修理? それとも交換? 知って得するマンション給湯器の故障知識!

マンションの給湯器が突然故障してしまい、修理か交換を検討しているのはいいものの、どちらを選べばいいのかがわからず困ってしまうというケースが多くあります。給湯器は高価な機器ですから、費用を安く抑えるためには、給湯器に関する基本的な情報を押さえおくことが重要です。そこで、今回は給湯器の故障に関する基礎知識をご紹介します。

  1. マンションの給湯器が故障したと思ったら
  2. マンションの給湯器が故障した場合にチェックすべきこと
  3. マンションの給湯器の修理・交換などに関するQ&A

この記事を読むことで、マンションの給湯器にまつわる基礎知識を学ぶことができます。いざという時に困らないように、しっかりと学んでおきましょう!

1.マンションの給湯器が故障したと思ったら

給湯器が故障したと思ったら、まずは本当に故障なのかを確認しなければいけません。故障のサインなどを参考にして確認しましょう。

1-1.故障のサインとは?

以下のような症状が出るようになったら、給湯器の故障を疑いましょう。

  • 水やお湯が出ない
  • 設定温度よりもぬるい
  • 給湯器を使うと変な音がする
  • お湯を使うとガス臭い
  • お湯を使うと煙が発生する
  • エラーコードが頻繁に出る

1-2.故障の原因について

1-2-1.寿命

一番の原因は経年劣化による寿命です。給湯器内の部品が8~10年程度で劣化し始めると言われています。経年劣化による故障の場合、不具合を起こしたパーツを取り替えても、ほかの部品も不具合を起こす可能性が高く修理が推奨されません。10年近くなって不具合が発生しだした給湯器は、交換したほうが良いでしょう。

1-2-2.高負荷状態での使用

負荷が過度にかかりすぎると、パーツが破損するなどして故障してしまいます。たとえば、号数(給湯能力)に見合わない量の給湯を続けたり、家庭用給湯器を業務用として使用したりすると負荷が高すぎて故障することがあるでしょう。

1-2-3.凍結

給湯器にとって凍結は大きなダメージとなります。水は凍結すると膨張する性質があるため、配管などが破裂してしまうことがあるからです。

1-2-4.自然災害

地震で配管が破損したり、台風で給湯器内に水が入って故障してしまったりすることがあります。

1-3.どこへ依頼すればいいの?

壊れた給湯器の修理・交換依頼は、主に以下の3つの選択肢があります。

1-3-1.ガス会社

ガス会社はとても有名な企業ばかりなので信頼感があります。詐欺被害などにあうことはまずないので、迷ったらガス会社に依頼するのも1つの手でしょう。ただし、ガス会社は非常に安定している企業です。給湯器の取り付けや修理は副業のようなものなので、比較的サービスが良くはありません。修理費や交換費用も割高なので、安さやサービスを求めるなら避けたほうが無難です。

1-3-2.給湯器メーカー

ガス会社と同様に有名メーカーばかりなので安心感があります。さらに、修理用のパーツを豊富に取りそろえているので、スムーズな修理が期待できるのもメリットの1つです。ただし、メーカーが直接修理や取り付けに来てくれるわけではありません。メーカーが地域ごとに契約している業者に委託する形になるので、地域によって対応などが変わってきます。さらに、交換する場合には依頼先のメーカーのものしか選択できないので、メーカーの乗り換えを検討している際には利用できません。

1-3-3.給湯器販売業者

複数のメーカーの給湯器を取り扱っている業者が多いので、選択肢を広く取れるのがメリットです。また、給湯器販売業者は給湯器を購入する際の割引率が高く、最大で80%近くも割引してもらえることもあります。ガス会社やメーカーではほとんど割引がなく、最大でも10%程度であることを考えると大きなメリットと言えるでしょう。また、アフターサービスや保証期間も比較的充実していることが多いので、とてもおすすめです。

1-4.業者を利用する際の注意点

給湯器販売業者は悪徳業者が紛れ込んでいることがあるので注意が必要です。見積金額と実際の請求額が違ったり、利用できるはずのアフターサービスが利用できなかったり、お金だけ取って実際には修理や工事に来ないといったケースが報告されています。信用できるかどうか自分で調べておかなければいけません。もちろん、まっとうな業者がほとんどですが、最初から信用するようなことは避けましょう。

2.マンションの給湯器が故障した場合にチェックすべきこと

マンションの給湯器が故障した場合にすべきことを確認しておきましょう。

2-1.どのような症状が出ているのか

まずはどのような症状が出ているのかを正確に把握することが大切です。業者を呼んでせっかく修理してもらったのに、実はほかの場所にも不具合が出ていて、根本的な解決にならないということもありえます。事故を防ぐ上でもしっかりと行っておくべきでしょう。

