石油給湯器の取り付けは自分でできるのか? 給湯器選びのポイントも

「石油給湯器の取り付けを業者に依頼したいが費用がどのくらいかかるのか分からない」「自分で取り付けることはできないのか?」とお悩みではありませんか? 石油給湯器の交換を業者に依頼すると高額な費用がかかるため、自分で取り付けたほうが節約にはなります。しかし、果たして素人にも簡単に交換できるものなのでしょうか。

この記事では、石油給湯器を自分で取り付ける場合の手順や、業者に依頼するメリットなどを詳しくご紹介します。

  1. 石油給湯器の特徴は?
  2. 石油給湯器を選ぶ3つのポイント
  3. 石油給湯器の取り付けに資格は必要なのか?
  4. 石油給湯器を取り付ける手順
  5. 石油給湯器の取り付けをプロに依頼する場合
  6. 石油給湯器の取り付けに関するよくある質問

この記事を読むことで、石油給湯器を取り付ける際の注意点や業者選びのポイントなどが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.石油給湯器の特徴は?

まずは、石油給湯器の特徴についてご紹介しましょう。

1-1.灯油を熱源とする給湯器

給湯器は熱源によっていくつかの種類に分けられますが、石油給湯器は灯油を熱源とする給湯器のことです。ほかの給湯器に比べて耐用年数が長めなこと・パワフルな給湯ができることなどがメリットでしょう。原油価格の変動に影響されるため一概にはいえませんが、ガス式や電気式の給湯器よりランニングコストが安く済む傾向があります。

1-2.直圧式と貯湯式の2種類がある

石油給湯器は、お湯の沸かし方によって「直圧式」と「貯湯式」の2種類に分けられます。直圧式は、水が水道管を通るときに水道管を温めてお湯にする方法で、使う分だけお湯にすることが可能です。一方の貯湯式は、あらかじめタンクに水をためて加熱し、お湯を作っておきます。直圧式に比べて本体価格は安くなりますが、お湯切れの心配などのデメリットも把握しておく必要があるでしょう。

1-3.耐用年数は10~15年

石油給湯器の一般的な寿命は10~15年といわれています。もちろん、使用頻度や使い方・メンテナンスの仕方によって寿命に差は出ますが、耐用年数を経過したころから故障のリスクは高くなるでしょう。着火不良が頻繁に起こる・異音や異臭がする・お湯が出ないなどの不具合が起こるようなら、早めに交換を検討すべきです。

2.石油給湯器を選ぶ3つのポイント

石油給湯器を選ぶ際のポイントをご紹介します。

2-1.お湯の沸かし方で選ぶ

直圧式か貯湯式か、お湯の沸かし方で選びましょう。それぞれのメリットとデメリットを把握し、自分の家にはどちらが合っているの考えてみてください。直圧式のメリットは、水圧が高いことです。「給湯器が1階に設置されていて浴室が2階にある」という家庭でも、勢いを損なうことなく給湯が可能でしょう。また、お湯切れを起こす心配がないこと・お風呂を沸かす時間が早いことなどもメリットです。ただし、貯湯式に比べて交換費用が高額になることがデメリットになります。一方の貯湯式は、直圧式に比べて本体価格が安いこと・タンクにお湯をためておくことができるため、短時間のシャワーなどは温度変化が少なく快適に使用できることなどがメリットです。ただし、タンクを置くスペースを確保しなければならない・お湯の温度を細かく調整できないなどのデメリットがあります。

2-2.給湯出力で選ぶ

給湯器を選ぶ際は、給湯出力もチェックしましょう。給湯出力は「kW」という単位で表され、数字が大きいほど、一度でたくさんのお湯を作ることができます。基本的には、2人家族の場合は36~39kW、4人以上家族の場合は45~47kWの給湯器がおすすめです。今まで使っていた給湯器の給湯出力で不便がなければ、同じ給湯出力のものを選ぶとよいでしょう。「家族の人数が増えた」「子供が親と別々にお風呂に入るようになった」など、ライフスタイルの変化があれば、その変化に応じて変更することも検討してください。

2-3.機能で選ぶ

石油給湯器には「給湯専用」「追い炊きタイプ」「フルオートタイプ」など、給湯タイプによっていくつかの種類に分かれています。フルオートタイプは浴槽への自動お湯張りや保温などもできるため、より便利に給湯器を使いたい人におすすめです。もちろん、機能が豊富なほど価格も高額になるので予算に合わせて検討してください。

3.石油給湯器の取り付けに資格は必要なのか?

