外壁の色選びで押さえるべきポイントは? 起こり得るトラブルなども紹介

外壁塗装において「外壁の色がイメージと違った」というトラブルがよく起きています。外壁の色をカタログだけで選んでしまうと失敗する恐れがあるので注意が必要です。また、建物のデザインや雰囲気に合っているかどうかも確認しなければなりません。

本記事では、失敗しないためにも、外壁の色選びで押さえておきたいポイントを解説します。

  1. 外壁の色選びが必要な理由は?
  2. 外壁の色が原因で起こるトラブル
  3. 外壁の色ごとに特徴を紹介
  4. 外壁の色を選ぶポイント
  5. 外壁の色選びに関してよくある質問

この記事を読むことで、外壁の色選びで失敗しないポイントが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.外壁の色選びが必要な理由は?

最初に、外壁の色選びがなぜ重要なのか、その理由をチェックしておきましょう。

1-1.建物の第一印象を決める「色」

街を歩いていると「この家、すてきだな」と思うことがあるでしょう。もちろん、建物のデザインや雰囲気が際立っていることもありますが、色が雰囲気を醸し出しているケースがあります。それだけ、外壁の色は建物の第一印象を決めるとても重要なポイントなのです。たとえば、建物の構造が和風なのに、派手な黄色を使ってしまうと雰囲気が台無しになってしまいます。建物のデザインや雰囲気に合わせた色選びがとても重要だと分かるでしょう。

1-2.外壁の色によって汚れが目立ってしまう

外壁の色選びが重要なのは、色によっては汚れが目立ってしまうこともあるからです。よくある外壁の色選びトラブルとして、「イメージが違う」というケースがありますが、「意外に汚れが目立つ色だった」というトラブルが発生しています。特に、外壁は雨やホコリにさらされている箇所なので、選ぶ色によっては汚れが目立ってしまうでしょう。せっかくリフォームを行っても、きれいな状態が長続きできなくなってしまうのです。

1-3.玄関ドアや屋根の色と合わなくなることも

外壁ばかりに注目してしまい、玄関ドアや屋根の色と合わない色を選んでしまったというケースがあります。外壁単体で見るときれいな色をしているかもしれませんが、実際に施工すると玄関のドアや屋根と相性が合わないケースもあるので注意が必要です。色が玄関ドアや屋根の色とマッチしていないと、どこか居心地の悪い建物になってしまうでしょう。

2.外壁の色が原因で起こるトラブル

ここでは、外壁の色が原因で起こるトラブルをいくつか紹介します。

2-1.仕上がりがイメージと異なる

外壁の色が原因で起こるトラブルとして、仕上がりとはまったく違う色になったということがあります。仕上がりとイメージが大きく異なる原因としては、きちんと色を確認しなかったこと、そして希望する色が業者にきちんと伝わらなかったからです。たとえば、青色を要望しても濃いものから淡いものまで幅があるため、同じ色でも微妙に異なります。だからこそ、希望する色を正確に伝えるのはもちろん、具体的に説明することが大切です。

2-2.色の見本と実際に塗られた色が違う

外壁の色は、太陽の光に当たったり、そのときの天候だったり、見る状況によって違う色に見えたりすることがあります。そのため、色の見本だけでなく、実際に塗られた色をしっかりと確認しなければなりません。外壁の色でよくあるのが、「色の見本と実際に塗られた色が違った」というトラブルです。塗装業者に依頼する場合は、実際に施工された外壁を見せてもらえるか確認してください。また、同じ色でも面積の大きさによって色の見え方が異なります。

2-3.色選びの失敗で塗り直すことに

希望どおりの色と違ったため、玄関ドアやサッシ枠などの色とマッチしなくなった結果、塗り直しを考える人がいます。工事後の色変更はとても大変で、想像以上に費用がかかってしまうでしょう。新たな塗料代はもちろん、人件費や足場代がかかり30万円以上も必要となることがあります。また、塗料の種類によっては上塗りできないケースもあるので注意が必要です。高額な費用と手間がかかるからこそ、色選びは絶対に失敗できません。

