夏の電気代を節約するセオリーとは? 知って得する電気節約術!
夏に節電対策を何もしないでいたら、後になって目が飛び出るような電気料金を請求されて困ってしまった経験はありませんか。この記事ではなぜ夏場に電気料金が高くなるのか、そして、どうすれば節電ができるのかをご紹介します。ぜひ、最後までお付き合いくださいね。
この記事を読むことで夏の電気代を節約する方法を知ることできます。セオリーを学んで、今年の夏から早速実践しましょう。
1.夏場は電気代が高い?相場はどのくらい?
まずは電気料金の基礎知識と夏場の料金相場についてご紹介します。
1-1.基本単位はkWh(キロワットアワー)
電気料金は電気使用量の単位であるkWhから換算されます。毎月届く「電気使用量のお知らせ」や「検針票」などを確認すれば必ず記載されているので確認してみてください。このことを理解し、1kWh当たりの費用を把握しておけば、家の外のメーターなどを確認することでどのぐらいの請求額になるのかを把握できるようになります。
では1kWhの料金がいくらなのかというと、実は定額ではありません。日本では「3段階制」といって、電気使用量に応じて単価が変わります。たとえば、東京電力では以下のような形式です。
- 1段階料金:0 – 120kWh 19.52円
- 2段階料金:120 – 300kWh 26.00円
- 3段階料金:300kWh以上 30.02円
さらに、この金額にプランごとの「基本料」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」「燃料費調整」などが加算され、「口座振替割引」などが差し引きされたものが最終的な金額になります。なお、基本料は契約アンペア数によって異なるので、詳しくは以下を参照してください。
- 10A:280.80円
- 15A:421.20円
- 20A:561.60円
- 30A:842.40円
- 40A:1,123.20円
- 50A:1,404.00円
- 60A:1,684.80円
電気料金の内訳で電気使用量と基本料が一番大きな割合を占めるので、基本料とkWhの計算が分かっていればだいたいの請求額を計算することは難しくありません。
1-2.7月の電気使用量の平均が180kWh前後のケース
東京電力の一般家庭で多い契約プランである従量電灯B・30Aの場合で考えてみましょう。電気使用量180kWhのうち、120kWhまでが1段階料金19.52円、60kWhが2段階料金26.00円が適用されます。つまり、「電気使用量金額:3,902.4円+基本料:842.40円=4,744.8円」です。
1-3.8月の電気使用量の平均が240kWh前後のケース
上記と同様のプランの場合、電気使用量240kWhのうち、1段階料金120kWhと2段階料金120kWhがそれぞれの単価で計算されます。つまり、「電気使用料金:5,462.4+基本料:842.40円=6,304.8円」です。
2.夏場に電気代が高くなる理由は?
夏場は電気代が高くなるイメージがあるでしょう。この項では、なぜ高くなるのか、そして本当にほかの季節に比べて高くなるのかどうかを解説します。
2-1.最大の理由はエアコン
やはり、一番の原因はエアコンとなります。寝ているときも起きているときもエアコンを付けっぱなしになりがちなので、電気料金はかかりがちです。
2-2.意外と冬のほうが高くなりがち!?
夏が一番電気料金がかかっていると思われがちですが、意外と冬場のほうが高いのをご存じでしょうか。その理由も同じくエアコンです。実は熱効率の問題で、冷やすよりも暖めるほうが電気を多く使用してしまいます。そのため、朝から晩までエアコンで部屋を暖めていると、同じように付けっぱなしの夏と比べても高くなってしまうのです。また、冬場は夏に比べて日が短いので、部屋の電気を付ける時間が長くなることも要因の一つに挙げられます。
3.夏場に実践できる電気代の節約テクは?
夏場の電気代を減らすためにやってもらいたいテクニックをご紹介します。
3-1.設定温度を高めにする
外気温と設定温度の差が大きければ大きいほど電気を多く使用します。ですから、夏場は、26~27℃程度の若干高めの温度に設定すると節電効果が高いでしょう。とはいえ、常にこの温度にする必要もありません。夜は若干気温が下がりますし、温度が高い状態だと睡眠の質も下がるので、夜間は低めに設定するのも一つの手です。
3-2.エアコンは付けっぱなしにする!
