玄関の引き戸リフォームで押さえておきたいポイントと注意点は?

玄関は、人が出入りする重要な場所です。「引き戸」と聞くと和風建築を思い浮かべますが、最近はデザインも多彩になり、洋風の住宅でも違和感なく取り入れることができるようになりました。引き戸にリフォームし理想的な玄関にするためには、ポイントを押さえることが大切です。

そこで、本記事では、玄関の引き戸リフォームについて詳しく解説しましょう。

  1. 玄関を引き戸にリフォームにするメリットは?
  2. 玄関引き戸の種類をチェック!
  3. 玄関の引き戸リフォームプランは?
  4. 玄関の引き戸リフォーム工事内容は?
  5. 玄関の引き戸リフォームに関してよくある質問

この記事を読むことで、玄関の引き戸リフォームを成功させるポイントが分かります。検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

1.玄関を引き戸にリフォームにするメリットは?

まずは、玄関を引き戸にリフォームするメリットをチェックしておきましょう。

1-1.玄関の開閉スタイルは「引き戸」または「開き戸」

玄関のドアは、大きく分けて「引き戸」と「開き戸」の2つの開閉スタイルがあります。引き戸は引いて扉を開けるタイプで、開き戸は、新築や洋風の家に使用されることが多く、いわゆる「ドア」タイプです。開くか、引くかによって玄関の使いやすさが変わります。リフォーム前に、現在の玄関における問題点をチェックし、どちらのほうがいいのか考えることが大切です。

1-2.引き戸はスペースが有効活用できる

引き戸にする大きなメリットは、スペースが有効活用できることです。開き戸は扉を前後に開かなければならないので、ドアが開く方向に靴箱や傘立てなどを置くことができません。一方、引き戸は引いて扉を開けるため、家具の配置を気にせずにスペースが有効活用できます。空いたスペースに収納家具を設置すれば、生活スペースが広く確保できるでしょう。

1-3.敷地が狭くても門が取りつけられる

敷地が狭くても、門が取りつけられるようになるのも引き戸にする大きなメリットです。スペースができる分、門を取りつけて防犯性を高めることができます。小さい子どもがいる場合は、外へ出ないようにするための役割も担うでしょう。防犯性や安全性を高めたいという方は、引き戸へのリフォームと同時に、門の設置をおすすめします。

1-4.車椅子やベビーカーなどの出入りが楽になる

引き戸にすると、車椅子やベビーカー・自転車の出入りが楽になります。最小限の動作でドアが開閉できるため、高齢者も負担なく出入りできるようになるでしょう。小さな子どもがいる場合は、ドアのすき間に手を挟みケガをする恐れがありますが、引き戸であればそのような心配もありません。

1-5.目的によってはデメリットにも

プライベート空間へつながる場所に取り入れる場合は、引き戸よりも開き戸のほうがベストです。引き戸は開き戸と比べて気密性や遮断性が低く、個人のプライベートルームにつながる場所にはデメリットになるでしょう。また、開き戸と比べて開いている時間が長くなることから、部屋の空気が逃げるというデメリットもあります。これらのデメリットを踏まえた上でリフォームすれば、トラブルが防止できるはずです。

2.玄関引き戸の種類をチェック!

引き戸にもさまざまな種類があるので、それぞれの特徴をチェックしておきましょう。

2-1.左右どちらも開閉できる「引き違い扉」

引き違い扉は、2枚の扉が重なるように設置されているため、左右どちらでも移動させ開閉できるタイプです。引き戸の中では、最も一般的なスタイルとなっています。玄関だけでなく、部屋の仕切りに使用されることも多いタイプです。

2-2.1枚のみを引いて開閉する「片開き扉」

引き違い扉とは異なり、2枚の扉のうち、どちらか1枚だけを引いて開閉できるタイプです。片開き扉の中には、2~3の複数枚の戸が連動して開閉する「2枚(3枚)片開き扉」もあります。こちらは開口部を広く確保できるため、車椅子やベビーカー等での出入りに最適です。

2-3.2枚の扉を壁の内側へ引き込む「両引き込み扉」

2枚の戸を左右の壁側に引き込んで開閉するスタイルを、両引き込み扉といいます。2枚片開き扉と同じく、開口部を広く得ることができるため、出入りが多い場所に設置されたり、車椅子利用者のためにリフォームしたりすることが多いでしょう。

3.玄関の引き戸リフォームプランは?

