日本の主婦はカスタマイズ好き? 香りつき柔軟剤が流行る理由。

いまやすっかり洗剤と同じくらいの規模でスーパーやドラックストアの棚に並んでいる香りつき柔軟剤。
一体いつの間にこんなに市場規模が拡大したのでしょうか?
そこで、香りつき柔軟剤のブームの歴史を簡単にまとめてみました。

1. 発端は2008年

香りつき柔軟剤のブームは2008年に始まります。花王、P&G、ライオンの各社から相次いで香りつきの柔軟剤の新商品が発売されました。すると、「香りでリラックスできる」「香りに癒される」といった癒し効果を感じる人が続出。瞬く間に香りつき柔軟剤の市場は拡大していったのです。

2. 「香りをカスタマイズしたい」と願望を持つ人が増える。

柔軟剤の人気が高まるとともに、既存の香りでは満足できないという人も増えてきました。自分好みの香りをつけようと、複数の柔軟剤を組み合わせる人も出てきたそうです。しかし、柔軟剤同士を組み合わせると効果が落ちたり、香りがうまくミックスできなかったりといった問題も。そこでメーカー側は香りを柔軟剤の付属効果ではなく主体としてとらえるようになり、そのための商品が開発されるようになったのです。

3. そして2012年、衣服に香りをつけることが目的の商品が発売。

2012年に上記大手メーカーは相次いで「香りを服につけるため」に特化した商品を発売しました。これによって異なる香りを組み合わせて自分好みの香りをつけることができるようになり、香りつき柔軟剤の市場はさらに拡大したのです。でも、この『異なる香りを組み合わせる』という行為は日本独特のものだとか。外国にも衣服に香りをつけるための製品がありますが、たいていは同じ匂いのものを使って香りをさらに強めるのが目的だそうです。日本人は「自分好みのにおいをカスタマイズしたい」という欲求が強いのかもしれません。

4. 今や香水より香りつき柔軟剤。

香りつき柔軟剤のブームは最初は主に家事をする主婦中が中心でした。しかし今や20代~30代の男性も積極的に香りつき柔軟剤を購入しているというアンケート結果もでています。「香水より香りつき柔軟剤でよい香りをまといたい」と思う人も増えているそうです。そんな人々の想いにこたえて今は少しでも香りが長持ちするような柔軟剤や、柔軟剤の匂いが少しでも長く残るように造られたインナーまで発売されています。

5. しかし、香水と同じような問題も。

かつて香水をつけすぎる人が苦情の的になったこともありましたが、今は香りつき柔軟剤で同じ問題が起きています。自分ではよい匂いだと思っても万人がそう思うとは限りません。また、同じ匂いをずっと嗅ぎ続けていると嗅覚がマヒして、だんだんと香りを感じなくなるそうです。ですから、もっと良い匂いにしようと規定量以上に柔軟剤を入れてしまうと、自分ではよい香りだと思っても他人には強すぎる香りになってしまうのです。

国民生活センターには、「柔軟剤の香りで気分が悪くなった」という相談が2013年には5年前の5倍も寄せられました。よい匂いも過ぎれば悪臭と感じられてしまうのです。

また、においの成分は突き詰めていけば化学物質ですからそれに過敏に反応してアレルギーのような症状が出る、という報告もあります。

いかがでしたでしょうか? よい香りをまとうのはとても楽しいものですが、誰かの不快の元にならないように気を付けたいものです。柔軟剤は規定量を守って使いましょう。

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