床暖房の必要性は?新築を建てる前に知っておきたいメリット3つ

床暖房の必要性とは?新築を建てる前に知っておきたいメリット3つ

新築を建てる際、床暖房の必要性について悩む人は多いでしょう。
確かに、床暖房のある家は「暖かくて住み心地がよい」というイメージがあります。
寒い冬も快適に過ごすことができるでしょう。
しかし、もちろん高額な費用が必要になります。
「実際に暮らしてみたら床暖房は不要だった」と後悔している人もいるのではないでしょうか。
マイホームの購入を検討している人のために、床暖房の必要性や種類、おすすめしたい家庭の特徴などをまとめてみました。

  1. 床暖房の必要性
  2. 床暖房の種類と特徴
  3. おすすめなのはこんな家庭
  4. 注意点

家作りに失敗しないために、じっくり検討してみてください。

1.床暖房の必要性

床暖房の必要性

床暖房は本当に必要なものなのでしょうか。
その必要性について考える人は多いと思います。
床暖房のメリットを知り、あなたの生活にどのような影響を与えるものなのか、よく考えてみてください。

1-1.エアコンやストーブと比較にならない快適さがある

冷たさを感じるのは体の末端です。
足元が冷えると体全体が寒く感じますよね。
エアコンやストーブで部屋を暖めた場合、暖かい空気は上へ逃げてしまうでしょう。
そのため、足元から温めるのは非常に難しいのです。
床暖房は、足元の床全体を温めてくれます。
快適さで言うと暖房設備の中で一番ではないでしょうか。
寒冷地にお住まいの方、足元の冷えが気になる方にとっては、優れた対策になるはずです。

1-2.場所を取らず、空気が汚れない

床暖房の場合は、ストーブやエアコンのように、設置場所を考える必要がありません。
床下の温水パネルや電気パネルが温まる仕組みになっているのです。
「部屋が狭い」「ストーブの設置に適した場所がない」という人には大変おすすめでしょう。
また、ほかの暖房器具は、暖めた空気をファンで吹き出す構造になっています。
室内のほこりが舞ってしまうことも問題の1つなのです。
しかし、床暖房ならそのような心配もありません。
ハウスダストアレルギーの人や赤ちゃんがいる場合も、安心して快適な暮らしを送ることができるでしょう。

1-3.「乾燥しにくい」「耐用年数が長い」というメリットも

床暖房はほかの暖房器具と違い、部屋の空気が乾燥しにくいのが特徴です。
床下から部屋を暖める床暖房は、部屋の中が乾燥しにくいだけでなく、床下の湿気対策にもなるでしょう。
また、耐用年数が長いのも大きなメリットです。
暖房器具の寿命は、電気製品なら約10年、ガス器具だと10~15年と言われています。
その点、床暖房は耐用年数が長く、約30年は使い続けることができるでしょう。

2.床暖房の種類と特徴

床暖房の種類と特徴

床暖房には大きく分けて「温水式」と「電気式」の2種類があります。
床暖房を導入する際、どちらにするか迷う人は多いでしょう。
それぞれの特徴やメリットをご紹介します。

2-1.温水式床暖房

ボイラーなどの熱源で水を温めて温水を作り、床下に設置したパイプに流して循環する仕組みです。
一般的に電気式と比べ、立ち上がりが早いのが特徴。
素早く適温になるため、かかるランニングコストも安く抑えることができます。
また、熱を伝える均熱版を床面全体に貼り付けているため、ムラなく均一に温めることができるでしょう。
どこにいても快適な温かさを感じることができます。
ほかの暖房器具と併用しなくても快適に過ごすことができるため、空気の乾燥が気になることもないでしょう。
ただし、配管施工や熱源機の設置など、施工に手間がかかるというデメリットがあります。
屋外に熱源機を設置するためのスペースも必要です。

2-2.電気式床暖房

電気式には「蓄熱式」と「非蓄熱式」があります。
蓄熱式は、潜熱蓄熱材や床のコンクリートに直接熱を蓄える方式。
夜間に電気を使って熱を蓄え、昼間に放熱します。
一方の非蓄熱式は、使用する時に通電するシステムです。
電熱線などのヒーターを用いた「電熱線式」と、カーボン素子を利用した「面状発熱体式」があります。
温水式と比べて立ち上がりの時間が比較的遅く、適温になるまで時間がかかるでしょう。
また、床面温度にもムラが生じやすくなります。
しかし、温水式に比べて工事は簡単です。
基本的には、建物と同等の耐久性を持っていると考えてよいでしょう。

2-3.コストで比較するとどっちがお得?

床暖房の設置費用は、一部屋なら電気式の方が安価です。
しかし、部屋数が多く面積が広い場合は、温水式床暖房の方が割安になります。
初期費用とランニングコストの合計費用は、利用開始から10年以上たつと温水式の方が安くなるのです。
長期間の利用を考えているなら、耐久性の高い温水式がおすすめ。
床暖房を設置する部屋数や広さ、利用年数で検討するとよいでしょう。

3.おすすめなのはこんな家庭

おすすめなのはこんな家庭

温水式と電気式の違いについてお分かりいただけたと思います。
では、それぞれの床暖房をおすすめしたい家庭の特徴をまとめてみましょう。

3-1.在宅時間が長い家庭には「温水式」がおすすめ

温水式床暖房は床をスピーディーに加温することが可能です。
そのため、在宅時間が長い家庭に大変おすすめでしょう。
また、リビングなどの広い部屋、家全体を温める場合にふさわしいと言えます。
子育て中の専業主婦など、日中家にいる時間が長い場合は、温水式床暖房を選ぶとよいでしょう。
さらに、電気式床暖房だと、高温になった部分で低温やけどをしてしまう危険性があります。
小さなお子さんや高齢者が住む家庭では、そういった点からも温水式がおすすめです。

3-2.朝晩だけ床暖房を使用する家庭には「電気式」がおすすめ

電気式床暖房は、温水式よりランニングコストがやや割高です。
その分、設置費用は安く抑えることができます。
そのため、使用時間が短い家庭におすすめです。
特に「蓄熱式」の電気床暖房は、夜間時の蓄熱だけでほぼ1日中家を温かく保ちます。
日中の外出が多い人、朝晩だけ床暖房を使用する家庭の場合は、電気式の床暖房が向いているでしょう。
また、キッチンのシンク前やソファの足元など、部分暖房として使う場合も、電気式がおすすめです。

4.注意点

新築で床暖房を設置する場合の注意点

新築で床暖房を設置する場合、フローリング材にも注意が必要です。
ほとんどの家庭では、フローリング材に「複合フローリング」を使用しています。
「床暖房を導入する部屋をフローリングにしたい」という人は多いでしょう。
しかし、複合フローリングは熱に弱く、湿気や乾燥によって反(そ)りやひび割れが起こりやすいのです。
このため、床暖房には適していません。
最近は床暖房対応の無垢(むく)フローリング材が製造されているため、そういったものについても一緒に検討するようにしましょう。

まとめ

床暖房を必要性についてのまとめ

いかがでしたでしょうか。
床暖房を必要と感じるかどうかは、住む人によって異なります。
どのようなメリットがあるのかを知ることで、あなたの家庭に床暖房が必要であるかどうか判断してください。
そして、経済的にも快適に過ごすことができる家作りを目指しましょう。