コンセントは自分で増設できる? 増設の注意点や方法などを紹介

「自分でできるコンセントの増設はあるのか」「どうすればDIYできるのか」など、コンセントの増設で悩んでいる方は多いでしょう。コンセントが足りないときは、業者に依頼するよりも自分で増設したほうが費用を抑えることができます。けれども、電気を扱う箇所なので十分な注意と配慮が必要です。

本記事では、コンセントの増設で気をつけておきたい内容を紹介します。

  1. コンセントの増設はDIYできない!?
  2. コンセントの増設前に確認すべきこと
  3. コンセントの増設方法と増設場所の決め方
  4. コンセントの増設を業者に依頼する方法
  5. コンセントの増設に関してよくある質問

この記事を読むことで、コンセントを増設する方法とポイントが分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。

1.コンセントの増設はDIYできない!?

なぜコンセントの増設がDIYできないのか、その理由について詳しく解説します。

1-1.電気工事を素人が行うのはリスクが高い

コンセントの増設は簡単そうに思えるかもしれませんが、素人にとってはとても困難な作業です。電気に関係する工事となるため、簡単な電気工事でも火災や死亡事故など重大な被害が伴う危険があります。実際に、施工ミスで漏電などの事故が起きたこともありました。感電死するリスクが高いからこそ、工事に慣れている専門業者に依頼するのが1番です。

1-2.屋内の電気配線工事は国家資格が必要

コンセントの増設や交換など、既存のスイッチやコンセントの配線を変更するだけの工事は簡単に感じられますが、屋内の電気配線工事を行うには国家資格が必要です。最低でも、電気工事士第二種の資格を取得した者でなければ電気工事を行うことができません。電気工事士の資格を取得している方でも、日常的な業務で配線を扱っていないと施工ミスをすることもあります。それだけ難しい作業ということを理解することが大切です。

1-3.コンセント増設の電気工事でよくあるトラブル

費用節約のために自分でコンセントの増設をした結果、感電事故・転落事故・漏電火災などのトラブルが起こる可能性があります。たとえば、ブレーカーを落とさずに作業するとショートを起こし、感電してしまうでしょう。高所での作業の場合は、転落する危険性もあります。さらに、しっかりと電気配線しなければ、漏電して火災につながることもあるのです。これらのトラブルや事故は実際に起きているので、安全面のためにもプロの業者に依頼してください。

2.コンセントの増設前に確認すべきこと

コンセントを増設する前に、確認してほしいことがいくつかあるので紹介します。

2-1.コンセントをどこに増設したいか

まずは、コンセントの増設場所を明確にしておかなければなりません。コンセントを新しく2階に増設する場合、増設するための配線が見えないように処理する必要があります。けれども、分電盤が違う階にある場合は、その工事ができないケースがあるのです。また、同じ階の場合でも家の構造上や増設場所によって、電気の配線を隠すことができないケースもあります。きちんとコンセントの配線を隠すことができるのか業者との打ち合わせが必要です。

2-2.分電盤の空きを確認しよう

各家には、分電盤という電気を1つにまとめている装置があるので、そこに空きがあるかどうか確認する必要があります。分電盤は、もしものときに家を守るための安全装置が備わっている大切なものです。漏電などが起きると分電盤の中にあるブレーカーが危険を察知し、電気を遮断してくれます。この分電盤のブレーカーに、コンセントの増設が可能な余裕があるか確認しましょう。電気の許容範囲に余裕がなければ、コンセントの増設はできません。

2-3.増設するコンセントの使用用途

何のためにコンセントを増設するのか、使用用途を確認することも事前にチェックしておきたいポイントです。なぜなら、コンセントにはアースが必要になるものがあります。アースはコンセントに緑色の線がついているもので、家電が漏電した場合に人体に影響が出ないよう電気を逃がしてくれる大切な装置です。このアースを専用のコンセントに必ずつないでおかなければなりません。自分の身を守るためにも、コンセントの使用用途をハッキリさせてアース線をつなぎましょう。

3.コンセントの増設方法と増設場所の決め方

ここでは、コンセントの増設方法と増設場所の決め方について解説します。

3-1.コンセントの差し込み口を増やす

電気配線を変更しない方法としては、コンセントの差し込み口を増やす方法があります。現在のコンセントよりも差し込み口が多いタイプに変更するだけなので、作業自体は1時間程度で終わるでしょう。新しいコンセント器具の内部配線をつなぎ替える方法となるため、施工価格も約5,000円と安価で済むメリットがあります。ただし、増やしたコンセントの使用用途によっては、配線の電気容量を超えてしまうケースがあるのでブレーカーが落ちることもあるのです。交換を行う場合は、電力量にも注目したほうがいいでしょう。

3-2.既存の電気配線からコンセントを増やす

コンセントがなかった場所に新しくコンセントを増設する場合、既存の電気配線から分岐してコンセント絵お増設する方法があります。屋内用の電気配線で電圧が100Vのものなら、基本的にどこでも引くことができるでしょう。また、電灯や換気扇などのスイッチ部分から配線を分岐させることも可能です。ただし、屋内配線で200Vとおっている場合や電力消費量がつながれている場合は、電圧を調整しなければなりません。分電盤を確認し、どの配線がどこのコンセントにつながっているのか施工の際にチェックしましょう。

3-3.分電盤から専用の配線を引く

電力消費量の問題が出てきたときは、分電盤から専用の配線を引いてコンセントを増設する方法があります。電力消費量が多すぎると配線に流れる電流が大きくなるため、分電盤のブレーカーが落ちてしまうからです。分電盤からまっすぐ配線を行う場合は、ほかの電気機器の電力使用量をきにする必要がないメリットがあります。ガスコンロをIHクッキングヒーターに交換したり、エアコンを新しく設置したりする場合もこの方法になるでしょう。

