シャワーの水圧が弱くなった! 原因・解消方法について

シャワーのちょうどよい水圧は、とても心地良く感じるものです。しかし、「水圧が弱くなったような気がする」「引っ越ししたらシャワーの水圧が弱くなった」など、悩んでいる方も多いでしょう。シャワーの水圧が弱くなる=故障と思いがちですが、自分で水圧を上げる方法もあります。どうしても自分でできない場合は、業者に依頼するのも方法の1つです。そんなトラブルに対して、本記事では、シャワーの水圧を上げる方法とポイントについて説明します。

  1. シャワーの水圧について
  2. シャワーの水圧の調整方法について
  3. 業者に依頼する場合
  4. シャワーの水圧に関してよくある質問

この記事を読むことで、弱くなったシャワーの水圧を上げる方法が分かります。気になっている方は、ぜひチェックしてください。

1.シャワーの水圧について

シャワーの水圧を上げる前に、弱くなる原因・メカニズム・耐用年数をチェックしておきましょう。基礎知識を身につけることで、シャワーの水圧を正しく上げることができます。

1-1.シャワーの水圧とは

水圧とは、水が物体や水自体におよぼす圧力のことを指しています。つまり、シャワーの水圧が強くなるほど、水が強く当たっていると感じるというわけです。水圧が弱いほど刺激が少なく、物足りなさを感じる方が多いでしょう。

1-2.シャワーの水圧が弱くなる原因について

「以前よりもシャワーの水圧が弱くなった」と感じる方は、何かしらの原因で弱くなっている可能性があります。ここでは、シャワーのメカニズムと主な原因を説明しましょう。

1-2-1.メカニズム

シャワーは、流水の量・温度を調節する弁機構部・自由に曲がるホース部・ヘッド部で成り立っています。蛇口をひねると、シャワーホースの中を通って水が出てくる仕組みです。シャワーの水圧が弱くなる=シャワー本体に問題があると思いがちですが、本体だけでなく、水が出る元栓・お湯を沸かす給湯器なども関係しています。

1-2-2.主な原因

シャワーの水圧が弱くなる主な原因は、3つあります。

1-2-2-1.シャワーヘッドの目詰まりとホースの劣化

1つ目は、シャワーヘッドの目詰まりとホースの劣化です。家中の水道にまったく異常がないのに、シャワーだけ水圧が弱くなっている場合は、シャワーヘッドのつまりとホースの劣化が考えられます。特に、ホースが二重になっているタイプは、内側だけがやぶれている可能性があるので要注意です。

1-2-2-2.給湯器の容量不足

2つ目は、給湯器の容量不足となります。お湯にした途端に水圧が弱くなる場合は、給湯器の号数(給湯能力)がお湯の量と合っていない可能性があるのです。給湯器の号数は、25℃のお湯を1分間に出せる量で表しています。お皿洗いとシャワーを同時に使う際、水圧が弱くなる場合は給湯器の号数を見直したほうがよいでしょう。

1-2-2-3.止水栓の状態

そして、3つ目は、止水栓(しすいせん)の状態です。止水栓とは、水栓器具付近につけられているもので、水圧をコントロールしています。中途半端に閉じている状態だと、水圧が弱くなることもあるのです。止水栓の場所を確認した上で、全開になっているかどうかチェックしてください。

1-3.シャワーの耐用年数について

シャワーの耐用年数はハッキリとしていませんが、約15年といわれています。ただし、中には15年以上使用している方もいれば、10年以内で使えなくなったという方もいるのです。日々の使い方や頻度などによって、寿命が異なるでしょう。

2.シャワーの水圧の調整方法について

弱くなったシャワーの水圧を、自分で調整する方法があります。早速、水圧の調整方法についてチェックしていきましょう。

2-1.まずすること

シャワーの水圧を調節する前に、確認してほしいことが2点あります。

2-1-1.家全体の水圧を確認する

まずは、家全体の水圧を確認してください。家全体の水圧が弱い場合は、シャワーヘッド・ホースではなく、水道管に異変がある可能性があります。一般的に、水道管から家に水を引き込んでいるため、外からくる水圧が弱い証拠でしょう。しかし、シャワーの水圧だけ弱いのなら、シャワーヘッドのつまりやホースの劣化が関係しています。家全体の水圧を確認することで、大まかな原因が分かり、適切な対処ができるでしょう。