多くの人が勘違いしがちですが、エアコンはこまめに消すより付けっぱなしにしていたほうが電気代を節約できます。こまめに消すと部屋の温度が高くなってしまうため、温度を下げるために多くのエネルギーを消費してしまうからです。とはいえ、長時間部屋から離れる場合は消したほうがお得になります。空調機器メーカー大手のダイキンが2016年8月に大阪で行った調査によると、30分程度であれば付けっぱなし、1時間以上離れるようなら消したほうが電気料金の節約になるという結果が出たそうです。
3-3.直射日光を部屋に当てないようにする
直射日光が当たるかどうかは温度に大きく関係します。たとえば、夏場に直射日光の入る部屋と入らない部屋の温度差を調べてみると、立地にもよりますが4~6度ほどの差が発生するほどです。ですので、なるべく直射日光が当たらないように、窓の外にスダレをかけたりシェードを設置したりするとよいでしょう。なお、スダレやシェードを使う際には斜めになるようにかけてください。窓にぴったりくっついた状態だと、部屋の中に熱が伝わってしまうからです。斜めにして日陰部分を作ることが重要となります。部屋に直射日光が当たりにくい状態にできればできるだけ、エアコンの効果を高め、節電につながるでしょう。
3-4.帰宅後に部屋を冷やす際には必ず換気をしてからにする
夏場に車の中に入ると中が暖まっていて、外よりも暑くなっていますよね。家の中も同じで、外気温よりも室温のほうが暑いことも珍しくはありません。この状態でエアコンをかけると電気を多く使うので、まずは換気して室内の暖まった空気を外に逃がしてからエアコンをかけるようにしましょう。
4.夏場の電気代の節約に関するQ&A
最後に電気代の節約に関してよく寄せられる質問と回答をご紹介します。
Q.冷蔵庫の節電対策はあるのでしょうか?
A.前述したように外気温との温度差が大きければ大きいほど電気代は高くなります。冷蔵庫の場合、外気温との差は最大で60℃近くになるので、それだけ大きく電力を消費するでしょう。ですから、夏場は冷気カーテンなどを庫内に設置し、冷蔵庫を開け閉めした際に冷気が逃げないようにすることが重要です。
Q.昼間と夜間で電気料金は変わりますか?
A.プランによっては昼間と夜間で電気料金が変わるものがあるので試してみてください。なお、基本的には夜間のほうが電気料金が安くなります。
Q.エアコンの性能によって電気料金は変わるのでしょうか?
A.最近のエアコンは非常に省エネになっており、昔と比べるとはるかに節電が可能です。ちなみに、15年前は1,000Wh・10年前で800Wh程度なのに対し、最新のものは600Wh程度となっています。1か月当たり数千円もの差が出てきますので、古いエアコンを使うよりも、最新の安いエアコンに買い替えたほうがお得です。
Q.燃料費調整額がマイナスになっていたのですが、なぜでしょうか?
A.燃料費調整額とは電気を作るために必要な燃料の価格変動を電気料金に反映させるために設定されたものです。燃料費調整額は毎月変動するのが特徴的で、たとえば燃料価格が大幅に下がった場合は、マイナスになることもあります。
Q.再生可能エネルギー促進賦課金とは何ですか?
A.一言でいうと、再生可能エネルギーの割合を増やすために設定された税金のようなものです。そのため、どんな電気料金プランを使っても、どんな電力会社を選んでも、一律同額が賦課されます。
まとめ
今回は電気代を節約するセオリーについて話しました。夏場に電気料金が高くなる大きな原因はエアコンです。ですから、エアコンの使い方を工夫することで大きく電気代を節約することができます。また、エアコンが古い場合は新しいものに変えるだけで月数千円も節約できることがあるので、ぜひ買い替えを検討してみてください。ちなみに、電気代は電気メーターなどに表示されている電気使用量と基本料を把握していれば、どのぐらいの請求額になるのかを把握することができます。定期的にメーターを確認して、節約の度合いを調整しましょう。