床の張替えってどうすればいいの? 必見、最新リフォーム事情!
近年、DIYブームなどの影響もあり、家のリフォームを行う方が増えてきています。中でも、床の張替えは非常に人気のあるリフォームです。しかし、リフォームの知識はあまり一般的なものではありませんので、なかなか1歩を踏み出せずに迷っている方も多いでしょう。そこで、今回は床リフォームの基礎知識をご紹介します。
この記事を読むことで床のリフォームについて簡単に学ぶことができます。リフォームを検討している方にとっては耳よりの情報をまとめましたので、ぜひお見逃しなく!
1.床について
1-1.床の工法の種類
床の工法の種類は大きく分けて「従来工法」と「剛床工法」を挙げることが可能です。従来工法では大引きと呼ばれる角材に対して垂直方向に置かれる「根太(ねだ)」を設けますが、剛床工法では根太を設けない代わりに、床下地の合板を厚くします。
1-2.特徴
1-2-1.従来工法の特徴
基礎や土台などが水平かどうかに関係なく、床を水平にすることができます。そのため、施工業者の力量差が出にくいのが特徴です。また、床下に空間ができるため、通気性が優れています。
1-2-2.剛床工法の特徴
従来工法と比べると水平方向の力に対して強いのが大きな特徴です。地震や台風などに強いといわれ、近年注目されています。
1-3.床の重要性
床は私たちが生活する上で、最も大きな影響を受ける部分です。工法によっては階下に音が響いてしまったり床がしなってしまったりすることもあります。床の不満は生活の不満に直結しますので、床のリフォームをする際にはどのような工法で行うのかをしっかり吟味しましょう。
2.床リフォームについて
2-1.床のリフォームってどんなことをやるの?
一般的に、床のリフォームでは「張替え」か「補修」のどちらかを行います。張替えとは床材をはがして、丸々新しい床材に替えることです。補修では一部分だけをほかの床材と交換したり、補修材で傷などを埋めたりします。また、「バリアフリー」を行うケースも多いでしょう。
2-2.リフォームをする理由とは?
床のリフォームを行う方の理由として多いのが、床材の劣化といわれています。住宅に使われる床材は多くの場合は木です。木は経年劣化しやすいため、数十年もたつと腐って床が沈んだり抜けたりします。また、傷がつきやすいため、使い方によってはボロボロになってしまうこともあるでしょう。そのような場合にリフォームを行うわけです。
また、耐震強度の補強のために行われることもあります。前述したように剛床工法は地震に強い工法です。そのため、家の耐震補強のいっかんとして、ほかの部分のリフォームと並行して床を張替える方もいます。そのほか、高齢の家族やハンディキャップを抱える家族のために床の段差をなくすこと(バリアフリー)を目的にリフォームする方もいるようです。また、床暖房を設置することを目的としてリフォームする方も増えてきています。
2-3.リフォームをした方がいい場合
床が沈んだり抜けたりしている場合には、早いうちにリフォームをしておくことが重要です。放置していると、事故につながる可能性があります。また、近年日本各地で大地震が連続していますので、家の耐震性に疑問がある方などもリフォームをした方がいいでしょう。
2-4.リフォームのメリット
リフォームでは自分好みの床を作ることができます。耐震性に配慮した作りに変えたり、デザインをはやりのものに変えたりすることなどができるのが大きな魅力です。また、床の状態がよくなるということは家の寿命を延ばすということでもあります。そのままにしていたら数年後には床が腐って住めなくなるような家でも、床がしっかりしていればまた10年、20年と住み続けることが可能となるのです。
2-5.自分でのリフォームについて
DIYといって、自分で家をリフォームする方が増えてきています。特にここ最近は、芸能人の方が自宅や依頼者の家をリフォームする番組が人気を博すなど、DIYリフォームの人気に火がついている状態です。しかし、リフォーム、とりわけ床のリフォームは大掛かりになりがちなので、なかなか普通の方には難しいでしょう。
3.床リフォームのポイントを押さえよう!
