ガラスの地震対策はどうする? 必要な場所・方法・注意点を詳しく!
「ガラスの地震対策は、どんな方法で行えばいいのだろう」とお考えではありませんか? いざ地震が起きたときに、ガラスが割れるととても危険です。家族の身を守るためにも、まずは、いつ大きな地震が起きても安全を確保できるよう、どんな場所をどんな方法で対策するか知っておく必要があります。そこで今回は、ガラスの地震対策について詳しく解説しましょう。
この記事を読むことで、ガラスの地震対策が必要な場所や方法がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。
1.ガラスの地震対策の重要性
最初に、ガラスの地震対策がなぜ重要なのか見ていきましょう。
1-1.地震でガラスが割れると大きな被害につながる
地震でガラスが割れると、以下のような被害につながります。
- 破片を踏んだり落下してきたりしたガラスが当たってケガをする
- ガラスの飛散などで建物が通常使用できなくなる
- 屋内に不審者が侵入しやすくなる
1-2.震度5弱程度以上でガラスが割れる被害が出る
地震が起きると、震度5弱程度で窓ガラスに被害が出始めます。具体的には、以下を参考にしてください。
- 震度5弱:まれに窓ガラスが割れて落ちることがある
- 震度5強:窓ガラスが割れて落ちることがある
- 震度6弱:窓ガラスが破損して落下することがある
- 震度6強:窓ガラスが破損して落下する建物が多くなる
- 震度7:窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる
より詳しい内容は、気象庁の気象庁震度階級関連解説表ページを参考にしてください。
1-3.ガラスの地震対策は被害の拡大を防ぐ
ガラスの地震対策をすることは、被害の拡大を防ぐことにつながります。日本では、いつどこで震度5弱以上の地震が起きるか分かりません。しかし、万が一地震が起きても、対策をきちんとしておけば、ガラスの破損や飛び散りを最低限に抑えることができます。まずは、ガラスの地震対策を早急に進めましょう。
2.ガラスの地震対策が必要な場所は?
ラスの地震対策が必要な場所や、危険なガラスの種類などを解説します。
2-1.危険なガラスの場所は?
地震が起きた際、特に危険なガラスの場所としては、以下のようなところがあります。
- 採光などのためだけに設置されて開くことができない窓
- ショールームやビルのコーナーなどガラス同士を突き合わせた部分
- 木製もしくは鉄製のサッシで腐食が進んでいるもの
- 玄関の上部・天窓など高い位置にあるもの
- 腰壁が低い窓
- 戸や扉などにガラスを使用した食器棚
2-2.地震に弱いガラスの種類は?
以下のような状態のガラスは、地震が起きると特に危険です。速やかに交換してください。
- すでに小さな破損が見られる
- ガラスの厚さが3㎜未満
- 経年などにより劣化が進んでいる
2-3.地震に強いガラスの種類は?
