窓断熱で光熱費を抑えてCO2排出量削減!自分でもやれる断熱方法

熱の性質は、高い温度から低い温度へ移動するというもの。温度が混ざり合い、同じ温度になろうと働きかけるからです。夏は熱くなった窓から熱が入り込み、室内の温度が上昇してしまいます。冬は暖まった室内の温度を外へ逃がそうとするのです。
エアコンなどの光熱費は断熱を施すことで節約できます。また、窓の断熱は結露対策にもなり、室内のカビ発生を抑える効果もあるのです。家そのものに断熱を行っていても、なかなか効果を実感する機会は少ないのではないでしょうか?窓の断熱を合わせて試してみると、より高い断熱効果を得られます。
今回は窓の断熱がもたらす効果や費用、自分でもできる断熱方法について。ご自宅に断熱リフォームを考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

1.窓断熱の重要性

窓から出入りする熱は多く、高機能エアコンで快適な環境を作ろうとしても、窓に断熱をしっかり行わなければ意味がありません。窓断熱を施すことで光熱費削減とCO2排出量を抑える効果があります。

1-1.熱の出入りを抑える

窓は家の至るところにあります。大きな窓は明るい日差しをもたらしてくれますが、熱の出入りも大きいものです。冬に窓から出ていく熱は、家全体で考えて50%にあたります。反対に夏は家全体の70%にあたる熱が入ってくるのです。
熱は外気と室内の気温を同じ温度にしようとして、窓を伝って出入りします。エアコンでコントロールしても、窓から出入りする熱を遮断しなければ光熱費の無駄が出てしまうのです。

1-2.結露対策にも効果的

冬は窓の結露に悩まされることが多いですよね。結露が発生する原因は、室内の湿気と冷えた窓。空気で含むことができる水分量は決まっています。高温ほど多い水分を含むことができますが、低い温度は水分含有率が下がるのです。寒い季節に結露が起こりやすいのは、気温の低さが原因になっています。
窓から伝う外気によって冷えた空気が、空気中の水分含有限界値を超えて水滴になるため、結露が発生するのです。
窓断熱を行うことで問題を解消し、結露対策の効果も発揮できます。

1-3.環境への配慮

窓断熱により室内の温度が逃げるのを防ぎ、冬の寒気が入り込むのを抑制できます。熱の出入りを防ぐことはエアコンの無駄遣いを防止すること。光熱費の削減にもつながります。エアコンを使うことで発生するCO2削減にも大きく貢献できるのです。
CO2による地球温暖化防止策は、社会問題となっています。省エネを考えたときに思い浮かぶのは、消費エネルギーが低い製品への買い替えではないでしょうか?しかし、消費エネルギーが下がっても、逃げていく熱を抑えなければ意味がありません。窓断熱は体感できる省エネ住宅にすることができます。環境への配慮と合わせて行うようにしたいですね。

2.断熱窓リフォームの費用

窓断熱は、どのような種類を導入するかで費用と得られる効果が変わります。リフォームと聞くと高額な費用を思い浮かべ、なかなか踏み切れない方も多いのではないでしょうか?費用は施工内容により違います。

2-1.複層ガラスへの交換

サッシはそのまま使い、複層ガラスに交換するだけなら費用も抑えられます。アタッチメントつきなので、はめ込むだけで問題ありません。10窓交換で60〜70万円程度の費用で済みます。施工数が多いほど費用が割引されるので、家全体で交換するといいでしょう。
サッシごと交換する場合、壁の一部を崩して施工する必要があります。工事費用110〜130万円に加え、壁補修費用50〜60万円が必要だと捉(とら)えておいてください。工事期間は1週間程度かかるとされています。

2-2.二重窓にする

既存の窓はそのままに、内側にもう1つの窓を取りつけて二重窓にすることができます。二重窓を取りつける工事のメリットは、工事期間の短さでしょう。1〜2日程度と短期施工が可能です。費用は10窓施工で80〜95万円。簡単な工事で済む、最も好まれている方法です。
既存の窓を生かすことができるメリットもありますが、高い断熱効果が得られると同時に防音効果もあるとされています。内窓を複層ガラスや断熱ガラスにすることで、より高い断熱効果を発揮できるでしょう。

2-3.断熱コーティング

既存の窓ガラスに断熱コーティングを行う方法もあります。コーティング塗料を塗ることで、紫外線や赤外線を吸収してくれるのです。
コーティング剤は乾燥すると硬い塗膜になり、ガラスに密着する性質があります。10年以上使える高耐久性があるのも特徴です。費用は1平方メートルあたり15000円程度とされています。

2-4.断熱フィルム

ガラス面に断熱フィルムを貼る方法はいかがでしょうか?断熱効果も高く、窓の透明性も維持できます。業者へ依頼すると美しい仕上がりになり、空気が入らないようヘラで伸ばすように貼っていく方法です。ガラス飛散防止効果もあり、10年以上の高耐久性があるのもメリットでしょう。費用は断熱コーティングと同等で、1平方メートルあたり16000円程度です。

3.自分でもやれる窓断熱方法

業者に依頼すると多くの費用が出るため、窓断熱をためらってしまう方もいます。窓断熱にはさまざまな種類があり、自分でもできる手軽な方法もあるのです。
大掛かりな工事はしたくないという方は、ぜひ自分でやれる方法を試してみてください。

3-1.断熱シート

断熱フィルムは業者への依頼が必要ですが、ポリエチレン製の断熱シートなら手軽に自分で施工ができます。ポリエチレン製シートとガラスの間に空気の層ができることで、断熱効果が得られるものです。
断熱シートに水を吹き付けて貼る方法で、費用も数千円と経済的。ただし、断熱シートで外の景色が見えにくくなる・室内が暗くなるなどのデメリットがある場合も想定しておきましょう。

3-2.シリコンコーティングスプレー

最も手軽で費用も安く済む方法は、シリコンコーティングスプレーです。スプレーによる断熱効果の持続は1か月とされているため、定期的なメンテナンスは必要でしょう。
景色を遮ることなく、通常の使用を続けることができるため、違和感を抱くことがないのもメリットです。

4.まとめ

窓断熱の方法についてご紹介しました。

  • 窓断熱の重要性
  • 断熱窓リフォームの費用
  • 自分でもやれる窓断熱方法

窓は熱が出入りする場所。夏は外気が侵入して室温を上げ、 冬は暖かい空気が外へ逃げていきます。外気と室温が混ざり合い、同じ温度になろうとする性質があるからです。
高機能エアコンなどを使用しても、窓の断熱をしっかり行わなければ意味がありません。窓断熱を行うことで光熱費も抑えて、エアコンの使用によるCO2排出量削減にもつながります。
費用を抑えて施工したい場合は、断熱シートやシリコンコーティングスプレーがおすすめです。手軽に試すことができます。本格的な施工を始める前に、自分で断熱を取り入れて効果を実感してみるのもいいでしょう。