最適なリフォーム時期はいつ? 業者に依頼する際の注意点も解説

建物は定期的にメンテナンス・リフォームを行うことで、より頑丈でキレイな状態を維持し続けることができます。「リフォームしたいけど適切な時期かどうか分からない」「どの業者に依頼すべきか?」など悩みはつきものです。適切な時期にリフォームを行うために、知っておいてほしいポイントがたくさんあります。

そこで、本記事では、リフォームの必要性や最適なリフォーム時期などについて解説しましょう。

  1. リフォームが必要になる理由は?
  2. 部位別の最適なリフォーム時期
  3. 目的別の最適なリフォーム時期
  4. リフォームを業者に依頼する際の注意点
  5. リフォームに関してよくある質問

この記事を読むことで、部位別・目的別に最適なリフォーム時期が分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.リフォームが必要になる理由は?

なぜリフォームが必要なのか、主な理由や適切な時期にリフォームを行うメリットなどをチェックしておきましょう。

1-1.快適な環境を保ち続けるために必要不可欠

家はいつまでも快適な状況を保ち続けることができません。キッチン・システムバス・外壁・屋根・床・壁など家全体すべてに耐用年数(寿命)があります。日が経過するごとに劣化が進行するため、定期的なメンテナンスやリフォームが必要なのです。つまり、リフォームが必要な理由は、快適な環境を保ち続けるためと言えるでしょう。定期的にメンテナンスをしていかなければ、耐用年数よりも早い段階で使用できなくなることもあります。使いづらさを感じる前にリフォームをしておけば、不便さを感じることもありません。

1-2.適切な時期にリフォームするメリット

「リフォームをするとお金がかかるから」「工事期間中、不便になるから」という理由でリフォームを先延ばしにする方は多いでしょう。けれども、先延ばしにするほど工事期間が長くなりますし、費用も高額になってしまいます。経年劣化や不具合は放置するほど悪化の傾向をたどるため、早期に対処するよりも修復が困難な状態になりがちです。工事期間をできるだけ短く、費用を最小限に抑えたい方は適切な時期にリフォームしましょう。

1-3.リフォームをしないと家全体の耐久性が低くなる

ベストな時期にリフォームをしなければ、家全体の耐久性が低くなってしまいます。家中の設備や機能がどんどん劣化していくため、最終的には台風や地震に弱い建物になるのです。毎日生活する家だからこそ、安心して暮らしたい気持ちがあると思います。不便さを感じるほど生活しづらくなるので、いつリフォームすればいいのか把握することが大切です。

2.部位別の最適なリフォーム時期

ここでは、部位別の最適なリフォーム時期を紹介します。

2-1.ちょっとした部分の破損や汚れは早めのメンテナンスを

小型給湯器や浴室のドア・天井・室内の壁・外壁など、ちょっとした部分の破損や汚れが気になったときは、早めにメンテナンスを行う必要があります。家全体の中でも1番始めに行うリフォームが、ちょっとした部分の破損や汚れになるでしょう。「まだ使えるから大丈夫」と思いがちですが、早めにメンテナンスを施すことでより建物の寿命を延ばすことができます。特に、木材住宅はシロアリ被害に遭う恐れがあるため、防蟻(ぼうぎ)処理を5~10年のサイクルで行ってください。

2-2.水まわりのリフォームは10~15年ごとを目安に

浴室・トイレ・洗面台・キッチンなどの水まわりは、劣化しやすい箇所なので10~15年ごとのリフォームがおすすめです。水をたくさん使用する場所ほど湿気が多くなり、劣化スピードも速まります。特に、屋根材・雨どい・外壁は常に雨風にさらされている状態です。亀裂や外壁のひび割れを見つけたときは早めに補修するようにしましょう。