3-1.床リフォームの際のポイント
床のリフォームだけに限りませんが、目的を見失わないことが大切となります。たとえば、バリアフリーを目的としてリフォームするのであれば、ケガや事故などの防止が主な目的ですよね。であれば、使う床材は転倒してもケガをしないように、畳などの柔らかいものを前提とした作りにしたり、クッションフロア―を採用したりするのがいいでしょう。
耐震強度を重視しているのであれば、剛床工法を基本とし、さらに使う木材は合板などがよいとされています。合板というと安っぽいイメージが先行しますが、最近のものは安いだけではありません。合板は張り合わせる面ごとに繊維の方向が垂直に交わるため、どの方向からの力に対しても一定の強度を期待できます。その性質に着目し、耐震強度を高めた専用の合板なども多いのです。
自分がどういう理由でリフォームするのかしっかり考え、業者側ととことん話し合って決めてくださいね。
3-2.場所や環境に合わせた素材の選び方
3-2-1.基本的にはフローリング
特にこだわりがない場合にはフローリングが一番おすすめとなります。フローリングはさまざまな環境に対応が可能だからです。たとえば、上にタイルカーペットを敷いたり畳を敷いたりすることもできます。テーブルに椅子、ソファーという組み合わせもできれば、カーペットを敷いてこたつスタイルも可能です。
3-2-2.ケガ防止のクッションフロア―
クッションフロア―とはクッション性のあるビニールシート状の床材のことです。小さいお子様や高齢者のいる環境では、転倒時のケガを防止することができて重宝します。また、シート状なので張替えも簡単です。子供が傷つけたり汚したりしても、大きな問題にはなりません。
3-2-3.原点回帰の畳
日本を代表する床材の畳。現在はあまり使われなくなってきました。テーブルや椅子を置くと、重みでへこんだり傷ついたりしてしまいます。そのため、欧米のスタイルが浸透した現代では人気がさがってしまっているのです。しかし、畳には高い消臭力や柔らかい肌触りなど、優れた能力がたくさんあります。
3-3.リフォームの例
リフォームの例として多いのは、畳をフローリングに変えるリフォームです。また、フローリングを張替えるだけの場合も多いでしょう。さらに、バリアフリー化したり、床暖房設備を取り付けたりする場合も多くあります。
3-4.注意点
リフォームは決して安い値段では行うことができません。数十万~数百万円はかかる工事です。そのため、後から「やっぱりああすればよかった……」と後悔するようなことがないようにしなければいけません。そのためには、自分がどのようなリフォームを求めているのかをまとめ上げ、何よりもしっかりとした業者に依頼をすることが大切です。中には適当な仕事をする不良業者も紛れていますので、業者選びには慎重になりましょう。
4.床リフォームの工事と費用について
4-1.工事の流れ
- 工事前の説明
- 現在の床材をはがす
- 下地の造作
- フローリングを張る
- 巾木(はばき)の取り付け
- 後片付け
- 品質の点検と依頼者による確認
4-2.だいたいの工期
工事の規模によって大きく変わってきます。1部屋の床を張替えるだけであれば、1日~2日あればできるでしょう。ただし、床下が腐食していたり、シロアリに侵されていたりすると、それに対処をする必要があるので、1週間程度の時間がかかります。
4-3.費用について
床の張替えだけであれば1部屋当たり5万円~10万円が平均的な価格です。もちろん、部屋の広さによって変わりますし、床下の状態などによっても変わります。たとえば、張替え時に床下のシロアリ駆除や腐食対処などを行うと20万円~30万円程度まで値段が上がるでしょう。
4-4.費用を安く抑えるには?
費用を安く抑える上で重要なのは「比較」です。業者を選ぶ際に複数業者から見積もりを取って比較してみましょう。必ず業者によって提示金額は異なります。その中から条件のいい業者を選ぶことで、費用を節約することが可能です。ただし、とびぬけて値段が安い業者は手抜き工事をする可能性があるので注意しましょう。
4-5.業者選びのポイント
優良業者を選ぶポイントは以下のとおりです。
- 複数(3社程度)の業者と比較する
- 明確に料金を提示してくれるか
- 床のリフォームが得意か
- 事業者団体への加盟状況
- リフォーム関連資格や許可などを得ているか
- 実績はどの程度か
- アフターサービスが完備されているか
4-6.注意点
新築を行う場合には国で定められた資格や許可を持っていなければいけません。しかし、基本的なリフォームの内容であれば、資格や許可は不要なのです。そのため、素人に毛が生えた程度の不良業者が紛れていることがあります。資格や許可を持っていない業者は注意しましょう。
5.床の張替えリフォームに関してよくある質問
5-1.床の工法はどちらがおすすめですか?
従来工法にも剛床工法にも、どちらにもメリット・デメリットがあります。しかし、地震に強いというその一点だけでも、剛床工法を採用するのは大きいでしょう。日本は年間4000回以上の地震が発生する地震大国です。空前の大災害である東日本大震災や、まだ記憶に新しい熊本地震など、数年置きに日本各地で大地震が発生しています。家を守り家族の命を守るという点で、剛床工法がおすすめです。
5-2.和室からフローリングに変えることは可能なのですか?
可能です。しかし、畳からフローリングに変える場合、畳の厚み分だけ床を上げる必要があります。そのため、単純な床の張替えに比べると、少々割高になるので注意しましょう。
5-3.防音性を高めるリフォームは可能ですか?
工法を工夫したり、床下に遮音マットを敷いたり、防音性の高い床材を採用したりすることで対処可能です。
5-4.巾木(はばき)とは何ですか?
巾木(はばき)とは、壁と床のつなぎ目に取り付ける横板のことです。壁と床の境目は汚れたり壊れたりしやすいことから、保護を目的として取り付けられます。
5-5.悪徳業者に引っかかったらどうすればいいのですか?
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが、住宅に関する問題を専門とした無料の電話相談窓口を開設しています。トラブルの相談や解決だけでなく、業者・物件選びのアドバイスなども行っているので、気軽に相談してみてください。
まとめ
いかがでしたか? 今回は床のリフォーム事情についてご紹介しました。床をリフォームする理由は人によってさまざまですが、いずれにせよ床は生活品質に直結する部分です。できる限り妥協はせず、目的に合ったリフォームをするようにしなければいけません。そのためには、ポイントを押さえて信頼できる業者を選ぶことが大切です。今回ご紹介した情報をもとに、後悔のないリフォームを実現してくださいね!