石油給湯器を交換するには資格を持っている必要があるのでしょうか。

3-1.交換は無資格でできる

既存の石油給湯器を新しい石油給湯器に交換する作業には、特に資格を必要としません。DIYが得意な人なら、工具さえそろえれば交換できるでしょう。ただし、石油給湯器を最初に設置する際は、消防法の規定に従って行う必要があるため、「石油機器技術管理士」の資格を保有していなければなりません。

3-2.電気式やガス式給湯器の交換には資格が必要

注意が必要なのは、資格がなくても交換できるのは、石油給湯器だけです。電気給湯器やガス給湯器の交換には、電気工事士や液化石油ガス設備士・ガス機器スペシャリストなどの資格が必要になります。無資格者が交換すると罰則の対象になることもあるため、十分注意してください。

4.石油給湯器を取り付ける手順

石油給湯器を自分で取り付ける際の手順をまとめました。

4-1.既存の給湯器を取り外す

まずは、既存の給湯器を取り外しましょう。給水配管や給湯配管・リモコン線・アース線などを本体から取り外してください。腐食などの問題がない配管や配線は、そのまま使うのが望ましいでしょう。腐食が進んでいて自分で修理するのが難しい場合は、業者に依頼することをおすすめします。

4-2.新しい給湯器を設置する

取り外した配管や配線を、新しい給湯器に接続していきましょう。給湯器は必ず水平に設置するように、水平器を使って調整してください。給水管と給湯管には、ホームセンターでも購入できる「塩ビ管」や「フレキ管」を使うのがおすすめです。灯油タンクと給湯器の接続には、給湯器に付属されている送油管を使いましょう。送油管を接続した後は、必ずエア抜きを行ってください。後は、リモコン線とアース線をつないで完了です。

4-3.動作確認・保温剤の取り付け

動作確認をし、水漏れがないかチェックしてください。目視だけでなく、水道メーターも確認しましょう。問題がなければ、冬場の凍結を防止するため、配管に保温剤を巻きつけてください。

5.石油給湯器の取り付けをプロに依頼する場合

石油給湯器の取り付けをプロに依頼するメリットや業者の選び方などをご紹介します。

5-1.失敗なく安全に取り付けができる

石油給湯器の取り付けは比較的簡単な作業に見えますが、万が一失敗すると火災の発生につながる危険もあります。豊富な知識と経験があるプロに依頼することで、安全に取り付けることができるでしょう。また、自分で取り付けようとして途中で失敗し、結局はプロに依頼しなければならなくなるケースも少なくありません。余計な労力と費用がかかってしまうため、最初からプロに依頼したほうがよい場合も多いでしょう。

5-2.安心して任せられる業者選びを

石油給湯器の交換を依頼する業者は、慎重に選ぶ必要があります。以下のポイントを参考にするとよいでしょう。

  • 豊富な実績があるか
  • 24時間365日対応してくれるか
  • アフターフォローや保証内容は充実しているか
  • 無料見積もりを受け付けているか
  • 口コミの評判はよいか

5-3.複数の業者を比較しよう

交換工事にかかる大まかな費用相場を把握するためにも、複数の業者に無料見積もりを依頼して比較することをおすすめします。本体価格を除いた交換工事費用は3~5万円前後が相場ですが、相場から大きくかけ離れた料金を提示してくる業者には注意が必要です。安さだけで選んだ業者が悪徳業者で、後から高額な追加料金を請求された例もあります。

6.石油給湯器の取り付けに関するよくある質問

「石油給湯器の取り付けについて知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.直圧式にするか貯湯式にするかは、自由に選ぶことができますか?
A.基本的には自由に選ぶことができますが、設置状況によっては希望どおりにできないこともあるでしょう。たとえば、配管設備が古くて直圧式の水圧に耐えられない場合などは、貯湯式を設置することになります。

Q.石油給湯器のメーカーで人気なのはどこでしょうか?
A.ノーリツやコロナ・パーパスなどのメーカーです。

Q. 給湯器の交換を依頼できるのは、どのような業者でしょうか?
A.給湯器メーカーの直営ショップや、住宅用設備機器の設置業者などに依頼できます。

Q.直圧式の給湯器を使っていますが、費用が安い貯湯式に交換しても問題ないでしょうか?
A.シャワーの使用感などが大きく変わり、不便を感じることになる可能性があります。できれば今までと同じタイプの給湯器を選んだほうがよいでしょう。

Q.悪質な給湯器交換業者に多い特徴を教えてください。
A.飛び込み営業で強引に交換をすすめてくる業者や、見積書を提出しない業者などには注意が必要です。

まとめ

石油給湯器を選ぶポイントや自分で交換する方法・業者に依頼する際の注意点などを詳しくまとめました。石油給湯器の交換を自分でできれば費用は節約できますが、失敗する恐れもあるため十分注意して行う必要があります。ぜひこの記事を参考に、石油給湯器の交換を安全に行ってください。