2-1-2.止水栓・元栓を確認する

前述したように、家全体の水圧と同時に、止水栓と元栓を確認してください。止水栓と元栓が中途半端に開いていることで、全体の水圧が弱くなっているケースがあります。水道管から家に水を引きこんでいますが、止水栓・元栓が中途半端にあいていれば、引きこむ力が弱まるのです。止水栓・元栓をきちんとあけることで、シャワーの水圧が戻ることもありますよ。

2-2.調整方法について

それでは、具体的な調整方法を紹介します。

2-2-1.低水圧用のヘッドへ交換する

自分でできる簡単な方法は、低水圧用のシャワーヘッドに交換することです。止水栓・元栓がきちんとあいているのにシャワーの水圧が弱い場合は、低水圧用のシャワーヘッドへの交換をおすすめします。低水圧用のシャワーヘッドは、通常80~100個の穴数を60~70個に設計して吐水量を減らし、水を勢いをつけることが可能です。ただし、低水圧用のシャワーヘッドを使うと穴数が減るので、一度に出るお湯の量が少なくなるのがデメリットとなります。

2-2-2.給湯器を交換する

「2か所同時にお湯を使用しても、水圧が変わらないようにしたい」と思っている方は、給湯器の交換をおすすめします。特に、子どもが生まれたり、両親と暮らしたりなど家族が増えたときはお湯を使う機会も多くなるでしょう。一度に使えるお湯の量が安定していれば、生活も快適になります。給湯器を交換する場合は、現在の号数よりも大きめのものを選びましょう。

2-3.原因が分からない場合

「低水圧用のシャワーヘッドに交換しても水圧が戻らない」「原因が分からない」場合は、専門業者に相談したほうがよいでしょう。自分で水圧を調整する方法には限界があります。無理に調整してしまえば、逆にシャワーが使えなくなるおそれもあるので注意してください。原因が分からないときは、その道のプロに検査を依頼したほうが安心です。

2-4.注意点

止水栓がきちんと開いているか確認するだけでなく、底に汚れやゴミがついていないかどうかも確認してください。止水栓の底がゴミで汚れていると、目詰まりして水圧が弱くなる可能性があります。使い古した歯ブラシなどで汚れを取りのぞき、キレイにしてくださいね。
また、中途半端に閉まっている場合は、手ではなくマイナスドライバーを使ってあけましょう。無理に手であけると、ケガをするおそれもあるので要注意です。

3.業者に依頼する場合

自分でシャワーの水圧を強くできないときは、プロの業者に依頼してください。ここでは、業者に依頼する際のポイントを紹介します。

3-1.依頼したほうがよいケース

「自分でできる方法を試したけど、一向にシャワーの水圧が戻らない」という方は、業者への依頼をおすすめします。家全体の水圧に問題がある場合は、水道の大元に異変が起きている可能性もあるでしょう。また、給湯器の交換を考えている方も、業者へ依頼してください。中には、自分で取りつける方もいますが、配管の問題もあるのでプロに依頼したほうが安心です。

3-2.業者による解消方法

まずは、現地調査を行います。止水栓・元栓の確認、水道メーターのチェック、シャワーヘッドの状態など、細かい点をチェックし原因を突き止めなければなりません。原因が判明した上で、必要な箇所の修理や交換を行うことになります。業者は、素人が分からないところまでチェックしてくれるため、原因が明確になるでしょう。原因が分かれば、適切な対処法も分かります。

3-3.給湯器の選び方

給湯器には、ガス・石油・電気とさまざまな熱源があります。どの熱源を使用するのか、また、家族人数に合った号数(給湯能力)を選ばなければなりません。以下に、熱源による違いと、家族人数に合わせた号数をピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。

