。

  • 現場を確認して最終的なプランと工事日を決める
  • 作業日に古い階段を解体・撤去する
  • 新しい階段の取りつけ前に、基礎工事を行う
  • 新しい階段の取りつけ工事
  • 仕上げを行った後、業者と一緒に最終確認をして完了

4-2.だいたいの日数

簡易なリフォームであれば、約1~3日で済みます。しかし、大がかりで本格的なリフォームとなれば、約2週間~1か月かかることもあるので注意が必要です。リフォームの工事内容によって異なるため、事前に確認してください。1か月かかる場合は、仮住まいに移ることも検討したほうがよいでしょう。

4-3.費用内訳

業者に依頼する場合は、リフォーム費用の内訳も細部まで確認しなければなりません。主な内訳は以下のとおりです。

  • 古い階段の解体・撤去費用
  • 階段のリフォーム工事費用
  • 木材・塗料などの材料費
  • 人件費
  • 金具・道具類などの雑費

4-4.費用を安く抑えるコツ

きちんと目的をもってリフォームを行わなければ、費用が高くついてしまいます。費用を安く抑える大きなポイントは、必要な部分だけリフォームをすることです。どこをどういう風にリフォームしたいのか、不便に感じている部分はどこなのか、ハッキリさせておきましょう。また、低価格の材料を使う・自分でできるところはDIYで対応する・リフォーム工事費用が安い業者に依頼するなどの方法があります。

4-5.業者選びのポイント

納得いく仕上がりにするためには、業者選びが大切なポイントです。どの業者を選ぶべきか悩むときは、以下のポイントに注目してください。

  • 階段のリフォーム工事に実績がある
  • 工事費用がリーズナブル
  • 要望に応えながらプランを提示してくれる
  • 工事内容を丁寧に説明してくれる
  • 口コミ・評判がよい
  • 保証・アフターフォローが充実している
  • スピーディーな対応

4-6.注意点

「リフォーム後、すぐに階段が使えなくなった」「見積書とは異なる金額を請求された」など、リフォーム業者との間でトラブルが続出しています。トラブルにならないためには、入念に業者を選ぶことが大切です。丁寧に対応してくれるか、スタッフの対応にも目を光らせてください。

5.階段リフォームに関してよくある質問

階段リフォームに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.カーペットの張り替えはいくらかかるのか?
A.階段の長さ・広さによって異なりますが、約4万~8万円でできるでしょう。カーペットの場合は、ダニ・ノミ・汚れなどが気になるため、新しくするときは材質に注意してください。たとえば、防ダニ仕様のものなど、目的に合わせて選びましょう。

Q.床材の重ね張りはできるのか?
A.傷んできた床材を変えたい場合に可能です。重ね張りは低費用でリフォームできる方法となります。転落防止のために、滑りにくいもの・やわらかく弾力のあるものを選んでください。

Q.階段におけるバリアフリーのポイントが知りたい
A.代表的なバリアフリーとしては、滑りにくい素材にする・手すりをつける・フットライトをつけるなどがあります。中でも、手すりの設置は必要なポイントとなるでしょう。リフォームの際は、途中で切れることなく連続して設置する・手すりの太さを25~40mmにするとよいですよ。

Q.階段のリフォーム時期はいつか?
A.使用頻度の高い階段は、傷みやすい部分です。経年変化を踏まえて、10年に1回はメンテナンスをしてください。毎日使う中で、使いづらいと感じることがあれば、リフォームを考えるのも大切なポイントです。

Q.階段の種類はどんなものがあるのか?
A.らせん階段・折り返し階段・カーブ階段・かね折れ階段・直階段などさまざまです。新しい階段を設置する場合は、間取りを考えた上で適切な階段の種類を選んでください。また、種類によって設置費用が異なるため、見積もりできちんと確認しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか? 「階段が使いづらい」「上り下りするのが怖い」など不安を感じた場合は、リフォームを検討すべき時期です。不安を抱えたまま使用すれば、転落事故などに発展するおそれがあります。現状、どんな部分に不満を感じているのか、階段をチェックしましょう。そして、どうすれば解消できるのか、リフォームのプランを考えてください。張り替え・滑り止めなど簡易なリフォームなら、DIYでの対応が可能です。費用はかかりますが、DIYが無理だと感じたときは業者に依頼したほうがよいでしょう。きちんとリフォーム内容を見極めた上で判断してくださいね。