3.外壁の色ごとに特徴を紹介

それでは、外壁の色別で特徴を紹介します。

3-1.1番人気があるのは「ベージュ系」

外壁の色で1番人気があるのは、ベージュ系です。ベージュ系は色を薄くすると落ち着いたやさしい雰囲気になり、少し濃いめにするとかわいらしいイメージになります。また、付帯部を黒または濃茶色といった暗い色にすることで、ベージュの特徴を際立たせることができるでしょう。暖色系にすると、さらにやさしいイメージを周囲に与えることができます。ただし、ベージュ系は付帯部も同じ色にしてしまうとのっぺりとした印象になるので注意しなければなりません。さらに、黄色や青色など原色との相性も悪いので組み合わせに注意してください。

3-2.どんな色にも相性が良い「ホワイト系」

ベージュ系の次に人気があるのがホワイト系です。ホワイトはどんな色にでも相性がよく、外壁の色として選びやすい傾向があります。周囲の住宅とも調和しやすく、失敗するリスクが少なく済む色でもあるでしょう。また、ホワイト系は清潔感や高級感を出すことができると好評です。ただし、周辺環境によっては汚れが目立ちやすくなるので注意しなければなりません。ホワイト系の中に濃い色を組み合わせるとアクセントとなり、メリハリが出るのでおすすめです。

3-3.高級感がありシックな印象を与える「グレー」

ベージュ系・ホワイト系に続いて人気があるのがグレー系です。グレーは落ち着いた雰囲気を醸し出すことができると同時に、大人っぽく高級感やシックなイメージを与えることができます。都会的な雰囲気に合わせたい場合は、少し暗めにするのがおすすめです。グレーを暗くすれば黒に近づくため、重厚感を出すことができます。逆に、明るくすればホワイト系に近づき、清潔感を出すことができるでしょう。グレーは汚れが目立ちにくい色でもあるため、汚れや藻(も)・コケによる中間色を隠す性質があります。中間色とは、汚れが年月を経てどんどん積み重なった色です。この色をグレーは見えにくくする傾向があります。

3-4.そのほか色の特徴をチェック!

外壁の色として人気があるのは、ベージュ系・ホワイト系・グレー系ですが、ほかにもたくさんの色があります。以下に、それぞれの特徴をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

  • ブラウン系:自然を感じる色で温(ぬく)もりと安心感を与えることができる。汚れが目立ちにくい
  • イエロー系:明るく元気でさわやかなイメージ。タイルやレンガとの相性がいい
  • オレンジ系:明るく温かみがある色で、ホワイト系との相性がいい
  • ピンク系:やさしくてかわいらしい雰囲気を出せる。暗い色をアクセントにすると引き締まる
  • パープル系:上品さ、神秘的な雰囲気。周囲の環境と合わせやすい淡いパープルが人気

4.外壁の色を選ぶポイント

それでは、外壁の色を選ぶポイントをいくつか紹介します。

4-1.色の組み合わせを2~3色にする

外壁の色を何種類も組み合わせるのはNGです。基本的に、色の組み合わせは2~3色までにしてください。使う色を3色までに抑えることで、仕上がりがより一層美しくなります。3色以上に増やしてしまうと、まとまりのない家になってしまうので注意してください。なお、2色のツートンカラーにする場合は、同じような薄さの色か調和のとれた同系色にするのがおすすめです。また、割合も考慮してください。割合は1:1ではなく、多く塗るベースカラーともう1色のアソートカラーを6:4または7:3のバランスにするのがポイントです。

4-2.希望する色が家に合うか、周辺環境に合うかチェックする

外壁の色選びで失敗しないために、希望する色が家に合うか、周辺環境に合っているか必ず確認しなければなりません。希望する色が家に合うか確かめる場合、窓枠やサッシ・ドアなどの色もマッチするかチェックしましょう。好みだからと派手な色を希望しても、周辺環境から浮いてしまう恐れがあります。色があまりに派手すぎると両隣や向かいの家からクレームが来ることもあるでしょう。だからこそ、家のまわりの景観をしっかりと観察して、街並みと合った色を選ぶことが大切です。

