ビルトインガスコンロの交換時期は? 交換方法・業者選びなど解説
キッチン本体にはめ込まれた造りつけのコンロ「ビルトインガスコンロ」は、作業台とひと続きになっている点が特徴です。見た目がスッキリとしていて掃除しやすいタイプですが、ビルトインガスコンロにも寿命があります。急に故障して使えなくなると、料理ができません。いつ交換すればよいのか、工事費用にいくらかかるのか、悩みの種がたくさんあるでしょう。そこで、本記事では、ビルトインガスコンロの交換に必要な内容をまとめてお届けします。
この記事を読むことで、ビルトインガスコンロの交換がスムーズにできるようになります。交換を考えている方や気になっている方は、ぜひチェックしてください。
1.ビルトインガスコンロとは
まずは、ビルトインガスコンロの特徴をきちんと把握しておきましょう。現状や主なメーカー・人気機種を把握することで、理想にぴったりなビルトインコンロへ交換できます。それでは、早速チェックしていきましょう。
1-1.特徴
ビルトインガスコンロとは、システムキッチンに組み込まれているガスコンロのことです。テーブルコンロのようなすき間・段差がないため、見た目が美しくスッキリとした印象を与えます。テーブルコンロは、テーブル台の上にガスコンロを設置するため、ガス配管が丸出しになり、ガス漏れが生じるおそれもあるのです。しかし、ビルトインタイプなら、ガス台の下に配管を設置するので安心・安全に使用できます。
また、ビルトインタイプのガスコンロは、3つ口タイプが一般的です。3つ口なら複数の料理を同時につくることができるでしょう。
1-2.現状について
近年のシステムキッチンは、ビルトインタイプのガスコンロが使われています。システムキッチンは、新築・リフォームの際にプランニングするケースが多いため、ビルトインタイプを選ぶ方が増えているのです。また、電気を使用したIHクッキングヒーターにリフォームする方も増えていますが、火力が強いガスを選ぶ方もいます。ガスコンロは使いやすさと火力に定評があるのです。
1-3.主なメーカーとそれぞれの特徴
ビルトインガスコンロのメーカーといえば、「リンナイ」「ノーリツ」「パロマ」の3社が代表的です。それぞれの特徴を紹介します。
1-3-1.リンナイ
リンナイ独自の機能「ヒートオフ」「スモークオフ」がコンロに使われています。ヒートオフは焦げつきを防ぎ、スモークオフは煙とにおいを抑える機能です。また、グリル機能が充実している点も、リンナイならではの特徴といえます。特に、料理好きな方に、グリルでいろいろな料理を本格的かつ手軽につくることができると好評です。
1-3-2.ノーリツ
ノーリツでは、すべてのガスコンロに「Siセンサー」と呼ばれる安全装置が搭載されています。安心・安全に使用できるほか、お手入れがしやすい構造になっている点が特徴です。たとえば、ガスコンロの天板には汚れを水で浮き上がらせる「親水アクアコート」、グリルには汚れを抑える「グリルクリーンモード機能」が搭載されています。
1-3-3.パロマ
パロマの特徴は、ガスコンロの使いやすさにこだわっている点です。立ったままでの姿勢でも楽に使える負担のない設計や、LEDオレンジランプを取り入れて操作を簡単にしています。また、調理中には次に使える機能を点滅で知らせてくれる「ネクストガイド機能」もついているのです。幅広い世代が使える構造になっています。
2.ビルトインガスコンロの交換について
ビルトインガスコンロをスムーズに交換するためのポイントを説明します。ぜひ、交換前にチェックしてくださいね。
2-1.交換するタイミングとは?