以下のような種類は、一般的なガラスと比較すると地震に強いでしょう。
- 網入りガラス:内部に格子状の金属が入っており、割れても破片が飛び散りにくい
- 強化ガラス:ガラスの強度が高く、割れた際に粉々になるため破片によるケガの心配が少ない
- 合わせガラス:2枚以上のガラスを樹脂膜で貼り合わせたもので耐衝撃性に優れており、割れても破片が飛び散りにくい
3.ガラスの地震対策方法
ガラスの主な地震対策方法を詳しくご紹介します。
3-1.飛散防止フィルムを貼る
ガラスに飛散防止フィルムを貼ると、地震でガラスが割れても飛び散らずに済みます。ガラスを交換しなくてもいい・費用が安く済む・自分で貼ることができるなどの点がメリットです。ただし、フィルムの種類によっては、ガラス特有の透明感を損ねることがあるでしょう。また、高所にあるガラスは、業者に貼り付けを依頼する必要があります。
3-2.地震に強いガラスに交換する
地震に強いガラスに交換することも検討しましょう。特に、古い家で従来のフロートガラスなどを使用している場合、地震による振動や衝撃でガラスが割れる可能性が高くて危険です。地震に強いガラスに交換すれば、思わぬケガなどから家族を守ることができます。まずは、信頼できる業者に相談してみるといいでしょう。
3-3.窓にカーテンをかける
窓にカーテンをかけることも、ガラスの地震対策になります。万が一ガラスが割れても、カーテンが閉じていれば、破片が飛散するのを防ぐことができるからです。ただし、カーテンが開いていると意味がありません。カーテンを開ける必要がないときや寝るときなどは、カーテンを閉める習慣をつけておきましょう。カーテンを閉めると部屋が暗くて困るという場合は、レースのカーテンと通常のカーテンを二重にし、状況に応じて使い分けることをおすすめします。
3-4.非常用の靴を用意する
ガラスが割れたときを想定して、非常用の靴を用意しておきましょう。ガラスが割れると床に破片が飛び散り、足をケガする可能性があります。靴は足のサイズに合ったもので、底が丈夫なスニーカーがおすすめです。スリッパや底が浅い靴・サンダル・ミュールなどは向きません。いざというときにすぐ使えるよう、靴袋に入れてベッドサイドにかけておくなど、工夫してみてください。
3-5.逃げ道を確保する
地震でガラスが割れたときを想定して、逃げ道を確保しておくことも考えてください。同時に、逃げ道の付近にあるガラスは地震に強い種類に交換し、さらに飛散防止フィルムを貼ることがおすすめです。また、ベッドや布団はなるべく窓から離れた位置にすると、就寝時の地震でガラスが割れても安全を確保でき、逃げやすくなります。
4.ガラスの地震対策に関するよくある質問
最後に、ガラスの地震対策に関する質問に回答します。それぞれ確認しておきましょう。
Q.飛散防止フィルムを上手に貼るコツは?
A.以下の方法・手順を参考にしてください。
- ガラス面の汚れをキレイに掃除して水分を拭き取っておく
- 中性洗剤を水で20倍程度に薄めたものをスプレー容器に入れる
- 飛散防止フィルムの接着面とガラス面の両方にスプレーしながら貼る
- 貼り付けながらすき間やズレを直す
- 最後に、乾いたタオルなどで余分な空気を追い出すように中央から隅へ軽くこすって密着させる
Q.賃貸住宅でもガラスの地震対策を自分でやっていい?
A.まずは、貸し主に相談してください。貸し主が承諾した場合、自分で地震対策を進めることができます。ただし、費用は自己負担となるでしょう。なお、場合によっては貸し主負担でできることもあるので、相談してみてください。
Q.ガラスの地震対策で補助金をもらえると聞いたのですが?
A.はい。一部の自治体では、規定の内容でガラスの地震対策を行う場合、補助金を受け取ることができます。詳しくは、地方公共団体における住宅リフォームにかかわる支援制度検索サイト(平成30年度版)で検索してみてください。
Q.震度6の地震でもガラスが割れなかったら安心していい?
A.安心しすぎてはいけません。一見して特に問題ないように見えても、細かなダメージを受けていることがあります。
Q.万が一、地震でガラスが割れたら保険で修理できる?
A.火災保険や地震保険などに加入している場合、契約内容によっては保険で修理できることがあります。まずは、被害を受けた状況のままで保険会社の確認を受けましょう。保険会社が確認する前に自分で修理すると保険適用外となるので注意してください。
まとめ
今回は、ガラスの地震対策について詳しく解説しました。地震では、ガラスが割れることによる被害が心配です。特に、震度5弱以上の地震が起きると、建物に深刻なダメージを与えると共に、ガラスの破片によりケガをする可能性が高くなります。地震に弱いガラスを使用していたり構造上ガラスが割れやすかったりする場合は、飛散防止シートを貼る・地震に強いガラスに交換するなどの対策が必要です。いざというときでも慌てることがないよう、今から対策を進めてください。