スレート屋根の特徴が知りたい! メリット&デメリットや施工方法も!

屋根材として最も使われているのはスレート屋根は、屋根材の中でも人気のある種類です。けれども、屋根材としてどのようなメリットがあるのか、メンテナンスの頻度はどのくらいなのか……押さえるべきポイントがたくさんあります。スレート屋根の特徴をきちんと理解することで、上手に活用することができるでしょう。

そこで、本記事では、スレート屋根の特徴や施工方法などについて解説します。

  1. スレート屋根の特徴と種類を知ろう!
  2. スレート屋根のメリット&デメリットは?
  3. スレート屋根の施工方法とメンテナンス法
  4. スレート屋根の施工業者選びは?
  5. スレート屋根に関してよくある質問

この記事を読むことで、スレート屋根のメリット・デメリットや施工のポイントなどについて分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.スレート屋根の特徴と種類を知ろう!

まずは、スレート屋根の特徴をチェックしておきましょう。

1-1.コロニアルやカラーベストを採用した屋根

スレートは、コロニアルやカラーベストなどを採用した屋根のことを指します。正式名称を化粧スレートと言い、粘板岩(ねんばんがん)を使用した板状の屋根材です。屋根材にはたくさんの種類がありますが、シンプルな見た目とカラーバリエーションの豊富さ、そして軽量&安価な点が人気の秘密であり、多くの住宅でスレート屋根が採用されています。また、デザイン性や耐震性にも優れているため、最近、最も注目が集まっている屋根材の1つです。

1-2.主な種類は天然スレートと化粧スレート

スレート屋根と言えば、化粧スレートが思い浮かんできますが、天然スレートという種類もあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 化粧スレート:セメントに繊維状の素材を混ぜ、薄い板状に加工したもの。品質が安定していて費用も抑えることができる
  • 天然スレート:天然の粘板岩を板状に薄くし加工したもの。自然な風合いが特徴で高級感がある

さらに、化粧スレートは繊維の種類によって、石綿(アスベスト)と無石綿(ノンアスベスト)の2種類に分けることができます。石綿はセメントに石綿を混ぜたもので、無石綿は現在の主流になっている石綿以外の繊維とセメントを混ぜたスレートです。

1-3.スレート屋根の平均寿命は10~20年

屋根材によって耐用年数が異なりますが、スレート屋根は約10~20年が平均寿命と言われています。一般的に、新築または前回のメンテナンスから10年を目安に定期的な塗り替えが必要です。塗り替えによって寿命を延ばすことができます。また、化粧スレートはセメントが主成分となるため、防水性が塗装によって保たれている状態です。塗装が剝がれると防水性が失われ、雨漏りしやすくなるので注意してください。

2.スレート屋根のメリット&デメリットは?

スレート屋根のメリットとデメリットはどのような点にあるのでしょうか。詳しく解説します。

2-1.メリット1:価格が安く建物への負担が少ない

スレート屋根の大きなメリットは、価格が安く、軽量で建物への負担が少ないことです。ほかの屋根材と比較しても㎡あたり5,000~7,000円と最も価格が安い特徴があります。ちなみに、セメント瓦とガルバリウム鋼板は㎡あたり6,000~8,000円です。また、化粧スレートは㎡あたり20kgと一般的な陶器瓦の1/2の重量となります。そのため、建物への負担が少なく、耐震性が向上するメリットがあるのです。

2-2.メリット2:施工しやすくシンプルかつデザイン性に優れている

化粧スレートは施工しやすい特徴があり、複雑な屋根の形状にも対応できます。さらに、施工できる業者も多いため、ほかの屋根材よりも安心して使用できるでしょう。また、表面に塗装を施す形となるのでカラーバリエーションが豊富・シンプルかつデザイン性に優れている点もメリットの1つです。屋根材の中でも自由なデザインとカラーを選ぶことができます。

