介護リフォームの内容ややり方を紹介! 利用できる制度は?

「親や兄弟が要介護や要支援になったので、自宅をリフォームしたい」というケースは年々増えています。その一方で「どんなリフォームができるのか分からず困っている」「介護リフォームをしたいが、資金が厳しい」といった悩みを抱えている人も多いことでしょう。そこで今回は、介護リフォームの種類や利用できる補助金などを紹介します。

  1. 介護リフォームの特徴
  2. 介護リフォームの一例
  3. 介護リフォームの費用相場と補助金について
  4. 介護リフォームを依頼するを業者は実績で選ぼう
  5. 介護リフォームの中には数日かかるものもある
  6. 介護リフォームに関するよくある質問

この記事を読めば、介護リフォームがうまくいくコツも分かるでしょう。介護リフォームを考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.介護リフォームの特徴

はじめに、介護リフォームの目的や一般的なリフォームとの違いを紹介します。

1-1.介護リフォームの目的は2つある

介護リフォームは、以下の2つの目的のために行うリフォームのことです。

  • 要支援・要介護者が可能な限り自立した生活を送れるために行う
  • 介護をする人がより介護しやすいように行う

たとえば、トイレや廊下、階段に手すりをつけるのも介護リフォームとなります。

1-2.介護リフォームは頻繁に行わなければならないこともある

介護リフォームは、介護される人の状態によって異なってきます。たとえば、高齢になって足がおぼつかなくなった場合、手すりをつけることによって、家の中を安全に移動できるようになるでしょう。その後、車いすの生活になったら、車いすで移動しやすいように、廊下の幅を広くしたり畳の部屋をフローリングにしたりする必要があります。つまり、短期間で繰り返しリフォームが必要になるケースも珍しくありません。

1-3.介護リフォームにはさまざまな種類がある

介護リフォームには、さまざまな種類があります。そのため、どんなリフォームを選べばいいのか悩んでしまう人もいるでしょう。そこで大切になるのが、介護や支援される人と介護する人の意見です。介護・支援される人が使いやすいのはもちろんのこと、介護する人も使いやすく管理しやすいものであれば、介護がぐっと楽になるでしょう。

1-4.自宅での介護が具体的になったらリフォーム計画を立てる

介護や支援が必要ないうちからできる介護リフォームもありますが、ほとんどの場合、自宅での介護が現実味を帯びてから、リフォーム計画を立てます。このような場合、時間がないのがデメリットですが、介護の状態に合わせたリフォームができるメリットもあるのです。ですから、慌てずにケアマネージャーや自治体の福祉課などに相談しましょう。介護リフォームを行っている業者を紹介してくれることもあります。

2.介護リフォームの一例

この項では、介護リフォームにはどのようなものがあるかを具体的に紹介します。

2-1.行動の助けをするリフォーム

手すりをつけたり、段差をなくしたりすれば、家の中の異動が格段に楽になります。また、大がかりなリフォームとしては、階段に昇降機をつけたりすることも可能です。トイレを和式から洋式に変えるリフォームなども行動を助けるリフォームといえます。

2-2.介護をしやすくするリフォーム

トイレや浴室を広くしたり、浴室を浅くしたり段差をつけたりすると、介護する人が楽になります。また、電動リクライニング式のベッドを設置するために、和室を洋室にするリフォームなどもあるでしょう。

2-3.ケガを予防するためのリフォーム

高齢者や体が不自由な人は、転んだだけで骨折することもあります。そのため、床板を滑りにくいものに替えたり、浴室の床を乾きやすいものに替えたりするリフォームも効果的です。

3.介護リフォームの費用相場と補助金について

この項では、介護リフォームの費用相場と利用できる補助金について紹介します。

3-1.介護リフォームの相場は5万円~

介護リフォームは、手すりを設置するなど簡単なものならば5万円~、バリアフリーなど大がかりなものだと1か所あたり20万~30万円が相場です。たとえば、トイレに手すりをつけて玄関の段差をなくしてバリアリフォームする場合は、30万~40万円ほどかかるでしょう。また、トイレや浴槽を交換する場合、工事費に加えて本体の価格も加わります。家中をすべてバリアフリー化する場合は、100万円を超えることもあるでしょう。

3-2.一生涯につき20万円の補助を受けられる

介護リフォームを行う場合、要介護者1人につき、1生涯で20万円までの補助を受けることができます。といっても、20万円のリフォームをした場合、全額補助で賄われるわけではありません。10%の自己負担が必要です。ですから、20万円のリフォームをした場合、自己負担が2万円、残り18万円を補助で賄うことができます。なお、補助を受けるには、要介護認定を受けており、要介護のためのリフォームであることが条件です(介護等級は問わない)。また、総額20万円であれば一生涯に何度も補助を受けることができます。

3-3.償還払いと受領委任払いの違い

介護リフォームの補助金には、「償還払い」と「受領委任払い」という2つの方法があります。償還払いは一度リフォームを依頼した人が料金を全額業者に支払い、後で領収書を自治体の担当課に提出して還元を受けるものです。一方、受領委任払いは、自治体が業者へ直接補助を支払います。償還払いしか行っていない自治体があったり、受領委任払いには条件があったりする自治体もあるので、よく確認しましょう。

4.介護リフォームを依頼するを業者は実績で選ぼう

介護リフォームを行っている業者はたくさんあります。安さをウリにしている業者もありますが、業者は値段だけでなく実績やアフターフォローの手厚さ、口コミなどで選ぶことが大切です。実績が豊富な業者であれば、依頼者の疑問にも的確に答えてくれるでしょう。「とにかく安くするので任せてください」と見積もりを作るのを拒否したり、契約をせかしたりする業者は利用しないほうがいいですね。

5.介護リフォームの中には数日かかるものもある

手すりをつけるくらいのリフォームならば半日あれば可能ですが、段差をなくしたり新しい器具を入れたりするリフォームは、2~3日かかることもあります。また、リフォーム中はトイレやお風呂が使用できなくなることもあるため、可能ならば要介護者をショートステイさせるなど対策を取りましょう。

6.介護リフォームに関するよくある質問

この項では、介護リフォームに関する質問を紹介します。

Q.若くても介護リフォームが必要になった場合、補助金は出るんですか?
A.40歳未満の人が要介護状態になった場合、介護保険は使えません。自治体に相談してみてください。独自の補助金制度を用意しているところもあります。

Q.介護リフォームを行っても、介護リフォームと認められないことはあるんですか?
A.はい。たとえば、洋式トイレを別の洋式トイレに替えた場合など、依頼者は介護リフォームのつもりで行っていても、介護リフォームと認められないこともあります。ですから、これから行う介護リフォームが、補助金の対象になるか相談することが大切です。

Q.家に2人の要介護者がいる場合、補助金は40万円分利用できますか?
A.はい。ただし、1回のリフォームで利用できる補助金の額には限りがあります。

Q.介護リフォームを自分で行うことは可能ですか?
A.手すりのねじを締めるくらいはできますが、それ以外は業者に依頼しましょう。

Q.介護リフォームの業者を自治体から紹介してもらえませんか?
A.紹介している自治体もあるので、まずは福祉課に問い合わせてみてください。

まとめ

今回は、介護リフォームの必要性や内容、利用できる補助金について紹介しました。毎日使っている生活用品の形を変えたり、家の段差をなくしたりするだけで、要介護者が格段に暮らしやすくなることもあります。介護リフォームが必要になったら、できるだけ早めに行いましょう。