2-2.給湯器の種類・メーカー・型番・何年使用しているか

メーカーに修理や交換の依頼をする場合は、原則として同じメーカーに依頼することになりますし、現在どのような給湯器を使っているかは、交換する際の参考にもなるので行っておいて損はありません。また、前述したように給湯器は8~10年で寿命を迎えてしまいます。寿命近くまで使っていることがわかれば、修理と交換のどちらを行うべきかを判断しやすくなるでしょう。

2-3.連絡先の確認

賃貸マンションの場合、設備が故障した際の連絡先が契約書・重要事項説明書・賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書などに記載されています。業者によって書式は異なりますが、「管理業者」の項目に連絡先が記載されているのが一般的です。管理会社か大家さんの連絡先が記載されているので、まずはそちらに連絡しましょう。故意に故障させたのでなければ、貸主の負担で修理・交換を行ってもらえます。
分譲マンションの場合、修理・交換は自費で行わなければならないと考え、連絡する前に諦めてしまう方がほとんどです。しかし、アフターサービス規準の内容によっては、管理会社の負担で修理してもらえる可能性があります。アフターサービス規準は契約書などに送付されていますので、必ず目をとおしておいてください。中古の場合でも、売主が不動産会社なら2年間の保証があるので不動産会社に連絡してみましょう。

2-4.給湯器が故障した際にしてはいけないことを把握

壊れた状態で使い続けるのはやめましょう。製品評価技術基盤機構(NITE)が2017年に行った発表によれば、過去5年の間に古い風呂釜や給湯器が発火する事故が435件もあったそうです。6割は火災事故で、そのほかにガス中毒や発煙などが報告されています。給湯器を故障した状態で無理やり使用し続けると、時として重大事故につながることも珍しくはありません。特に、マンションで事故が起こると、自分だけではなく周りの住民にも迷惑をかけてしまいます。絶対に故障の放置はやめましょう

3.マンションの給湯器の修理・交換などに関するQ&A

給湯器の修理交換に関してよくされる質問と回答をまとめました。疑問を解消させましょう。

Q.故障しやすい場所はどこでしょうか?
A.真っ先に挙げられるのはリモコンです。風呂場や台所の壁に設置されるリモコンはお風呂を沸かすときなど、毎日操作しますよね。そのため、故障が起きやすい場所です。また、給湯器内の基板もホコリなどが原因でショートし、故障することがあります。そのほか、配管や給水バルブも故障場所としては多いでしょう。

Q.悪徳業者の見極めポイントはなんですか?
A.電話対応の良しあし・見積もりが明確かどうか・依頼から交換までの対応速度・アフターサービスや保証期間が充実しているかなどを総合的に判断して見極めましょう。また、口コミなどがある場合は、参考にするのもおすすめです。

Q.給湯器の事故を防ぐために必要なことはありますか?
A.給湯器は購入時に住所登録をすることでメーカーから点検時期が通知される「長期使用製品安全点検制度」が利用可能です。できる限り、この制度を利用するようにしましょう。

Q.修理や交換の見積もりにお金はかかりますか?
A.ガス会社・メーカー・給湯器販売業者のいずれでも、原則とし見積もりにお金はかかりません。もちろん、業者によっては有料の場合もあるので、ホームページや電話から確認しておくようにしましょう。

Q.給湯器が故障した際の費用はどのくらいかかるのですか?
A.修理の場合、どこが故障しているかや故障の度合いによって費用が大きく変わります。一般的には1~6万円が修理費用の相場です。一方、交換にかかる費用は本体価格が10~30万円、工事費が5万円ほどかかります。単純に金額だけで言うと修理したほうがお得です。しかし、古い給湯器の場合は経年劣化でほかの場所が不具合を起こすリスクもあります。そのため、長期的に見ると交換したほうがお得です。まだ新しい給湯器なら修理したほうが良いでしょう。もちろん、保証期間内なら絶対に修理がお得です。

まとめ

いかがでしたか? 今回はマンションの給湯器の故障に関する情報をご紹介しました。給湯器は凍結や自然災害など、さまざまな理由で故障します。給湯器はガスを使用する機器ですから、故障箇所によってはガス漏れによる火災など、時として命を脅かす可能性も否定できません。マンションで事故が起きれば、自分だけではなく周辺住民の方にも被害が及びます。ですから、故障の放置は絶対に避け、なるべく早く修理や交換を行うようにしましょう。今回ご紹介した情報をぜひ活用して、スムーズな修理・交換を行ってくださいね。