ゴキブリ退治の基礎知識! 家からいなくなる対策・侵入予防法

ゴキブリを見つけたらすぐに退治したいという人も多いでしょう。ただ、すごいスピードで走り回り、冷蔵庫の裏などへ逃げ込まれたらどうしようもありません。そんなゴキブリを退治したいなら、コツをきちんと理解しておきましょう。ゴキブリのいない快適な住宅環境を作り出せます。

  1. ゴキブリによる4つの主な被害
  2. ゴキブリを退治する6つの対策
  3. ゴキブリの侵入を防ぐ6つの対策
  4. ゴキブリ退治でよくある5つの質問

この記事ではゴキブリ退治に有効な対策について解説します。退治する以外にも、家に侵入させない方法も大切です。ゴキブリにはどんな害があるかも含めて理解すれば、もう怖くありません。

1.ゴキブリによる4つの主な被害

ゴキブリにより引き起こされる被害はたくさんあります。単純に見た目や動きが気持ち悪いなど、精神面の問題以外にも衛生面や健康面、経済面に大きな悪影響があるのです。対策を理解する前に、ゴキブリによってどんな被害があるのか知っておきましょう。

1-1.ゴキブリへの不快感や不安感

ゴキブリは見た目の問題以外にも家にいること自体が精神的な不快感につながります。友達や恋人が家へ来たときにゴキブリが出たら、汚い部屋というイメージがついてしまう可能性もあったり、人間関係が崩れたりすることもあるでしょう。ゴキブリを見つけて逃げられると、その部屋では安心できない人も多く、精神的な不快感が生まれるという問題があります。

1-2.ゴキブリには人間の体に悪影響を与える細菌がたくさん付いている

ゴキブリは不衛生な場所を好みます。そのため、サルモネラ菌を筆頭に、多くの病原菌の運び屋となるのです。ゴキブリが排水口や流し台などを移動すれば体に病原菌が付着します。野菜や果物、魚、食べ残しなどにゴキブリが接触すれば、病原菌が食材に移るのです。結果的に病原菌が付いた食材を人間が口にすれば、食中毒などが引き起こされる場合があります。

1-3.食中毒などの健康リスクが高まる

ゴキブリの一番大きな被害といえるのが、健康面に対してです。サルモネラ菌、赤痢菌、チフス菌などを持ち込むため食中毒をはじめ、多くの病気のきっかけを作り出してしまいます。また、死骸や排せつ物はハウスダストとなるため、ぜん息やアレルギー症状を引き起こしてしまうのです。

1-4.電化製品に入り込むと故障することがある

ゴキブリの習性として、狭い場所を好むことが挙げられます。また、チャバネゴキブリなどは特に温かい場所を好むのですが、家電など熱源がある精密機器の中へ入り込むことがあるのです。ゴキブリが侵入することで故障すれば、買い替えをしなければなりません。コンセントの中に入り込めば、火事につながる場合もあるのです。また、ゴキブリは雑食性で、食べ物だけではなく紙類をはじめ、木片や皮革やビニールまでなんでも食べます。絵画などの美術品も食べてしまうだけでなく、フンにより汚染されれば、価値が下がることも考えられるでしょう。

2.ゴキブリを退治する6つの対策

ゴキブリが現れたとき、パニックになればすぐ対応できず逃げられてしまいます。迅速に退治をするためには、有効な退治方法を理解しておくのが一番でしょう。

2-1.薬剤をかけて退治する殺虫スプレー

殺虫スプレーは薬剤を直接吹きかけて退治をする道具です。薬機法に基づいて厳しく審査され、人間などに害がないことなどが確かめられて販売されています。手軽であり、吹きかけるという方法は素早く走るゴキブリにも有効です。ゴキブリに有害な成分が含まれているものばかりではなく、凍結させるタイプのスプレーもあります。瞬間冷凍して動きを封じることができるため、殺せなくてもそのままティッシュや火ばさみなどでつかんで捨てることが可能です。物陰に逃げ込まれても、スプレーをすれば飛び出てくるため、そこで改めて退治することもできます。

2-2.粘着シートなどの捕獲グッズ

捕獲グッズは床などに置くだけでゴキブリを退治できるため手軽です。誘引剤を使ってゴキブリを誘い込み、粘着シートで捕獲します。冷蔵庫の裏や、お風呂場など、ゴキブリが好む場所や通り道に置けば数匹捕獲することも可能なのは魅力でしょう。ティッシュなどで拾う必要もなく、燃えるゴミの日にまるごと捨てられるのもポイントです。

