飲食店の内装配色のコツやポイントは?どこに注意するべき?

飲食店を新しくオープンさせたいという方、そしてリフォームをしたいという方にとって、内装のデザインは悩みどころです。「できるなら、内装を工夫して集客率を上げたい」と思う方もいるでしょう。

そこで、今回は飲食店におすすめの内装やその色使いをご紹介します。飲食店はほかの店舗と違い、おすすめの色とさけた方がよい色使いがはっきりとしているのです。ですから、飲食店の内装におすすめの色使いを知っていれば集客率アップにもつながるでしょう。これから飲食店をオープンさせたいという方や店舗のリフォームを考えている方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 色彩が脳に与える影響は?
  2. 飲食店の内装に求められることは?
  3. 飲食店におすすめの内装のポイントは?

1.色彩が脳に与える影響は?

私たちの感覚や心理は、色からいろいろな影響を受けています。たとえば夏のインテリアはブルーを中心にした寒色系が多いでしょう。これは、寒色に心を落ち着かせて涼しく感じさせる効果があるためです。逆に、冬のインテリアは温かみを感じさせる赤やオレンジ、茶色などの暖色系が多いでしょう。

緑にも心を落ち着かせてリラックスさせる効果があります。さて、食欲も色に左右されることが多いのです。青色の食器を使うとダイエットに効果的という話を聞いたことはありませんか?自然界に、青い色の食物はないのです。

また、飲み物以外に青い料理もないでしょう。ですから、寒色を見ると食欲が後退しやすいのです。逆に、赤や黄色、茶色というのは料理にふんだんに使われる色。ですから、食欲もわきやすいでしょう。

余談になりますが、チェーン展開している飲食店の看板をいくつか思い浮かべてください。どれもみな、赤、黄色、茶色といった暖色系の色をメインに使っています。ですから、内装も暖色を中心にするとよいでしょう。しかし、寒色を使ってはいけないということはありません。クッションや座布団などに青い色を使うと、落ち着いた雰囲気が出るでしょう。

色彩は脳にかなりの影響を与えるんですね。
はい。寒色は食欲を減退させ、暖色は逆に増加させます。

2.飲食店の内装に求められることは?

飲食店に人は何をしにくるのでしょうか? もちろん、第一の目的は食事です。しかし、食事だけをしてさっさと出ていくという方は意外と少ないですし、それを目的にした店もごく一部でしょう。ゆっくりと会話をするためや親睦を深めるために飲食店を利用する、という方も多いです。ですから、ゆっくりとくつろげる内装にすると集客率もアップしやすく、客単価も上がるでしょう。

また、飲食店の内装には木、もしくは木目調のものが使われることが多いです。これは、日本の家に木材が多用されているためといわれています。つまり、自宅と同じような空間を演出することでよりリラックスしやすくなるのですね。木を使った内装はどのような飲食店にもマッチします。

ですから、可能ならば取り入れてみましょう。逆に、ガラスやコンクリートなど無機質なものを多用した飲食店は、顧客が長時間利用しにくいです。コンクリート打ちっぱなしの物件はオシャレですが、飲食店として利用するにはおすすめできません。

飲食店はリラックスできる空間であることが大切なんですね。
はい。ナチュラルテイストの内装がおすすめです。

3.飲食店におすすめの内装のポイントは?

この項では、飲食店におすすめの内装のデザインや配色などをご紹介していきます。ぜひ参考にしてくださいね。

3-1.上半分を薄い色、下半分を濃い色でレイアウトしてみる

白は清潔感あふれる色ですので、飲食店ではよく使われます。しかし、真っ白な壁紙とテーブルの店、というのも落ち着きません。また、淡い色で統一した店もなんとなくぼんやりとして印象に残りにくいでしょう。

そこで利用したいのが黒や焦げ茶色などの暗色です。暗色は落ち着いた雰囲気をかもし出しますが、それだけでは圧迫感を覚えることもあるでしょう。

テーブルより下を濃い色、テーブルより上を淡い色にするとバランスが取れて格好良く見えます。たとえば、いすや床を焦げ茶色に、テーブルを薄い茶色、壁紙をアイボリー色にしたりすると、空間が引き締まって見えるのです。

3-2.壁紙を効果的に使おう

壁紙というと無地のものというイメージがありますが、今はカラフルなものだけでなく柄入りのものもたくさん登場しています。壁にインテリアを飾ると、その分費用もかかりますし掃除も大変です。しかし、壁紙ならば汚れにくいですしお手入れも簡単でしょう。「壁が白っぽくて寂しい」という場合は、大きな模様がプリントされた壁紙を使ってみましょう。細かい模様よりも大きな模様が一個入った壁紙の方が不思議とうるささを感じません。

今は和の素材の壁紙も増えています。バラ模様の壁紙を和食店の壁に張ることはできませんが、桜やもみじならば大丈夫です。また、季節感が気になるのでしたら幾何学的な模様もあります。さらに、何の使い道もないデットスペースにインパクトのある壁紙を張ってもアクセントになるでしょう。

3-3.季節感は小物で出す

せっかくだから、季節感をお店で出したいと考えている方もいるでしょう。しかし、季節ごとにインテリアを変えるには、それなりにお金がかかります。そこで、小物で季節感を出しましょう。クッションや座布団を使っているお店ならば、季節ごとにカバーを変えてみてください。これならば、時間もかかりません。それに盛大に飾りつけなくても、レジのところに季節感の出るおきものを置いてみてもよいでしょう。

3-4.照明をうまく使おう

寒色と同じように、蛍光灯の光は食欲を減退させる効果があります。ですから、飲食店の照明は温かみのある白熱灯風のところが多いでしょう。しかし、あまりオレンジ色が強すぎる光も、料理の色や人の表情などが分かりにくくなってしまいます。そこで、おすすめしたいのが間接照明です。天井から直接テーブルを照らすのでなく、壁を照らすことで光が柔らかくなります。

また、カフェなどでは窓を多くとって自然光を存分に利用できる造りになっているところもあるでしょう。自然光が利用できる店舗だと、開放感があり屋外で食事をしているような気分も味わえます。しかし、雨のときや日差しが強すぎるときなどは、素早く対処しないと店内が過ごしにくくなってしまうでしょう。ですから、ブラインドなどをすぐに下したり上げたりできるようにして、日差しを調節してください。そうすれば、店内はぐんと過ごしやすいものになるでしょう。

壁紙や小物でいろいろなアレンジができるんですね。
はい。居抜きで物件をレンタルした場合、お金をそれほどかけなくてもさまざまな内装が可能です。

おわりに

今回は、飲食店の内装を行う際、おすすめの色使いなどをご紹介しました。初めてお店をオープンする方は、内装にいろいろな夢を持っている方も多いでしょう。

また、他店と差別化をはかろうとあれこれと頭をひねっている方もいるかもしれません。しかし、よく考えてみてください。飲食店にとって、内装はあくまでもお客に心地よく過ごしてもらうための装置でしかないのです。ですから、自己主張は程々にしておいた方がよいでしょう。

さらに、内装のお手入れは簡単な方がよいのです。たとえば、特別なクリーニングをしなければならないものなどを内装に使ってしまうと、汚れてもすぐには取り換えられません。ですから、料理がつきやすい場所や顧客の手が触れやすいところは、できるだけすぐに掃除しやすい素材で作りましょう。ときどき、奇抜な内装の店舗が話題になります。しかし、内装が奇抜だけでは顧客をいつまでもつなぎ止めることはできません。ですから、内装はあくまでもシンプルに万人に受け入れやすいものにしましょう。