3-4.使用用途にあわせた設置場所

コンセントの増設場所を選ぶ際は、何のために増設するのか目的と使用用途をハッキリさせることが大切です。特に、コンセントを必要としている用途といえば、掃除でしょう。廊下や階段の場所などコンセントの数が少なかったりなかったりする場合は、掃除機の移動が難しくなります。その場合に増設する場合は、階段の上と下のすぐ近くにコンセントを増設するなど適切な場所が分かりやすくなるのです。廊下も同じくコードの届く範囲にコンセントがあれば、延長コードを用意せずとも簡単に掃除できます。

4.コンセントの増設を業者に依頼する方法

それでは、コンセントの増設を業者に依頼する方法とポイントを解説します。

4-1.電気工事を行っている業者に依頼する

コンセントの増設を依頼するのは、電気工事全般を行っているプロの業者です。電気工事を中心に行っている業者なら、電気工事士など必要な資格を取得している人が作業を行うので安心できます。前述したように、コンセントの増設は資格取得者でないとできない作業となるため、施工業者に資格取得者が在籍しているかは要チェックポイントです。電気工事に長(た)けている業者なら安心して依頼できるでしょう。

4-2.目安となる費用は約5,000円~

簡単な作業であれば、工事費用が約5,000円~で済むこともあります。分電盤から新しく配線をつなげてコンセントを増設する場合は、数万円かかる可能性があるので注意が必要です。どのくらい費用がかかるのか、どんな作業にいくらかかるのか見積書の内訳をしっかり確認してください。気になるところがあれば、依頼前に尋ねることが大切です。

4-3.業者選びのポイントをチェックしよう!

コンセントの増設工事を行っている業者の中には、不正を働く悪徳業者が存在しています。実際に、悪徳業者とのトラブルが多発しているので慎重に選ばなければなりません。どの業者に依頼すべきか悩んだときは、以下のポイントを参考にするといいでしょう。

  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 電気工事の実績があるか
  • 親身になって話を聞き、ベストな方法を提案してくれるか
  • 無料見積もりや無料相談を受けつけているか
  • 電気工事士が作業を行ってくれるか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • 口コミや評判がいいか

4-4.すぐに工事を始めようとする業者には要注意!

具体的な説明や見積書の提示もなしに、すぐ工事を始めようとする業者は注意が必要です。悪徳業者ほど、早く工事を終わらせて高額な費用を請求するケースがあります。特に、スタッフの対応がいい加減で質問にも答えてくれない・適切な場所を提示してくれないような業者には依頼しないように気をつけましょう。複数の業者を比較すると、優良業者と悪徳業者が見極めやすくなるのでおすすめです。

5.コンセントの増設に関してよくある質問

コンセントの増設に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.資格を取得していない人が工事を行うとどうなるの?
A.電気工事には資格が必要不可欠なので、資格取得していない人が工事した場合は3年以下の懲役または3万円以下の罰金が科せられることになります。正しい知識を持っていると国が認めた人でないと工事してはいけない、と法律で定められているからです。何よりも、資格取得していない人が工事を行うと事故が起こる可能性が高くなります。それを防ぐためにも、きちんと法律を守る必要があるのです。

Q.露出型と隠蔽(いんぺい)型の違いは?
A.露出型はコンセントの配線を隠せずに配線し増設すること、隠蔽型はコンセントの配線を壁などの中に入れて目立たなくしてから増設することを指しています。つまり、配線を見せるようにするか見せないようにするかの違いです。配線がゴチャゴチャするのが嫌・生活感を出したくないという方は隠蔽型をおすすめします。配線を隠す手間をかけたくない・好きな場所にコンセントを増設したい方は隠蔽型が合っているでしょう。

Q.コンセントが増設できない場所は?
A.コンセントには電気が流れているので、水まわりは増設できません。増設できるケースもありますが、なるべく控えたほうがいいでしょう。水は電気の天敵であり。感電する可能性があります。コンセントの種類に防水コンセントがありますが、常に水にさらされている浴室などの場所では使用できません。漏電のリスクが高くなるため、できるだけ水がかからない場所にコンセントを設置するようにしましょう。

Q.アクセントクロスとは?
A.全面のクロスを張り替える必要もなく、配線を壁の中に入れる方法です。通常、コンセントを増設するためには、配線を壁の中に入れるために壁に穴を開ける必要があります。しかし、その方法では壁の修繕費用がかかってしまうのです。そこで、アクセントクロスを使用すれば張り替える必要もなく、電気工事と壁の修復のみを依頼すればOKなのでコスト削減につながります。工事時間も短縮できるでしょう。

Q.コンセントにはどんな種類があるの?
A.電気機器を使用することを目的としたコンセント・200V用のコンセント・防水コンセント・フロアコンセントと全部で4種類のコンセントがあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 電気機器を使用することを目的としたコンセント:通常のコンセントとは違い、アース線という線を接続するためのコンセント
  • 200V用のコンセント:家電のための専用の200Vコンセント
  • 防水コンセント:防水効果があるコンセント。主に給湯器や電気温水器など外に設置している設備に使用されることが多い
  • フロアコンセント:床の中にコンセントが隠れており、必要なときに取り出して使用するタイプのコンセント

まとめ

コンセントの増設をDIYですると、たくさんの危険とリスクが潜んでいるのでおすすめできません。DIYすることで費用を抑えることはできますが、屋内の電気配線工事になると電気工事士という国家資格が必要となります。資格を取得していない人は、コンセントの増設ができないので注意してください。DIYできない場合は、プロの業者に依頼するといいでしょう。できるだけ費用を抑えるために、複数の業者を比較することが大切です。できるだけ、コンセントの増設に実績がある業者を選ぶことで、快適な空間へと変化します。