風呂釜と給湯器の違いは? それぞれの特徴や給湯器のメリットを解説

「風呂釜を給湯器に変えたい」と思っている人はいませんか? 現在、浴槽にお湯を供給する機器は、給湯器が大半ですが築年数がたった家では、まだ風呂釜を使っているところもあります。その一方で、「給湯器と風呂釜の違いは何?」と思っている人もいるでしょう。

そこで今回は、風呂釜と給湯器の違いやそれぞれの特徴などを紹介します。

  1. 風呂釜と給湯器の違い
  2. 給湯器と風呂釜の比較
  3. 風呂釜と給湯器を交換する方法
  4. 風呂釜や給湯器に関するよくある質問

この記事を読めば、風呂釜から給湯器に交換する方法もよく分かるでしょう。風呂釜から給湯器への交換を考えている人は、ぜひ読んでみてください。

1.風呂釜と給湯器の違い

はじめに、風呂釜と給湯器のそれぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。

1-1.風呂釜は浴槽に溜めた水を沸かす機器

風呂釜は、浴槽にためた水をガスを使って沸かす専用の機器です。追い炊きも可能で、シャワーが使えるものもあります。設置費用が安く、何度も沸かし直しが利くので、費用をできるだけ抑えたい人におすすめです。また、点火に電気を使わないので、停電時でもお湯を沸かすことができます。

1-2.給湯器は水をお湯に沸かす機器

給湯器は、配管を通して内部に入った水に熱を加えてお湯に変える機器です。ガス・電気・灯油などさまざまな熱源があり、1台あれば浴室だけでなく、家中にお湯を給湯することができます。また、近年の給湯器はお湯の温度設定やお湯はりが自動でできるので、スイッチ一つで適温のお湯が溜められることもメリットです。一方、給湯器の種類によっては追い炊きができないものもあります。また、設置費用が風呂釜に比べて高額なのもデメリットです。さらに、ガス給湯器、石油給湯器でも点火に電気を使うので、停電になると使えません。

2.給湯器と風呂釜の比較

この項では、給湯器と風呂釜を比較し、主に給湯器の優れた点を紹介します。

2-1.給湯器は家中のお湯を賄える

風呂釜が浴槽内の水しか沸かせないのに対し、給湯器は家中のお湯を賄うことができます。1人暮らしで、お風呂以外はキッチンでお湯が使えればよい場合は、瞬間湯沸かし器と風呂釜を併用することもできますが、3人以上家族がいる場合や、洗面所などでもお湯が使いたい場合は、給湯器のほうが便利です。

2-2.給湯器の方が高機能

風呂釜でお湯を沸かしたい場合、まず浴槽に水を張ってから風呂釜を点火します。風呂釜は温度設定ができないものも多いので、時折様子を見なければなりません。一方、給湯器ならばスイッチ一つで適温・適量のお湯を張ることができます。

2-3.古い風呂釜は一酸化炭素中毒の危険性が高い

築50年以上の古い住宅には、自然排気式(CF式)風呂釜が備え付けてあるところがあります。CF式風呂釜を使用中に換気扇を回すと、一酸化炭素が逆流して中毒を起こす可能性があるため、現在新規取り付けはほぼ不可能です。また、CF式風呂釜を給湯器へ付け替える工事もすすめられています。

2-4.風呂釜があると浴槽が狭くなる

風呂釜は浴槽とくっついて取りつけられるので、どうしてもその分浴槽が狭くなります。ですから、給湯器と交換すれば、それだけ広い浴槽を置くことができるでしょう。

3.風呂釜と給湯器を交換する方法

この項では、風呂釜を給湯器に付け替える工事の流れや工事を行う業者について解説します。

3-1.風呂釜と給湯器の交換は浴槽ごと行うこともある

風呂釜と給湯器を交換する場合、風呂釜の撤去や給湯器の取りつけだけでなく、水を給湯器内に送り、浴槽に入れるための配管も必要です。ですから、浴槽が古い場合は浴槽ごとの交換をすすめられることもあります。工事自体は1日で終わり、費用は給湯器の値段と浴槽の値段に、工事費として4~6万円を足した金額が相場です。

3-2.必ず専門業者に依頼する

風呂釜の取り外しや給湯器の設置は、個人で行うのは難しいでしょう。また、ガス工事を間違えると一酸化炭素中毒の危険もあります。必ず住宅機器設備業者や、ガス会社の直営ショップなどに依頼しましょう。家で使っている都市ガスやプロパンガスの会社に依頼することもできます。

3-3.実績ある業者に依頼する

ガス給湯器を設置する会社はたくさんあり、値段の安さをウリにしているところも珍しくありません。値段で判断する人も多いですが、値段とともに実績や依頼者に対する態度も判断の決め手にしましょう。業者の候補が複数あって迷う場合は、見積もりを作ってもらい、比べてみてください。丁寧に作ってあり、依頼人の質問に誠実に答えてくれる業者がおすすめです。

4.風呂釜や給湯器に関するよくある質問

この項では、風呂釜や給湯器に関する質問を紹介します。

Q.瞬間湯沸かし器と給湯器は違うんですか?
A.はい。瞬間湯沸かし器で沸かせる湯量は給湯器よりはるかに少ないので、給湯器代わりに使うことはできません。

Q.賃貸物件で勝手に風呂釜を給湯器に交換してはダメですか?
A.はい、いけません。どうしても交換したい場合は大家さんや管理会社に相談して許可を取りましょう。

Q.風呂釜の熱源はガスしかないのですか?
A.灯油で沸かすタイプもありますが、寒冷地を除きあまり使われていません。

Q.給湯器の寿命はどのくらいですか?
A.8~13年と言われています。一方、風呂釜は作りが単純な分、15年程度問題なく使えるものが多いでしょう。

Q.風呂釜や給湯器の値段の相場はどのくらいですか?
A.風呂釜も給湯器も10万円台~が相場で、同じ湯量を沸かせるものなら風呂釜のほうがやや値段が安くなっています。

まとめ

今回は、風呂釜と給湯器のそれぞれの特徴や、風呂釜から給湯器へ交換する方法を紹介しました。現在の給湯器は高機能で便利、火災の危険も少ないので、高齢者だけが住んでいる住宅は、給湯器のほうが便利なことが多いでしょう。風呂釜が古くなり交換を検討している場合は、給湯器への交換も視野に入れてください。