2-3.巣や卵まで退治できる毒エサ

有害な成分が含まれたエサを、ゴキブリが食べることで駆除できる方法です。食べてすぐに効果が出るものではなく、ある程度時間が必要となります。多くの場合、巣に帰ってから効果が出るのですが、ゴキブリは仲間の死骸まで食べてしまうのです。毒エサは死骸を食べた仲間にまで影響を与えます。卵を持ったメスにも影響し、巣ごと全滅も可能です。触って捨てる必要もありませんし、置いておくだけで知らない間にゴキブリ退治ができるのは大きなメリットでしょう。

2-4.くん煙剤も巣や隠れた場所のゴキブリも退治可能

家のあらゆる場所に隠れたゴキブリまでの全滅を目指すなら、くん煙剤もおすすめです。殺虫成分が含まれた煙が部屋中に充満し、ゴキブリだけではなく、ダニなど害虫の駆除ができます。ゴキブリがほかの部屋に逃げ込まないために、各部屋にくん煙剤を使えば家の中のゴキブリを退治することもできるのです。使用後、転がっているゴキブリなどは掃除機で吸い込みましょう。

2-5.掃除機で吸い込む

掃除機で吸い込むのもポピュラーな退治方法です。ただし、単純に吸い込んだだけでは退治できておらず、気絶しているだけでまだ生きている場合があります。吸い込んだあとは紙パックを取り出し、そのまま捨てるか殺虫スプレーなどを使って確実に退治しましょう。吸い込んでそのまま放っておくとすき間から脱出する可能性があるため注意してください。最悪の場合、掃除機の中で産卵することがあります。

2-6.退治の方法を間違えると細菌などが飛び散ることもある

手元に殺虫剤がなくてスリッパや丸めた新聞紙でたたいて対応していた人は注意してください。つぶれてゴキブリに付いていた菌が周囲に舞い散る可能性があるからです。この菌はサルモネラ菌や赤痢菌など危険性の高いものばかりなので注意してください。また、粘着シートを置いて捕獲するタイプは、長い間放置するとそのままゴキブリの巣となる可能性があります。ゴキブリが住みつく前に、定期的に新しいものへ交換しましょう。また、殺虫スプレーなどで退治する場合、ゴキブリの前方から吹きかけるのが正解です。ゴキブリは尻の部分に空気の流れを感じる器官があるため、後方からだと逃げられる可能性があります。やむお得ずたたく場合も、前方から攻撃してください。

3.ゴキブリの侵入を防ぐ6つの対策

ゴキブリの侵入を防ぐ方法も重要です。ゴキブリが入りにくい、住みにくい環境を作れば被害を最小限に食い止めることができます。

3-1.清潔にすればゴキブリは住みにくい

清潔さを意識すればゴキブリが住みにくい環境となります。ゴキブリはエサが豊富なところを好むものです。ただ、雑食性のため、お菓子の欠片(かけら)・ホコリ・落ちた髪の毛まで食べますから、定期的な掃除を欠かしてはいけません。食材なども冷蔵庫や戸棚に入れて、ゴキブリが近づけない環境を作ることも大切です。

3-1-1.ゴキブリが好きなところは狭い・暗い・温かい場所

ゴキブリ特に、狭く、暗く、温かいところが大好きなため特に掃除を丁寧にしてください。キッチンシンクの下、冷蔵庫の裏や周辺、植木鉢の下などが条件に当てはまるので特に注意して掃除をしましょう

3-1-2.ダンボール箱はゴキブリが好む環境

ダンボール箱に注意してください。ダンボール箱は保温性があり、狭くて暗い場所です。また、ダンボール箱へ野菜や果物を入れて活用するのは控えたほうがよいでしょう。ダンボールだけでなく野菜などのエサがあれば、ゴキブリにとって最高の環境になるからです。不要なダンボールは、早めに処分しましょう。

3-2.サッシなどから侵入しないよう隙間を埋める

ゴキブリは数ミリの隙間からも侵入できます。そのため、窓を開くとしても網戸などでしっかり侵入口を塞ぐようにしましょう。ただ、網戸、ドアもよく見ると隙間があいているケースもあります。穴は隙間補修テープなどを利用して塞ぐことで対策ができるでしょう。また、エアコンの排水ホース、換気扇やシンクの排水口などからも侵入します。フィルターなどでカバーする、無理なら駆除用品を置くなどして侵入されてもすぐ退治できる環境を作ってください。

3-3.エサにもなる観葉植物は置かない

観葉植物はゴキブリが好むアイテムです。植物はエサになりますし、卵を産み付ける環境として肥料はよい場所といえます。そのため、人工の観葉植物で我慢することを考えてください。ただ、ゴキブリ対策として、ローズマリーやハッカなどミント系の植物はゴキブリが苦手としていますから置いてもよいでしょう。