故障する前に交換するのが理想的です。しかし、ほとんどの方が故障してから交換を考えるようになるでしょう。または、使いづらくなった・不具合や不調が気になり出したときに、新しいビルトインガスコンロへの交換を考えるはずです。ビルトインコンロの寿命は、約10~15年といわれています。10年以上使い続けている方は、交換を考えたほうがよいでしょう。また、寿命・交換のサインとなる不具合・不調を以下にピックアップしてみました。
- 1番使うコンロだけが点火しなくなった
- 点火するときの音が以前と違う、または使用中に異音がする
- 点火したのに勝手に消える
- ガス臭くなることがある
- エラー表示が頻繁に起きる
- 鍋の底がススで黒くなる
以上の不具合・不調が頻繁に出ているのなら、交換したほうがよいでしょう。完全に使えなくなる前に交換したほうが、日常生活に支障をきたしません。
2-2.ほかのコンロからの交換もできる?
IHやテーブルコンロからビルトインガスコンロへ交換は可能です。IHから交換する場合は、ガスの配管を設置しなければなりません。どうやってガスを引くのかが問題となるため、事前に業者との打ち合わせが重要です。また、ガス配管の工事費もかかるでしょう。
テーブルコンロからビルトインガスコンロへの交換の場合は、専用キャビネットの交換で可能です。リンナイなどメーカーから専用キャビネットが販売されており、2口ガステーブルから3口タイプのビルトインコンロに変更できます。ただし、キッチンの幅・奥行きに合わせて選ばなければなりません。
2-3.交換機腫の選び方
ビルトインガスコンロ選びで注目してほしいポイントが、大きさ・タイプ・価格・機能の4点です。
2-3-1.大きさ・タイプ
まずは、設置場所となるキッチンを確認してください。キッチンの幅・奥行きに合った大きさを選ぶことが大切です。同じ幅ならコンロを増やすのもよいでしょう。一般的な家庭なら、3つ口コンロで十分に料理ができます。
2-3-2.ビルトインコンロの天板
ビルトインコンロの天板に使われている材質はさまざまです。主な材質を以下にピックアップしてみました。
- ガラストップ:見た目が美しく、耐久性・耐熱性に優れている。お手入れが簡単
- ガラスコート:ガラスの光沢感が特徴。色のバリエーションが豊富で価格が安い
- ホーロー:耐久性に優れ、ガラス質のコーティングがされている
- フッ素コート:油をはじく特徴があり、お手入れが簡単
- ステンレス:頑丈で使いこむほど味が出る
- アルミトップ:熱が素早く分散する特徴があるため、汚れがつきにくい
2-3-3.価格・機能
ビルトインガスコンロの価格は、メーカー・サイズ・機能などによって異なります。たとえば、パロマのスタンダードタイプは4万円台ですが、リンナイ・ノーリツなどの最新機能つきのものであれば、7~10万円台になるでしょう。ノーリツの光と音で操作をガイドする「スタイリッシュブリンクアドバンス」は、なんと17万円台もします。どんな機能が欲しいのか、優先順位を明確にした上で価格をチェックするとよいでしょう。
3.ビルトインガスコンロの交換工事について
目的・用途に合ったビルトインガスコンロを交換するためには、業者選びが大切なポイントとなります。交換工事をスムーズにすすめるために必要な内容を、1つずつチェックしていきましょう。
3-1.工事までの流れ・日数
業者によって異なりますが、大まかな工事の流れを以下にピックアップしてみました。
- 電話またはホームページのフォームから無料見積もりを依頼する
- 商品と工事内容・見積もりに納得した上で契約を交わし、商品の発注と工事日を決める
- 予約日に工事開始→終了後、確認をして完了
ビルトインガスコンロの交換時間は、2時間程度で終わります。しかし、キッチンごと替える大がかりなリフォームの場合は、約2~3日かかる可能性があるので注意してください。また、IHからガスコンロに替える場合、ガス配管の設置で数日間かかることもあります。数日間、ガスが使えなくなるケースもあるため、事前に業者と相談してください。
3-2.費用について
ビルトインガスコンロの交換にかかる費用は、本体価格+設置・交換工事です。設置工事にかかる費用は、約3~5万円になるでしょう。本体価格が7万円なら、総額10万~13万円は考えたほうがよいかもしれませんね。具体的な費用に関しては、無料見積もりを依頼して確認しましょう。
3-3.どこに相談するか
ビルトインガスコンロなど、キッチン関連の交換・設置を行っている業者に依頼します。業者の中には、無料相談を受けつけているところもあるでしょう。できれば、ビルトインガスコンロの交換・設置工事に詳しい業者へ相談してください。実績のある業者ほど、的確なアドバイスをしてくれます。また、親身になって話を聞き、適切な対処法を提案してくれるはずです。
3-4.業者選びのポイント
たくさんの業者があると、どこに依頼したらよいのか悩むものです。そんなときは、業者選びのポイントを押さえると選びやすくなります。主に、押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 丁寧でスピーディーな対応をしてくれるか
- ビルトインガスコンロの交換・設置に詳しく、実績があるか
- 工事補償・アフターフォローが充実しているか
- ビルトインガスコンロの種類が豊富か
- 低価格かつ高品質な商品が購入でき、工事ができるか
- 口コミ・評判がよいか
4.ビルトインガスコンロの交換に関してよくある質問
ビルトインガスコンロの交換に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.リフォームする際の注意点とは?
