床暖房のメリット・デメリットを徹底検証!種類や導入費用も紹介!

「床暖房の導入を検討しているが、どんなメリットがあるのか?」「導入費用や光熱費について知りたい」という人は多いでしょう。床暖房は足元から部屋全体を暖めてくれるため、導入している家庭が増えています。その快適さはエアコンの比にならないともいわれていますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

この記事では、床暖房の種類や種類ごとのメリット・デメリット、設置にかかる費用などをまとめてご紹介します。

  1. 床暖房の種類は2つ
  2. 床暖房のメリットを4つ紹介
  3. 床暖房のデメリットを4つ紹介
  4. 床暖房の導入方法は?
  5. 床暖房の導入に関するよくある質問

この記事を読むことで、床暖房の種類別特徴や向いている家庭・導入費用を抑えるコツなどが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.床暖房の種類は2つ

まずは、床暖房の種類とそれぞれの特徴をご紹介しましょう。

1-1.床暖房は温水式と電気式の2種類

床暖房には、温水式と電気式の2種類があります。温水式は床下に温水パネルを設置し、温めた水を循環させるしくみです。一方の電気式は、床下に発熱体を設置し、そこに電気を通して放熱します。どちらも足元から部屋全体を暖めることには変わりありませんが、設置費用や立ち上がりのスピードなどに違いがあるため、しっかり比較して選ぶことが大切です。

1-2.電気式床暖房の種類は3つ

電気式床暖房には、蓄熱式・PTCヒーター式・電熱線ヒーター式の3種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 蓄熱式:深夜電力を使って蓄熱し、日中に放熱する方式。ランニングコストが抑えられる
  • PTCヒーター式:日当たりの偏りなどで一部分の温度が高くなると、その部分の発熱を抑えることができる。無駄な電気を使わず、床にものを置いても熱くなりすぎない
  • 電熱線ヒーター式:床下に電熱線のヒーターを内蔵した従来の方式。熱源パネルを設置するだけなので初期費用が安い

1-3.温水式床暖房の種類は2つ

一方の温水式床暖房には、電気式とガス式があります。それぞれの特徴をご紹介しましょう。

  • 電気式:電気ヒートポンプで空気の熱を活用して温水を作る。立ち上がりはやや遅いが、じっくりじわじわと床面を暖める
  • ガス式:ガス給湯器で沸かしたお湯を床下のパイプに循環させる。立ち上がりが速くパワーも強い

1-4.初期費用やランニングコストで比較した場合は?

床暖房を導入するにあたって最も気になるのが費用でしょう。電気式と温水式を初期費用やランニングコストの面で比較すると、以下のようになります。

  • 電気式:初期費用が安く、ランニングコストが高い
  • 温水式:初期費用が高く、ランニングコストが安い

そのため、「初期費用をできるだけ抑えたい」という人には電気式、「初期費用はかかってもよいので維持費を安くしたい」という人には温水式がおすすめです。

2.床暖房のメリットを4つ紹介

床暖房がどんな家庭に向いているか、ほかの暖房と比較してどんなメリットがあるかなどをご紹介しましょう。

2-1.子育て世帯にもおすすめ

床暖房は、特に子育て世帯におすすめです。冬場に暖房をつけると空気や肌が乾燥しやすくなり、ホコリなども舞い上がりやすくなります。小さな子供がいる家庭では気になることも多いですよね。しかし、温風が出ない床暖房の場合、そういった心配はありません。また、床全体から部屋の上部までしっかり暖まるため、「部屋の上のほうは暖かいが、足元が寒い」ということもないのです。床に寝ている赤ちゃんも座っている子供も、暖かさを感じながら快適に過ごすことができるでしょう。

2-2.ほかの暖房器具と違ってメンテナンスがほぼ不要

ほかの暖房器具との大きな違いは、メンテナンスがほぼ不要という点もあります。ストーブやエアコンは定期的にホコリを取り除き、シーズンを終えた際にはしっかりメンテナンスが必要です。しかし、床暖房は基本的に、メンテナンスがほぼ必要ありません。温水式だと10年前後で不凍液の交換などのメンテナンスをしなければならない場合もありますが、日常的には何もしなくてよいのです。

2-3.電気式は後付けリフォームにも向いている

電気式床暖房のメリットは、リフォームの際に後付けも可能という点です。熱源機を使用しないため配管工事の必要がなく、フローリングの張り替えだけで作業が完了します。そのため、低予算で導入が可能です。

2-4.温水式は立ち上がりのスピードが速く床全体が暖まる

温水式床暖房は立ち上がりのスピードが比較的速く、スイッチを切った後も温もりが床に残ります。そのため、「短時間で少しだけ部屋を暖めたい」というときに最適です。また、床全体を均一に暖めるため、部分的に冷たくなる箇所もなく、快適に過ごすことができます。

3.床暖房のデメリットを4つ紹介

次に、床暖房のデメリットをご紹介しましょう。

3-1.初期費用がかかる

床暖房を導入する一番のデメリットは、高額な初期費用がかかる点です。床暖房を入れる範囲や種類にもよりますが、100万円近くかかる場合もあると考えておいたほうがよいでしょう。リビングだけでなくキッチンや洗面所などにも設置するとなれば、さらに高額な費用がかかります。