2-3.最初の大規模修繕時期は築15~20年

築15~20年になると、給排水管・建物の土台など見えない部分の劣化がすすみ始めます。目に見えない部分なのでどのくらい劣化しているのか確認できませんが、シロアリの被害に遭っていたり、腐敗していたりするのです。そのため、築15~20年を目安に大規模修繕工事を行うのが理想と言えるでしょう。適切な時期に大規模修繕工事を行えば、建物の寿命を延ばすことができます。

2-4.住宅の耐用年数を迎える時期に増改築を行う

一般的に、住宅の耐用年数は30年前後と言われています。そのため、部位別に限らず、築20~30年を迎えるころには増改築レベルのリフォームが必要です。構造によって違いはありますが、20~30年をきっかけにライフスタイルを踏まえながら住まいを見直すといいでしょう。増改築の際に、将来のためにバリアフリー化を検討したり、間取り変更をしたりすることもできます。

3.目的別の最適なリフォーム時期

ここでは、目的別の最適なリフォーム時期を紹介します。

3-1.ライフスタイルの変化に合わせたリフォーム

子どもが増えたり独立したり、両親と一緒に生活することになったり……ライフスタイルの変化に合わせたリフォームを検討する方が増えています。ずっと同じライフスタイルを送るわけではないため、環境の変化に合わせてリフォームをすることも大切なポイントです。たとえば、子どもが増えた場合は子ども部屋を追加する・両親と一緒に暮らす場合は二世帯住宅にするなどのリフォーム方法があります。どんなライフスタイルを送るのか、将来はどんな生活を送りたいのか考えてみてください。

3-2.快適な住環境にするためのリフォーム

「今よりも快適な生活を送りたい」と思っている方は、快適な住環境にするためのリフォーム方法があります。たとえば、キッチンを新しくする・オール電化にする・床暖房を設置する・和室から洋室にリフォームするなどです。快適な生活を送るためには、今の生活で不便な点を明らかにするといいでしょう。使いづらい点や不便な要素を把握することで、具体的なリフォーム方法が選択できます。家族で話し合うのも大切な要素です。「使いづらいな」「不便だな」と感じたときが、リフォームの時期と言えるでしょう。

3-3.リフォームについてゆっくり考えられるタイミング

忙しい毎日を送っていると、ゆっくりリフォームについて考える時間がありません。そこで、ゆっくりリフォームについて考えられるタイミングで検討するのも最適な時期の1つと言えます。設備が壊れたときに修繕する目的でリフォームを検討するケースがほとんどですが、それではゆっくり考えることができません。急いでリフォームした結果、失敗してしまうのです。時間ができたときに、改めて家全体のことを見直しリフォームを検討するのも大切なタイミングでしょう。

4.リフォームを業者に依頼する際の注意点

リフォームを業者に依頼する際の注意点をいくつか紹介します。

4-1.できるだけリフォーム実績がある業者を選ぶ

さまざまなリフォーム業者がありますが、できるだけ実績がある業者を選ぶことが大切です。最近は、「見積書とは違う金額を請求された」「高額な追加費用を求められた」「きちんとリフォームされていなかった」などのトラブルが相次いでいます。悪徳業者とのトラブルを未然に防ぐためには、リフォーム業者の実績がホームページ等に記載されているか確認が必要です。きちんと実績や施工事例が記載されている業者なら安心して依頼できるでしょう。

4-2.見積書の内容を細部まで確認する

悪徳業者とのトラブルが続出しているからこそ、見積書の細部まで確認する必要があります。実際にトラブルを経験した人は、多くが見積書を確認せず業者に任せっきりにしていました。内訳がきちんと記載されているか・どんな作業にいくらかかるのかなど自分の目で確認してください。また、追加費用が発生するケースも併せてチェックしておきましょう。事前に確認しておけば、後でトラブルになる心配もありません。

4-3.保証やアフターサービスが整っているかチェックする

優良業者の多くは、保証やアフターサービスが整っています。保証期間内であれば、どのような不具合が起きたとしても無償で瞬時に対応してくれるのです。しかし、保証やアフターサービスが整っていない業者の場合、高額な費用を請求したり迅速に対応してくれなかったりするので注意しましょう。どのような保証が整っているか、スタッフの対応が丁寧でスピーディーか確認してください。