2-3.デメリット1:色あせが目立ち割れやすい

スレート屋根のグレードにもよりますが、ほかの屋根材よりも色あせが目立ちやすいデメリットがあります。一般的な化粧スレートは約10年で表面の塗膜が剝がれ始めるので、定期的な塗り替えが必要です。また、通常の瓦よりも薄い形状となるため、強度が低く割れやすいというデメリットもあります。硬いものがあたるとヒビが入ったり、割れたりすることもあるので屋根板金の不具合から屋根材の劣化が進むケースもあるのです。

2-4.デメリット2:こけ・カビ・結露が発生しやすい

こけやカビ・結露が発生しやすいというデメリットもあります。ほかの屋根材よりも化粧スレートはこけやカビが発生しやすい屋根材です。雨などの水分を吸収しているため、放置しておくと下地材や屋根裏まで影響を及ぼし、建物の劣化を早めてしまうことになるでしょう。通気性が悪い特徴があるため、結露が発生しやすい傾向もあります。屋根材で最も耐久性が高いのは約50~100年長持ちする日本瓦です。けれども、化粧スレートは20~30年となり、耐朽性を向上させるためには10年ごとのメンテナンスが必要となります。

3.スレート屋根の施工方法とメンテナンス法

では、スレート屋根の施工方法はどのような方法があるのでしょうか。メンテナンス法についても解説します。

3-1.塗り替え工事

既存のスレート屋根の上から新しい塗料を塗る工事として、塗り替え工事があります。塗膜が剝がれた理、10年に1度のメンテナンスを行ったりする際に適した方法と言えるでしょう。悪くなった見た目を新しくできる方法で、約25~40万円と費用を最小限に抑えることができます。ただし、劣化が激しい化粧スレートには塗装できないので注意が必要です。

3-2.割れ補修工事

塗装によるヒビ割れが起きていたり、屋根材の劣化が進んでいたりする際に行うのが割れ補修工事です。屋根材のヒビ割れを放置すると、そこから雨水が入り込み雨漏りが起きる可能性があるので早めに対処しなければなりません。たった1枚での割れ目でも早めに対処すれば、1枚約5万円で抑えることができるでしょう。

3-3.カバー工法

カバー工法は、既存のスレートの上に新しい屋根材をかぶせる工事です。塗装が剝がれている範囲が広く塗り替えでは対応しきれないケースに用いられる方法となります。既存の屋根材を撤去する方法はかかりませんが、後の葺(ふ)き替えや解体時の費用がかかる可能性があるのです。また、既存の屋根がでこぼこになっていたり、波型になっていたりする場合は、工事ができないことがあります。

3-4.棟板金の交換工事

約10~15年に1度行うべきと言われているのが、棟板金の交換工事です。気温変化による屋根伸縮によってクギがゆるみ、棟板金が浮いたり外れたりしたケースに行います。一般的に、屋根塗装のタイミングで棟板金も交換するケースがほとんどです。

3-5.葺き替え工事

スレート屋根の劣化がかなり進行している場合に行うのが葺き替え工事です。これは、既存のスレート屋根をすべて撤去し、新しい屋根材をかぶせる方法となります。リフォーム工事の中でも費用が高くなりますが、屋根を美しく丈夫に保つためには必要です。ただし、スレート屋根から瓦屋根に変更する場合は、屋根自体の重量が重くなるので耐震性が低下するケースがあります。その際は、業者としっかりと話し合い工事方法を決める必要があるでしょう。

4.スレート屋根の施工業者選びは?

理想の屋根に仕上げるためには、施工業者選びが大きなポイントとなります。業者選びで押さえて起きたいポイントをチェックしておきましょう。

4-1.悪徳業者と優良業者を見極めるコツ

屋根のリフォーム工事を行っている業者の中には、工事後に追加費用を請求したり施工不良を起こしたりする悪徳業者が存在します。悪徳業者と優良業者を見極めるために、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。

  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 屋根材や施工方法に詳しく、実績があるか
  • ホームページ等に施工事例が記載されているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • 口コミや評判がいいか
  • 保証やアフターサービスが充実しているか
  • 無料相談や無料見積もりを受けつけているか

