灯油ボイラー石油給湯器の交換は? 工事費用や業者選びのポイント
お湯を快適に使うため必ず必要になるのが給湯器(ボイラー)です。寒冷地では灯油を使ってお湯をわかす灯油ボイラーが便利でしょう。しかし、給湯器の調子が悪い・オイルもれなど、交換工事を検討したほうがよい場合があります。
そこで今回は、灯油ボイラーの特徴や、交換費用・工事のポイントなどについてご説明しましょう。
交換工事業者を選ぶ際のポイントなども説明します。灯油ボイラー・石油給湯器の交換を検討している方、交換費用が気になる方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。
1.灯油ボイラーの特徴
まずは、灯油ボイラーの特徴やメリット・デメリットなどをご説明します。
1-1.寒冷地で役立つ灯油ボイラー
灯油ボイラーとは、石油給湯器ともいい、水を温めてお湯をつくるための機器(=給湯器)のことを示します。給湯器は、熱源として電気やガスを使うのが一般的ですが、これに灯油・石油を使うのが灯油ボイラーです。
1-2.灯油ボイラーはランニングコストが安い
灯油ボイラーは、電気やガスで発熱するよりも費用が安めになります。熱量・給湯量に対して費用が安いため、寒冷地などお湯をたくさん使う地域で愛用されているのです。
1-3.不完全燃焼などのリスクが少ない
ガス給湯器では、不完全燃焼による一酸化中毒の危険性もありますが、灯油ボイラーならその心配がありません。ただし、灯油ボイラーでも換気や排気は必要です。また、灯油もれには注意する必要があります。
1-4.灯油ボイラーは寿命が長い
灯油ボイラーの寿命は約10年と、ガスや電気給湯器よりも3年程度寿命が長くなっています。また、前述のとおりランニングコストが安いため、灯油ボイラーが故障した際に、次も灯油ボイラーに交換する方も少なくありません。
1-5.設置スペースや灯油の補給が必要
灯油ボイラーでは、灯油を入れるタンクも置かなければならないので、ガスや電気よりも多く設置スペースが必要です。また、定期的に灯油を補給する必要があります。
1-6.灯油の価格に影響を受ける
灯油価格の変動にも気をつける必要があります。灯油が急激に値上がりした際や災害時など、灯油が手に入らないときはお湯がわかせなくなってしまうので注意しましょう。
2.灯油ボイラーの交換パターン
次に、灯油ボイラーを交換する時期やケースについてご説明します。
2-1.灯油ボイラーの交換のサイン
こんな場合は寿命や故障の可能性があります。交換を検討しましょう。
- 購入後10年くらいたっている
- お湯の温度が安定しない
- 頻繁にエラーコードが出る
- オイルもれ・異音がある
2-2.直圧式と貯湯式を交換する
灯油ボイラーには直圧式と貯湯式の二つの種類があります。家庭環境やお湯の使い方によっては、ボイラーを交換したほうがお得になることもあるでしょう。基本的には貯湯式よりも直圧式のほうが高性能です。これからボイラーを交換するなら直圧式のほうがよいでしょう。
【直圧式】
- 水圧がある
- 湯切れの心配がない
- 1℃ずつ温度を細かく調整できる
【貯湯式】
- 単純なつくりのため壊れにくい
- 貯湯式は丈夫なステンレス製のため(直圧式は銅)、不純物のある井戸水・地下水を使う場合は貯湯式のほうがおすすめ
2-3.都市ガスが使える地域ならガス給湯器のほうがお得になる場合も
灯油ボイラーはランニングコストが安いため、ガス給湯器・電気給湯器よりも光熱費が安くなる場合がほとんどです。ただし、都市ガスを使える地域ではガスのほうが安くなる可能性もあります。都市ガスの使える地域に引っ越す際は、灯油の補給や設置場所などとあわせて判断するとよいでしょう。
3.灯油ボイラーの交換工事費用と業者選び
次に、灯油ボイラーを交換する際の具体的な工事内容や業者選びのポイントなどをご説明します。
3-1.灯油ボイラーの交換工事は13万~20万円
灯油ボイラーの本体は10万~15万円で購入することができます。工事費は3万~5万円となることが多いでしょう。この価格帯であれば、工事費の内訳に、機器交換費用・古い給湯器の処分費用・出張費用・駐車料金・運搬費用・商品保証や工事保証などが含まれています。あまりに安すぎる場合は、いずれか(保証など)が含まれていない場合もあるので、よく確認しましょう。
3-2.灯油ボイラー交換業者選びは無料点検やアフターフォローが重要
灯油ボイラーの工事業者を選ぶ際は、以下のポイントを押さえましょう。
- 無料相談・点検・見積もりができる
- 料金がわかりやすい
- アフターフォロー(工事保証など)がしっかりしている
- 給水・ガス設備など営業資格を受けている
- 店舗が近所にある(急な故障時・点検時に便利)
4.灯油ボイラーについてよくある質問
灯油ボイラーについてよくある質問にお答えします。
Q.灯油ボイラーの給湯能力・性能を知るには?
A.灯油ボイラーの給湯能力は、号数ではなく「kW(キロワット)」「kcal(キロカロリー)/h」で示されます。一般的には3万キロ(20号より少し多いくらい)4万キロ(24号相当以上)のいずれかを選ぶことがほとんどです。1~2人暮らしなら3万キロで十分ですが、3人以上のご家庭では4万キロを選んだほうがよいでしょう。
Q.どの灯油ボイラーを選んだらいいの?
A.工事業者や給湯器メーカーに相談するのがおすすめですが、自分でも型番からある程度めどをつけることが可能です。多くのメーカーでは、前述のキロカロリー数を型番につけています。
- 【ノーリツ】
- OQB-4704Y……4万キロ
- OQB-3704Y……3万キロ
- 【CHOFU】
- KIBF-4765DSX……4万キロ
- KIBF-3964D……3万キロ
- 【コロナ】
- UKB-SA470AMX……4万キロ
- UKB-SA380AMX……3万キロ
知っていると便利なので覚えておきましょう。
Q.灯油はどのくらい貯蔵できる?
A.消防法により200リットル未満と決められています。
Q.灯油ボイラーの年間コストはどのくらいですか?
A.使用状況にもよりますが、4人家族の場合灯油ボイラーの年間利用コストは平均5.1万程度となっています。電気給湯器の場合、年間10万円程度かかるため、約半分のコストで使うことが可能です。
Q.おすすめの灯油ボイラーは?
A.最近ではエコフィールをおすすめされることが多いでしょう。瞬間的にお湯をわかせる直圧式の給湯器となっており、排熱を再利用してお湯を温めるのが特徴です。このため熱効率が83%→95%とアップし、環境にやさしいボイラーとなっています。ほかにも、使用する灯油の量を押さえられる・排出CO2の削減・においや音の減少など、高性能なボイラーといえるでしょう。
まとめ
灯油ボイラーの特徴や交換のポイントなどをご紹介しました。使用している給湯器の調子が悪い場合や、家族が増えて給湯器を交換したい方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。お湯を快適に使うためにもよりよい給湯器を選びましょう。