床暖房の寿命は何年? お得に導入する方法やポイントなどを解説!
床暖房は、一体どのくらい長持ちするのでしょうか。床暖房の大部分は、壁や床仕上げ材に覆われているため、なかなか劣化状況に気づきません。しかし、耐用年数や寿命を把握しておけば、定期的なメンテナンスを含めて長持ちさせることができるでしょう。
本記事では、床暖房の寿命について詳しく解説します。
この記事を読むことで、床暖房をなるべく安い費用で導入できるコツも分かります。導入を検討している方はぜひチェックしてください。
1.床暖房の寿命は何年?
まずは、床暖房の寿命についてチェックしておきましょう。
1-1.床暖房の寿命は約30年
一般的に、床暖房の平均寿命は約30年前後といわれています。30年以上使用し続けることができる床暖房が多く、使い方や使用頻度・種類などによっては50年持つこともあるでしょう。しかし、ここで気をつけてほしいのは、お湯を循環させる熱源機を使用する場合です。
たとえば、給湯器を使用した床暖房は、給湯器と同程度の耐用年数となります。その点に注意した上で、床暖房を導入しなければなりません。
1-2.床暖房の仕組みを解説!
さまざまな種類の床暖房がありますが、床の下に温水を流すタイプが増えています。床暖房ユニット(給湯器)で水を温めた後、床の下に通っている温水配管に流れ、床が温まるという仕組みです。温水配管は温水パネルに覆われているため、保温が持続します。お湯で温めると暖かさが柔らかくなるのが特徴的です。床暖房にも暖房方式による違いがあるので、次の項目でチェックしておきましょう。
1-3.温水循環式と電気ヒーター式
床暖房の種類は、大きく分けて温水循環式と電気ヒーター式の2種類があります。
温水循環式は前述したように、電気・ガス・灯油などの燃料でお湯を沸かし、その温水がパイプを循環し床面を暖める方法です。深夜電力が利用できるエコキュートや、発電機で発生した排熱や電力が利用できるエコウィルなど、エコ給湯器が注目されています。
電気ヒーター式は、床下にヒーターを内蔵したパネルを設置し、電気によってヒーターが発熱→床面を直接暖める方法です。電気ヒーターの種類には、電熱線ヒーター・カーボン式などがあります。
1-4.寿命の前兆、よくある故障をチェック!
床暖房は約30年も長持ちするほど頑丈なシステムですが、10年を機会に故障の確率が少しずつ上がっていきます。特に、床下に設置してあるパイプに不具合が生じるでしょう。所狭しと配線されているため、暖まるまで時間がかかるなどの故障が発生します。ほかにも、寿命が近づくと以下のような症状が現れるでしょう。
- 床暖房の温度が低い
- 室温センサーやコントローラーが壊れた
- スイッチを入れても反応しない
- 使用していないのに床が暖まることがある
2.給湯器による床暖房の特徴
それでは、給湯器による床暖房の特徴やメリットなどをチェックしておきましょう。
2-1.給湯器で床暖房以外の使い方もできる
給湯器はお湯を沸かす機器ですが、床暖房以外の使い方もできるのが大きなメリットです。たとえば、水をお湯にするのはもちろんのこと、お風呂を沸かしたり、お皿を洗ったり、浴室を温めたりと、さまざまな役割を担います。給湯器の機能を自分で自由に選択できるため、本当に欲しい機能が利用できる修理を選ぶことができるのです。
2-2.床暖房が利用できる給湯器はさまざま
床暖房が利用できる給湯器には、さまざまな種類があります。電気ヒーター式か、温水循環式かによっても異なりますが、給湯器の種類は燃料によって異なるでしょう。
たとえば、電気が燃料の場合は、ヒートポンプ式がほとんどでエコキュートといったエコ給湯器があります。
ガスの場合は、温水暖房つき給油機やエコウィル、電気・ガスの場合はエコジョーズ、灯油の場合は床暖房専用熱源機などです。燃料によってさまざまな種類に分けることができるため、どれを使うのか考えるといいでしょう。
2-3.設置場所を考慮する
給湯器の種類によって適切な設置場所が異なるため、機能性や使用目的だけでなく、給湯器の設置スペースにも注目してください。