4-3.希望する色を詳しく業者に伝える

イメージと違ったというトラブルにならないため、希望する色を詳しく業者に伝えることも大切なポイントです。優良業者なら希望の色をしっかりと、親身になって聞いてくれるでしょう。どんな色が合っているのかいろいろとアドバイスをもらうことができます。具体的にどのような色にしたいのか希望を伝えつつ、塗装業者との打ち合わせを綿密に行ってください。

4-4.塗装できない部位とのマッチングを考慮する

建物には塗装できない部分があるので、それらの部位と外壁の色がマッチするかチェックが必要です。塗装できない部位を覚えて、全体がマッチするような色を選んでください。特に、玄関ドアや窓枠(サッシ)などに使われているアルミ製品は、塗装ができません。塗装できない部位は色を変えることができないため、どんな色にすれば塗装できない部位とマッチするのか考えてください。変えられない部分を考慮しなければ、統一感がなくなってしまいます。悩んだときは、専門業者に相談すると安心です。

5.外壁の色選びに関してよくある質問

外壁の色選びに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.面積効果とは?
A.同じ色でも面積の大きさによって暗く見えたり、明るく見えたりする現象のことです。イメージどおりの色ではないというトラブルは、面積効果が大きく関係しているといえるでしょう。外壁塗装業者が見せてくれるサンプルはとても小さいので、実際に施工後の外壁を見ると違った色のように感じられるのです。面積効果を考慮する際は、以下のポイントに注目してください。

  • 見本帳よりもワントーン暗め・明るめの色を選択する
  • A4サイズの色見本で確認する
  • 実際の建物を見て確認する

Q.カラーシミュレーションは試したほうがいいのか?
A.カラーシミュレーションは色選びに役立つので、試したほうがいいでしょう。各塗料メーカーで提供しているカラーシミュレーションサイトを利用してください。カラーシミュレーションを行うことで、施工後のイメージがしやすくなります。外壁塗装業者でも行っているところがあるので、ぜひ試してください。

Q.汚れが目立ちにくい色は?
A.外壁の汚れが目立たない色は、グレー・アイボリー・薄いブラウン・ベージュなどです。逆に、白や黒は汚れが目立ちやすくなるので、避けたほうがいいでしょう。どうしても、汚れが目立ちやすい色を選びたい場合は、セルフクリーニング機能を持った塗料をおすすめします。セルフクリーニング機能を持った塗料は、汚れを雨で洗い流してくれる効果が期待でき、汚れが落ちやすい点が特徴です。

Q.外壁の色を選ぶ際の注意点は?
A.住んでいる市区町村に景観のガイドラインがあるか必ず確認してください。特に、京都や奈良など観光地になっているところは、外壁の色に関するガイドラインが定められています。ガイドラインが適用される場所で奇抜な色にしたり、派手な色にしたりすると塗り直しになる可能性があるので要注意です。事前に、ガイドラインがあるか確認しましょう。

Q.塗装業者選びのポイントは?
A.外壁の色選びで失敗しないためには、業者を慎重に選ぶことも大切なポイントとなります。どの塗装業者に依頼すべきか分からないときは、以下のポイントに注目するといいでしょう。

  • 外壁塗装の実績があるか
  • 無料相談や無料見積もりを受けつけているか
  • 親身になって話を聞いてくれるか
  • 口コミや評判がいいか
  • カラーシミュレーションを行っているか

また、複数の業者を比較することで、悪徳業者を見極めることができるでしょう。

まとめ

外壁の色選びは、建物の第一印象を決める重要なステップです。カタログだけで選んでしまうと、実際に太陽の光が当たったときの色や日陰になったときの色が分からず、トラブルの原因になってしまいます。よくあるトラブルは、「想像と違った」というケースです。そのようなトラブルを防ぐために、色選びで押さえるべきポイントをしっかりと把握しておきましょう。また、できるだけ実物を見て、太陽光に当てたときの色合いなどを確認することが大切です。