それでは、玄関を引き戸にリフォームする具体的なプランを紹介します。

3-1.古いものを新しくする

リフォームのタイミングは人それぞれですが、最も多いのは「古くなったから新しいものにリフォームする」というケースです。玄関が古くなると、ドアが開閉しづらくなったり、きちんと閉まらなかったりなど、さまざまな不具合が出てくるでしょう。玄関は、家の中でも出入りが激しい場所なので、古く使いづらいものから新しい玄関へリフォームするのもプランの1つです。また、新しい玄関にする際は、より使いやすくなるようにただ新しくするだけでなく、+αを入れるといいでしょう。

3-2.開き戸を引き戸にする

開き戸から引き戸へリフォームする場合、玄関や間口の大きさを変える必要があります。開き戸のままでは引き戸のサイズが合わないため、工事が外壁まで及ぶことになるでしょう。ただし、費用はドアのグレードや間口サイズの変更有無によって変わります。玄関ドアの種類も多くなってきているため、間口サイズの変更が必要になっても、ドアのグレードで費用を抑えることが可能です。

3-3.引き戸を開き戸にする

引き戸から開き戸へリフォームする方法もあります。引き戸からドアへリフォームする場合は、玄関枠の変更などの工事が必要になるでしょう。既存のドアを交換するだけでなく、サイズが異なるドアに交換する際も、別途費用がかかる可能性があるので見積書を細部まで確認してください。また、開き戸は引き戸に比べると、断熱性にも優れており、洋風なイメージを与えるデザインがたくさんあります。そのため、気密性が維持でき、洋風な外観に変わるというメリットが生まれるのです。

3-4.どんな玄関にしたいのか目的を明確にする

どんな玄関にしたいのか目的をハッキリさせることで、ベストなリフォームプランが選択できます。まずは、既存の玄関に対する不満や不安要素をピックアップしましょう。その問題点を解決するためのプランにすることで、使いやすい・出入りしやすい玄関へリフォームできます。また、素人だけではより良いプランを選択するのは難しいでしょう。リフォーム業者と相談しながら、プランを具体的に決めてくださいね。

4.玄関の引き戸リフォーム工事内容は?

それでは、玄関の引き戸リフォーム工事を行う際のポイントなどを解説します。

4-1.工事の主な流れをチェックしよう!

実際に、リフォーム工事を始める前に確認しておきたいのが、工事の大まかな流れです。開き戸から引き戸へリフォームする際の流れを紹介します。ぜひ参考にしてください。

  1. リフォーム業者へ無料見積もりを申し込む
  2. 事前に、現場を確認し具体的な見積額を確認してから契約
  3. 既存のドアを撤去し、残された枠の上からカバー工法で新しい枠を設置する
  4. 事前に採取したサイズに合わせ、玄関扉を製造し設置する
  5. 工事終了後は最終確認をし、料金を支払う

引き戸へリフォームする際、よく用いられるのがカバー工法という工事内容です。カバー工法は残された枠の上から新しい枠を設置するだけで、玄関を引き戸に交換できます。ただし、間口サイズの変更が必要な場合は、外壁まで工事が及ぶ可能性があるでしょう。

4-2.工期は約1日、費用は約20万~40万円

引き戸へリフォームする場合、工事日数は1日で済むケースがほとんどです。ただし、外壁まで工事が必要になる場合は、1日以上かかる可能性もあるので注意してください。また、開き戸から引き戸へリフォームする場合の費用は、約20万~40万円が相場です。枠はそのままでドアだけを交換するなら約1万~2万円安く抑えることができるでしょう。ただし、スライドドアへのリフォームや、壁を壊してスペースの確保が必要になる場合は、さらに10万~50万円追加される可能性があります。具体的な費用に関しては、リフォーム業者へ無料見積もりを依頼してください。