3-4.エサとなる食べ物が付いた食器は放置せず洗う

汚れたままの食器をシンクに放置しないようにしましょう。食器の汚れもゴキブリのエサになるからです。シンクに関しても水が残っていると、ゴキブリの飲み水になるため、水分は拭いて残さないことをおすすめします。

3-5.生ゴミは密封して毎日ゴミ箱へ捨てる

キッチンにエサとなるものをラップもせずに放置してはいけません。食べる物はラップをして冷蔵庫で保管してください。生ゴミはビニール袋に入れて密封し、ふた付きのゴミ箱へ捨てましょう。ゴキブリのエサがない環境を作ることが重要です。また、食べ残し以外にペットのエサも、ゴキブリのエサになるので放置しないよう気を付けてください。

3-6.侵入口付近に設置タイプの殺虫剤や捕獲グッズを置く

侵入を徹底的に阻むなら、サッシや通気口・換気扇など、ゴキブリが侵入してきそうな場所に捕獲グッズや毒エサなどを置きましょう。どんなに注意しても、完璧に侵入を防ぐのは不可能です。そのため、侵入してもすぐに捕獲できる対策をとっておきましょう。

4.ゴキブリ退治でよくある5つの質問

ゴキブリ退治でよくある質問についてご紹介します。対策の参考にしてみてください。

Q.一日で徹底駆除することは可能?
A.一日で家から完全にゴキブリを駆除するのは困難ですし、確認もむずかしいでしょう。それでも、くん煙剤などを各部屋で使用することで多くのゴキブリを駆除できる可能性はあります。また、毒エサ系の駆除剤も使えば巣ごと全滅というのも期待できるでしょう。ただし、毎日掃除をして清潔にすればゴキブリがいない環境を作ることになりそれが近道ともなります。

Q.ゴキブリの繁殖力はすごいと聞くけどどれぐらい?
A.メスは一度の交尾で何度も産卵することができ、一生のうちに500匹前後、産みます。また、卵鞘(らんしょう)と呼ばれるカプセルのような物体もやっかいで、中に複数の卵が入っているのです。非常に固く、くん煙剤でも中身にまで影響を与えられません。ただ、メスの体内にある卵にまで影響を与えられる毒エサが効果的です。

Q.殺虫スプレーは使いたくないけれど代わりはある?
A.ペットと一緒に住んでいる、幼い子供がいる、食べ物に悪影響を与えたくないなら、冷凍系の殺虫剤や、ゴキブリが嫌がる成分を含めたゴキブリ避(よ)けを利用してみてください。冷凍系の殺虫剤は、薬剤ではなく凍らせて退治をします。ゴキブリ避けは、天然ハーブなどゴキブリが嫌がる匂いにより寄せ付けない方法です。

Q.ゴキブリが多くなる季節は?
A.夏が一番活発化し遭遇する可能性が高くなる季節です。繁殖活動もたくさん行うため、成虫だけでなく幼虫も駆除しなければなりません。ただ、動き出すのは春からで、だいたい気温が20度ぐらいになると動き出すため、このとき、侵入させないことを特に注意しましょう。秋に入ると活動が収まり、冬は越冬の季節となります。ただ、チャバネゴキブリは寒さに弱く一般家庭で冬を越すことはありませんが、温かい飲食店や24時間暖房をしているマンションやビルなどで越冬するようです。

Q.くん煙剤を使うときの注意点はある?
A.食品や食器、パソコンなどの精密機械は煙の影響を受けないようにするため、ビニール袋などで覆ってください。ペットや植物なども部屋から出します。使用中は完全に閉め切っておきましょう。使用後は煙を吸い込まないようタオルなどで口を覆い、窓を開け、30分以上換気してください。火災報知器を設置している場合、製品によっては反応することがあります。説明書をよく見て、もし影響を与えそうなら使わない、あるいはビニールなどで火災報知器を覆いましょう。

まとめ

ゴキブリを退治する薬剤はたくさんあり、部屋の状況や好みによって選びましょう。殺虫剤などは、1匹のゴキブリに遭遇したとき、その時点で退治をしたいときに活躍します。ただ、多くの場合、ゴキブリは普段、目にしない部屋の隅や狭い場所に隠れているものです。部屋の隅々、巣まで駆除をしたいなら、くん煙剤や毒エサなどをおすすめします。ただ、基本的には家を清潔にすることがゴキブリを近づけさせない近道です。洗い物もきちんと行い、生ゴミもきちんと捨てて、ゴキブリが住みにくい環境を作り出しましょう。