たとえば、ガス給湯器は、能力を最大限に発揮させること・利用する人の安全を守ることの2つの理由から、無理のない吸排気が可能な場所に設置しなければなりません。吸気口や排気口の近くに障害物があると、ガス給湯器本来の能力が発揮できなくなってしまいます。
3.給湯器による床暖房の設置メリット
では、給湯器による床暖房設置の主なメリットについて解説します。
3-1.快適さを求めるなら設置を検討しよう
「寒い冬の休日を快適に過ごしたい」「家の中にいることが多い」「足元からポカポカを感じたい」という方は、床暖房の設置をおすすめします。実際に、「床暖房を設置したけれど、結局使用する機会が少なかった」という方もいるため、床暖房のデメリットを把握することも大切です。
大きなデメリットとしては、設置費用が高い・冬場の電気代が高い・メンテナンス費用が高いなどがあります。そのため、家で過ごす人が多い方や、寒さが厳しい地域で過ごす方など、費用対効果が高い場合に向いているといえるでしょう。この機会に、本当に床暖房が必要か否か改めて考えてみてください。
3-2.床暖房に活かせる給湯器の特徴を知る
「どの床暖房を選べばいいのか分からない」という方は、床暖房に活かせる給湯器の特徴を知ることが大切です。下記に、主な給湯器の特徴をピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。
- エコキュート:外気をファンから吸い込み、自然冷媒を空気熱交換器で圧縮し、高温の冷媒でお湯を沸かすエコ給湯器。電力消費量を通常の3分の1に削減できる
- エコジョーズ:排気熱を有効活用して少ないガス量で効率的にお湯を沸かすことができるエコ給湯器
- エコウィル:液化天然ガスによる発電を組み入れた給湯システム。エネルギー利用効率のアップが期待できる
- エネファーム:電気エネルギーと排熱の両方を活用してお湯を沸かすエコ給湯器
上記の給湯器は、現在注目されているエコ給湯器の種類です。それぞれ熱源が異なり、通常のエネルギーよりも少ない量でお湯を沸かし、床暖房に活かすことができます。素人では適切な給湯器の種類が判断しにくいため、給湯器業者と話し合いながら決めてください。
3-3.給湯器を大切に扱うことが寿命を延ばすポイント
床暖房の寿命は給湯器の寿命と関係しているため、給湯器のメンテナンスが寿命を延ばす大きなポイントとなります。そのため、給湯器を正しく使用し、大切に扱うことが重要です。たとえば、給湯器の排気口付近のスペースを十分に取ったり、定期的にフィルターを掃除したりしましょう。
また、給湯器に使われている基盤や部品は消耗品なので、8年を経過したら定期点検を行うようにしてください。1度業者に点検してもらい、経年劣化が見られる場合は交換をおすすめします。
4.給湯器による床暖房の設置工事と費用
ここでは、給湯器による床暖房の設置工事と費用について具体的に説明します。工事を依頼する前に、チェックしておきましょう。
4-1.業者選びは実績に注目
どこの業者に設置工事を依頼したほうがいいのか分からないときは、以下のポイントに注目してください。
- 給湯器や床暖房の設置工事の実績があるか
- さまざまな種類の給湯器がそろっているか
- 要望を聞き入れつつ、適切な床暖房を提示してくれるか
- 無料見積もりや無料相談を受けつけているか
- 見積書の内容が具体的に記載されているか
- 口コミ・評判がいいか
- スタッフの対応が丁寧かつスピーディーか
- 施工例がホームページ等に記載されているか
上記の中でも特に注目してほしいのが、設置工事の実績です。実績が豊富な優良業者ほど、ホームページ等に実際に施工した例を記載しています。要望を聞くだけでなく、より良い工事プランを提案してくれるので、安心して任せることができるでしょう。
4-2.設置費用は1畳あたり約5万円~
床暖房の設置方法は、床に直貼りする方法と全面を張り替える2つの方法があります。床に直貼りする場合は、1畳あたり約5万~8万円ほど、全面張り替える場合は約8万~11万円ほどかかるでしょう。