3-2.ほかの暖房器具に比べて光熱費が高い

床暖房はエアコンやストーブと比べて月々の光熱費が高くなります。電気式の場合は電気料金プランの見直しや、ほかの暖房器具との併用などで節約する必要がある家庭も多いでしょう。そのため、コストパフォーマンスの悪さを感じる人も少なくありません。

3-3.電気式は立ち上がりに時間がかかる

電気式床暖房は立ち上がりに時間がかかるというデメリットがあります。帰宅してすぐスイッチを入れても暖かくなるまで時間がかかるため、結局は別の暖房器具で暖をとるという人も少なくないでしょう。

3-4.温水式は不凍液の交換が必要

温水式床暖房には不凍液が使われており、水が凍らないようにしています。不凍液はそのまま使い続けると故障の原因になるため、10年ごとに交換が必要です。交換費用は3万~6万円ほどかかるため、覚えておきましょう。

4.床暖房の導入方法は?

床暖房の選び方や工事の流れ・導入費用などをまとめてご紹介します。

4-1.自分の家に合った床暖房を選ぶ

まずは、電気式と温水式のどちらが自分の家に合っているのかよく考えましょう。ポイントは以下の2つです。

  • 家全体に床暖房を使いたいのか、部分的に使いたいのか
  • 使用時間は長いか、短いか

基本的に、家にいる時間が長く、広いリビングや複数の部屋で床暖房を使いたい場合は温水式床暖房がおすすめです。在宅時間が短く、キッチンやソファーの足元など部分的に床暖房を使いたい場合は電気式が適しているでしょう。

4-2.工事の流れと日数は?

床暖房の設置工事にかかる日数や流れは、既存の床に重ね張りするか床の張り替えをするかによって異なります。重ね張りの場合は約1~2日、張り替えの場合は約3~4日で工事が完了するのが一般的です。以下に、温水式床暖房を設置する際の流れをご紹介しましょう。

重ね張りの場合

  1. 既存の床の補修
  2. 温水パネルの敷設
  3. 温水配管の接続
  4. フローリングの張り付け
  5. 熱源機の取り付け
  6. 試運転

張り替えの場合

  1. 既存の床の解体・撤去
  2. 下地直し
  3. 温水パネルの敷設
  4. 温水配管の接続
  5. フローリングの張り付け
  6. 熱源機の取り付け
  7. 試運転

4-3.導入費用相場は30万~80万円前後

床暖房の導入費用は選ぶ種類や面積によって異なりますが、相場は30万~80万円前後といわれています。重ね張りか張り替えかによっても費用が変わってくるため、注意が必要です。また、導入費用は電気式床暖房に比べて温水式床暖房のほうが高くなります。以下に、約5畳の面積に床暖房を導入した場合の目安をまとめたので参考にしてください。

電気式

  • 重ね張り:約25万~35万円
  • 張り替え:約35万~50万円

温水式

  • 重ね張り:約30万~40万円
  • 張り替え:約40万~55万円

4-4.複数の業者を比較するのが節約のポイント

床暖房の設置工事費用は、業者によっても違いがあります。そのため、事前に複数の業者に無料見積もりを依頼し、比較しておくのがおすすめです。そうすることで、大まかな相場を把握することができるでしょう。ただし、安さだけで業者選びをするのは危険です。業者の実績や過去の施工例などもしっかりチェックし、安心してお任せできるかどうかを見極めましょう。

4-5.マンションの場合は管理規約の確認を

マンションに床暖房を導入する場合は、管理規約を確認する必要があります。マンションによっては床のリフォームを禁止している場合や、リフォーム内容に制約を設けているところもあるのです。管理組合とのトラブルを避けるためにも、必ず管理規約に目を通しておきましょう。

5.床暖房の導入に関するよくある質問

「床暖房の導入を検討している」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.ホットカーペットでは床暖房の代わりにならないでしょうか?
A.ホットカーペットは表面だけを暖めるもので、部屋全体は暖まりません。床暖房は床から出た赤外線が天井や壁に反射して部屋全体を暖める効果があるのです。

Q.どんなフローリング材でも床暖房を導入できるのでしょうか?
A.木材が熱の影響を受けて収縮しないよう、床暖房専用のフローリング材にする必要があります。最近は床暖房に対応したフローリング材も増えてきているため、チェックしてみるとよいでしょう。

Q.床暖房の寿命は何年ぐらいですか?
A.昨今の床暖房は耐用年数が30年以上といわれています。基本的にはメンテナンスもほぼ不要で長く使い続けることができるのが特徴です。

Q.床暖房で低温ヤケドする可能性はあるのでしょうか?
A.電気式床暖房の場合は接触面が高温になりやすいため、長時間密着していると低温ヤケドをする恐れがあるといわれています。温水式床暖房であれば接触面の温度が40℃前後を保つため、低温ヤケドの心配はほとんどないでしょう。

Q.床暖房を導入しようと思いますが、悪質なリフォーム業者の特徴を教えてください。
A.事務所の所在地を明らかにしていない業者やホームページ自体がない業者・無料見積もりを行っていない業者などには十分注意が必要です。

まとめ

床暖房の種類やメリット・デメリット、導入方法などをまとめてご紹介しました。足元から部屋全体を快適に暖めてくれる床暖房は、今や導入する家庭が増えてきています。自分の家庭に合っている床暖房はどのようなものなのか・導入するにはいくらぐらいかかるのかなど、ぜひこの記事を参考にして知ってください。