4-4.複数の業者に見積もりを依頼し比較する

業者に依頼する際、最初から1社だけにしぼるのはNGです。複数の業者に比較したほうが、だいたいの費用が把握できますし、優良業者と悪徳業者が見極めやすくなります。最低でも3~4社に無料見積もりまたは無料相談を依頼してください。できるだけ費用が安い業者を選びがちですが、安すぎる業者はきちんと施工してくれない傾向があるので要注意です。

5.リフォームに関してよくある質問

リフォームに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.床・壁のリフォーム時期の見極め方は?
A.洗面所や廊下などの床が沈んでいる・へこみがある・歩くときにきしむ音がするなどの場合は、床材の補修が必要なサインです。畳の場合は、畳全体が黄色に変色する・傷が目立ち始める・一部の畳が変色しているなどがサインになるでしょう。壁は隣の壁紙との継ぎ目などが剝がれたり、激しく変色したりするときがリフォームすべき時期です。継ぎ目が線状に見えるようになったら、1~2年以内に張り替えたほうがいいでしょう。

Q.マンションのリフォームでの注意点は?
A.多くのマンションは、壁式構造またはラーメン構造になっています。壁式構造は壁・床などで建物を支える造りになっているため、むやみに間取りを変えることができません。ただし、ラーメン構造なら室内の壁のみ移動できるケースが多いでしょう。マンションの契約内容によってリフォームできる範囲が異なるので、事前に管理会社や管理人に確認することが大切です。

Q.リフォーム費用を安く抑えるコツは?
A.1回で複数のリフォームを行うことです。たとえば、浴室・トイレ・洗面台などの水まわりはリフォーム時期が同じなので、まとめて依頼したほうが安く抑えることができます。1箇所ずつ依頼するのではなく、ベストな時期ごとにまとめてリフォームしましょう。また、外壁や屋根は高所で工事をするので足場を設置しますが、無足場でできる業者もあります。足場代をカットするだけでも全体の3分の1の費用を抑えることができると言われているのです。なるべく足場を設置しない業者に依頼するのも選択肢の1つでしょう。

Q.新築を長持ちさせるために必要な点検は?
A.できるだけ新築の状態を維持し続けるために、ぜひ心がけてほしいのが定期的な点検です。たとえば、年3~4回ワックスがけを行う・雨どいやバルコニー排水口の清掃と点検などがあります。定期的な点検を行うことでメンテナンス頻度が少なくなり、住まいを長持ちさせることができるのです。不具合が起きていない限り、点検や清掃をしっかり行えば大丈夫でしょう。

Q.リフォームに向いている時期はいつか?
A.リフォームは春に行うのがいいと言われています。春は気候が穏やかで雨の日が少ないため、安定して工事を行えるからです。新生活が始まる時期でもあるため、設備が新しいものに入れ替わる時期でもあります。そのため、処分品などが安価で購入できるメリットもあるのです。逆に、冬場はリフォームの繁忙期を迎えるので、計画どおりに工事がすすまない傾向があります。夏は梅雨入りしてしまうと外や屋根の工事ができなくなってしまうので要注意です。気候が穏やかな春または秋を目安にリフォームを検討しましょう。

まとめ

場所によって、リフォーム時期の目安が異なります。たとえば、風呂場やトイレ・キッチンなどの水まわりは劣化しやすい場所なので、5〜10年ごとにリフォームや点検を行う必要があるでしょう。給排水管や建物の土台など目に見えない箇所は、築15〜20年のメンテナンス・リフォームが必要になります。また、水漏れが気になる・使いづらくなったなどの劣化症状もリフォームのサインになるので、日ごろから状態をチェックするのも大切なポイントです。リフォーム時期を目安に、リフォーム実績がある業者に点検を依頼するといいでしょう。