また、温水式床暖房で給湯器などの増設が必要な場合は、床暖房の設置費用とは別に約25万~100万円ほどかかる可能性があります。床の上につけるか、床下につけるかでも異なるため、予算を見比べながら決めてください。工期に関しても、直貼りなら1~2日で完了するケースが多いですが、全面張り替えの場合は3~4日かかる可能性があります。
4-3.予算内で抑えるために優先順位を決める
予算内で抑えるためのポイントは、優先順位を決めることです。まずは、床暖房に何を求めるのか考えてみてください。家族全員が快適に過ごせるようにリフォームしたいのであれば、全面張替えがいいケースがあります。
反対に、リビングだけ床暖房にしたいなら部分貼りでも十分でしょう。なお、床の解体や補修などでも、別途工事費用がかかってしまうので、総額がいくらになるのか見積書を確認することも大切です。
4-4.すべてを任せたままにするのはNG
つい業者にすべてを任せてしまいがちですが、任せたままにするのはNGです。実際に、すべてを任せた結果、「予算をオーバーしてしまった」「後で使わない機能が出てきた」など、さまざまなトラブルや問題に発展する恐れがあります。一緒に考え検討しながら、具体的な工事プランを決めることが大切です。
5.床暖房に関してよくある質問
床暖房に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.床下エアコンとは?
A.床暖房に代わる断熱設備として注目されている基礎断熱の種類です。基礎断熱の技術を取り入れた住宅では、床下の空間を部屋と捉えています。その部屋に暖かい空気を送ることで、床面を暖めることができるのです。同時に、床面に設ける空気口から各部屋へも暖かい空気を送り込むことができ、全体的に緩やかな対流を生み出します。家全体を暖房することが、床下エアコンの特徴的な構造です。
Q.電気ヒーター式床暖房と温水式の違いは?
A.仕組みはもちろんのこと、設置にかかる初期費用に大きな違いがあります。電気ヒーター式は床下に電熱パネルを敷くだけなので、温水式よりも安く抑えることができるでしょう。また、メンテナンスにも大きな違いがあります。温水式の床暖房を寒冷地で使用する場合、水が凍らないように不凍液を使用しなければなりません。不凍液は定期的な交換が必要なので、電気ヒーターよりもメンテナンス頻度が増えるでしょう。
Q.床暖房が故障した際にかかる費用は?
A.故障内容にもよりますが、床暖房の場合は30万~80万円は考えておいたほうがいいでしょう。特に、床下に暖房設備を設ける場合は、既存の床を除去する必要があります。また、床上の場合も新たな床暖房のシステムを設置する場合、高額な費用がかかるケースがほとんどです。
Q.床暖房選びの注意点は?
A.なるべく安全で耐久性が優れている製品を選んでください。床暖房の規模に合わせて、設置費用・ランニングコストのバランスがいいかどうかもチェックしましょう。特に、規模が大きくなるほどランニングコストが重要なポイントとなります。長い目でみた選択をすることが重要です。また、床暖房の保証は一般的に2~10年となっているため、保証期間もチェックしてください。
Q.アフターフォローが充実している業者を選ぶべき?
A.業者選びの際は、アフターフォローが充実しているかどうかにも注目してください。アフターフォローが充実している業者を選ぶことで、設置後にトラブルが起きてもすぐに対応してもらえます。逆に、整っていない業者は、何かしらのトラブルが起きても追加費用を請求してくる恐れがあるので要注意です。
まとめ
床暖房の寿命は、約30年といわれています。ただし、お湯を循環させる熱源機で床を温める場合は、一般ガス器具と同程度の耐用年数となるので注意が必要です。給湯器による床暖房を設置する場合は、耐用年数をチェックした上で、適切な方法かつ使用目的に見合った種類を導入することが大切でしょう。床暖房に詳しい業者と念入りに打ち合わせを重ねつつ、導入プランを立ててください。床暖房のメリット・デメリットをきちんと把握しておけば、スムーズに納得できる形で導入できます。