A.リフォームでビルトインガスコンロのシステムキッチンを取り入れる場合は、ショールームで実物をきちんと確認したほうがよいでしょう。なぜなら、システムキッチンは商品によって選べるガスコンロが決まっているからです。特に、こだわりがある方は、システムキッチンを選ぶ前に、ビルトインガスコンロをチェックしておいたほうがよいでしょう。
Q.注目すべきビルトインガスコンロの機能とは?
A.グリル、コンロ・バーナー、安全機能の3点に注目してください。魚焼きグリルは、両面同時に焼ける両面焼きと片面焼きがあります。現在は、水を入れる必要がなく、お手入れが簡単な「水なしタイプ」が主流です。コンロ・バーナーに関してはお手入れのしやすさ、子どもや高齢者と一緒に生活している場合は安全面にも注目してほしいポイントとなります。
Q.ビルトインガスコンロのお手入れ法とは?
A.ビルトインガスコンロを長く使い続けるためには、日々のお手入れが必要となります。ガスコンロ掃除の基本は、使い終わった後はすぐに掃除をすることです。油汚れ・吹きこぼれなどは、すぐにふき取ることで頑固な汚れを未然に防ぐことができます。また、細かい部分は使い古した歯ブラシなどを、ガラストップには専用クリーナーを使用するとよいでしょう。
Q.交換か修理、判断ポイントとは?
A.故障内容と使用年数が判断基準となります。ビルトインコンロの平均寿命は約10~15年となるため、10年以上使い続けているのなら交換したほうがよいでしょう。修理を依頼しても部品がそろわなかったり、費用が高くなったりする可能性があります。また、故障内容によっては、交換よりも修理のほうが高額になるケースもあるでしょう。
Q.賃貸物件でも交換はできるのか?
A.交換はできますが、管理人・管理会社などに相談してください。もとからビルトインガスコンロが備えつけてある場合は、管理人・管理会社が交換してくれるでしょう。ただし、テーブルコンロからビルトインガスコンロに替える場合は、1度相談することをおすすめします。後々トラブルにならないためにも、事前の確認が必要ですね。
まとめ
いかがでしたか? ビルトインガスコンロは、システムキッチンに組み込まれているガスコンロのことです。キッチンの一部になっているため、見た目がスッキリとしており、テーブルガスコンロよりも安全・安心に使うことができます。ただし、ビルトインガスコンロにも寿命があり、10年経過したころから少しずつ不具合・不調が出始めるでしょう。「使いづらくなった」「不具合・不調が目立ち始めた」と感じる場合は、交換をおすすめします。また、目的・用途に適したビルトインガスコンロを選ぶためにも、価格・機能・サイズ・大きさなどを確認してください。専門業者と相談しながら決めると、選びやすくなるでしょう。