<熱源による違い>

  • ガス:ガスを燃焼させることで水を温めてお湯にする。光熱費がかかるという点がデメリット
  • 石油:石油バーナーを使ってお湯を沸かす給湯器。経済的だが、石油の価格によって変動する
  • 電気:安全性が非常に高く、深夜電力を使うので経済的

<家族人数・号数>

  • 16号:1~3人家族向け。使えるお湯がほぼ1か所に限られる
  • 20号:2~4人家族向け。水温が低すぎる真冬をのぞき、2か所で同時にお湯が使える
  • 24号:4人以上の家族向け。冬の時期も含め、1年中シャワーとお湯が同時に使える
  • 28号:大家族、または業務向け。3か所でお湯が同時に使える

3-4.注意点

業者の中には、不正を働くところがあります。「見積書とは異なる料金を請求された」「設置後、すぐに不具合が起きた」など、業者との間でトラブルが起きているのです。トラブルを未然に防ぐためには、業者選びのポイントを押さえておかなければなりません。注目したいポイントは、以下の通りです。

  • 丁寧でスピーディーな対応
  • 豊富な種類の給湯器がそろっている
  • 給湯器の交換・設置工事の実績がある
  • 無料見積もり・無料相談を行っている
  • 低価格で交換・設置工事が依頼できる

4.シャワーの水圧に関してよくある質問

シャワーの水圧に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.賃貸物件でも、シャワーヘッドの交換はできるのか?
A.賃貸物件の場合は、最初に、管理会社・大家さんに連絡しなければなりません。勝手に交換してしまうと、後でトラブルになる可能性があります。故意的に壊したものでなければ、無償で交換してもらえるでしょう。また、給湯器の交換をする場合も、きちんと連絡してから工事を行ってください。

Q.シャワーヘッドの汚れを落とす方法とは?
A.シャワーヘッドについている汚れは、水道水に含まれるカルシウムが原因です。穴の部分に汚れがついていたり、つまっていたりしているのなら、酸を使って落としましょう。たとえば、クエン酸・お酢が効果的です。定期的に、シャワーヘッドの掃除を行うことも、水圧を維持するポイントとなります。

Q.給湯器を修理するか、買い替えかで悩むときの判断基準とは?
A.業者に検査してもらい、修理の見積もりを確認しましょう。故障内容によっては、買い替えよりも修理にお金がかかる可能性があります。また、給湯器の平均寿命は約10~15年といわれているため、10年以上使い続けている場合は買い替えたほうがよいでしょう。修理をしても、再び壊れる可能性があります。

Q.エコキュートにしたら水圧が弱くなるのは本当か?
A.エコ給湯器の1つであるエコキュートは、ヒートポンプを使用した電気給湯器です。省エネルギーでお湯を沸かすことができると注目が集まっています。しかし、減圧弁を利用してお湯を沸かすため、どうしてもお湯の出る勢いが弱くなることもあるのです。低水圧用のシャワーヘッドに交換しても水圧が弱い場合は、エコキュートの温度を上げてみてください。

Q.給湯器の交換・設置工事にかかる費用とは?
A.給湯器の交換・設置工事にかかる費用は、本体価格と業者ごとの工事費を合わせた金額となります。給湯器の種類によって本体価格は異なるため、機能や号数を踏まえながら確認しましょう。また、設置工事は約3~4万円のところがほとんどです。依頼前に、見積もりをきちんと確認してくださいね。

まとめ

いかがでしたか? シャワーの水圧が弱くなる原因は、シャワーヘッドの目詰まりとホースの劣化・給湯器の容量不足・止水栓の状態などがあります。まずは、元栓・止水栓がきちんとあいているか、家全体の水圧に変化が起きていないか確認してください。元栓・止水栓が中途半端にあいているだけで、シャワーの水圧が弱まることがあります。また、家全体の水圧に変化が起きている場合は、水を引きこむ大元に原因があるでしょう。シャワーの水圧だけ問題があるのなら、ヘッドを交換したり、号数の大きい給湯器に買い替えたりする方法で解決できます。最初に、なぜシャワーの水圧が弱まっているのか原因を突き止めなければなりません。どうしても原因が分からない場合は、プロの業者に検査を依頼しましょう。