上記の中でも特に注目してほしいのは、保証とアフターサービスの有無です。優良業者の多くは、工事終了後のトラブルでも無償で対応する保証を整えています。悪徳業者はそのようなサービスがなく、追加料金を請求する傾向があるので注意が必要です。

4-2.屋根の事前調査を行っているか

業者選びの際に、工事前の事前調査を行っているかも注目ポイントの1つです。実際に工事を行う前に屋根がどのような状態になっているのかきちんと調べなければ、適切な施工ができません。下地が傷んでいるのにもかかわらず、そのまま塗装作業に入ってしまうとすぐに雨漏りが発生したり、ヒビが割れたりしてしまいます。適切な施工を行うためには、事前調査をしっかり行っている業者を選ぶことが大切です。

4-3.追加費用の有無を確認しよう

よくあるトラブルの中に、「こんなに追加費用がかかるとは思っていなかった」というケースがあります。これは、事前に業者との確認ができていなかったことが大きな原因です。追加費用が発生するケースや、いくらぐらいかかるのかなど事前に確認してください。具体的に説明してくれない業者は安心できないので依頼しないようにしましょう。

5.スレート屋根に関してよくある質問

スレート屋根に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.スレート屋根の劣化症状は?
A.以下の症状が見られたときは、スレート屋根が劣化状態にあると判断できます。ぜひ参考にしてください。

  • 色あせが起きている
  • カビや藻が発生している
  • 屋根にヒビ割れが発生している
  • スレートの欠けが起きている
  • 反りや浮きが目立ち始めている
  • 棟板金が浮いている・クギが抜けている

屋根の診断は業者に依頼するのが的確ですが、自分で確かめることもできます。地上から屋根を見上げて見たり、近くにお住まいの屋根から高い場所があればそこから観察したりするといいでしょう。屋根に上がるのは危険なので、無理のない範囲でチェックしてください。

Q.スレート屋根の劣化を放置するとどうなるの?
A.スレート屋根が雨水を吸い込み、建物内部へ浸入します。その結果、水の通り道ができてしまい、雨が降るたびに雨漏りが発生することになるでしょう。特に、木造の建築物は木材が雨水を吸い込んで湿気も多くなり、腐敗が進行します。湿気を含んだ木材はシロアリ被害に遭いやすくなるので注意が必要です。

Q.塗装メンテナンスをするメリットは?
A.塗装を行うことで塗膜による防水性を高めることができます。雨水の浸入を未然に防ぐことができるため、木材の腐敗や雨漏りの対策につながるのです。また、スレート屋根を長持ちさせるためにも、塗装メンテナンスが必要不可欠となります。ただし、塗装に使用する塗料には寿命があるため、定期的にメンテナンス費用がかかることになるでしょう。

Q.セメント系スレートの特徴は?
A.セメントを主材料としたスレート屋根で、無石綿スレートよりも多くの割合がセメントとなっています。カラーベストやコロニアルはセメント系スレートの一種で、より強度を高めることが可能です。また、安価かつ短期間で工事できるメリットもあります。

Q.縁切り作業とは?
A.スレート屋根に限らず、屋根のメンテナンスや塗装を行う場合、下地をきちんと整えてから塗料を塗る必要があります。縁切りはすき間に埋まった塗料を落とす作業であり、屋根の防水性を保つための重要な作業の1つです。スレートは1枚ずつ張りつけるものなので、雨水が建物内に浸入しないよう縁切り作業を必ず行わなければなりません。

まとめ

スレート屋根はほかの屋根材よりも安価で、最も使用されています。シンプルな見た目と豊富なカラーバリエーションが特徴でもあり、選ばれることが多いのです。ただし、色あせが目立ち割れやすく、カビが発生しやすいというデメリットもあります。これらのデメリットを踏まえた上で使うことはもちろん、メリット要素を最大限に生かすためには、施工業者選びが大切です。できるだけ、スレート屋根の施工実績があるところを選びましょう。そして、定期的にメンテナンスをすることで寿命も長く延びるようになります。