4-3.費用を安く抑えるポイントはドアのグレード

前述したように、ドアの種類はさまざまです。できるだけ、費用を抑えたい方は、ドアのグレードを変えてみてください。ただし、あまり費用に注目しすぎると、リフォームを誤ってしまう恐れがあります。リフォーム後に、「やっぱりグレードを上げればよかった」と後悔しないため、自分で判断せずにリフォーム業者と打ち合わせを重ねることが大切です。

4-4.業者選びのポイントも大切

理想的な玄関にリフォームするためには、工事を行う業者選びが大切なポイントとなります。どのリフォーム業者に依頼すべきか悩んだときは、以下のポイントに注目してください。

  • 玄関のリフォーム実績があるか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • どのような質問にも分かりやすく説明してくれるか
  • 無料見積もりや無料相談を受けつけているか
  • 見積書の内容が細かく記載されているか
  • 口コミや評判がいいか
  • ホームページ等に施工事例が記載されているか

5.玄関の引き戸リフォームに関してよくある質問

玄関の引き戸リフォームに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.引き戸を選ぶときのポイントは?
A.デザインに注目しがちですが、採光性・断熱性・防犯性も押さえておきたいポイントです。玄関の悩みは、寒い・暗い・玄関の施錠が1箇所しかないなどさまざまですが、まず何を1番に解決したいのか考えてください。優先順位をつけ、機能性が高いものを選ぶ必要があります。

Q.ランマとは?
A.部屋と部屋の境目に作る開口部のことを、欄間(ランマ)といいます。玄関の引き戸の場合は、扉の上にランマをつけることで、高級感を演出できるでしょう。ただし、高さや採光の調節が必要となり、ランマ部のガラス代は工事費用とは別途請求となるため、費用が高くなる可能性があります。どのようなデザインにするのか考え、予算と比べながら検討しましょう。よく分からない場合は、リフォーム業者に相談してください。

Q.引き戸に使用されている素材は?
A.木製・アルミ・鋼板などが主な素材となります。木のぬくもりを感じたい方は天然木を使用したり、シャープでシンプルな作りにしたい方は金属の無機質を選択したりなど、目的によって適した素材を選んでください。ただし、玄関は雨風にさらされる場所なので、どの素材も雨水によって腐食やサビが発生することがあります。リフォーム後も、定期的なメンテナンスが必要になるでしょう。

Q.どんなガラスを選べばいいの?
A.引き戸に使用されるガラスには、ペアガラスとシングルガラスの2種類があります。ペアガラスは複層ガラスとも呼ばれ、2枚のガラスとその中間空気層という3層構造です。そのため、断熱性・防露性に優れています。一方、シングルガラスは単板ガラスとも呼ばれており、コスト面ではペアガラスよりも優れていますが、断熱性能は劣る点がデメリットです。

Q.注意しておきたいリフォーム業者の特徴は?
A.適当な説明をする・見積書に内訳が記載されていない・リフォームプランを提示してくれないなどのリフォーム業者は注意が必要です。質問をしてもいい加減な回答をする業者にも注意してください。特に、リフォームはだましやすい工事だといわれているため、慎重に選ぶことが大切です。複数の業者を比較することで、有料業者と悪徳業者を見極めることができますよ。

まとめ

玄関を引き戸へリフォームすることで、生活スペースを有効活用でき、車椅子やベビーカーなどの出し入れがしやすくなるメリットが生まれます。老後生活のために、開き戸から引き戸へリフォームをする家庭が増えているのも事実です。引き戸へリフォームする場合、約20万〜50万円が平均費用となりますが、間口サイズの変更有無やドアのグレードなどで大きく異なります。実績のあるリフォーム業者と相談しながら、ベストなプランを選択してください。既存の玄関における問題点や不安要素を考えることで、より良い玄関へのリフォームができるようになるでしょう。