工事の前は挨拶が必要か? 挨拶文作成や手土産などを詳しくご紹介

工事の予定がある方は、事前に近隣への挨拶をしておくと安心です。もちろん、業者からも挨拶をしてもらえます。しかし、自分でもきちんと挨拶をしておくことで、ご近所トラブルを回避することができるのです。工事の際はどのような挨拶をすればいいのか、手土産は必要なのかなど、工事の挨拶に関する基礎知識を覚えておきましょう。

  1. 工事の挨拶をする必要性
  2. 工事の挨拶に関する基礎知識
  3. 工事の挨拶に関する注意事項
  4. 工事の挨拶でよくある質問

この記事を読むことで、工事の挨拶についてよく分かります。トラブルを避けたい・気持ちよく工事を終えたいという方は、挨拶文などの知識を身につけましょう。

1.工事の挨拶をする必要性

工事の挨拶をするメリットや挨拶をする範囲などを覚えておきましょう。

1-1.近隣トラブルを防ぐことができる

工事は、少なからず近隣に影響を与えます。騒音や臭気により、普段とは違う生活を送らなければならないケースもあるでしょう。事前に挨拶をしておくだけで、近隣の理解を得ることができます。トラブルを回避したいなら、工事の挨拶はきちんとしておきましょう。

1-2.規模が小さな工事でも挨拶をしておくと安心

室内のリフォームなど簡単な工事であれば、さほど問題ありません。しかし、家の外壁工事や解体などを伴う工事の場合は、騒音や粉じんなどが予想されます。必ず挨拶をしておきましょう。工事の規模が小さくても、しっかり挨拶をすることでトラブルを防ぐことができます。

1-3.挨拶する範囲は「向こう三軒両隣」

「向こう三軒両隣」とは、両隣に加え、向かい側の三軒と裏手にある三軒を指します。家の周囲にある8軒には挨拶をしておいたほうが安心です。集合住宅の場合は、戸建て住宅より密集しているため、近隣への影響が大きくなります。なるべく広い範囲に挨拶をするようにしましょう。

2.工事の挨拶に関する基礎知識

工事の挨拶は、粗品や手土産を必要とするのでしょうか? 訪問するタイミングなどもご紹介します。

2-1.工事の10日〜1週間前までに挨拶をするのが目安

工事の挨拶は、早すぎても失礼にあたる場合があります。工事の10日〜1週間前までにしておくのが一般的です。また、早朝は避け、休日の夕方ごろに訪問するようにしましょう。なるべく明るいうちに、顔を見ながら挨拶をするのがマナーです。

2-2.施主と業者の両方から挨拶をしたほうがいい

工事開始前は、業者からも近隣に挨拶をしてもらえます。解体など大規模な工事の場合は、施主と業者がそろって訪問するのもいいでしょう。近隣住民から質問があっても、業者が直接答えてくれるため、安心感を抱いてもらえます。施主だけで訪問する場合は、きちんとした挨拶は1回で十分です。顔を合わせる機会があれば、都度挨拶をしておくと、近隣からも理解を得やすくなるでしょう。細かな気遣いを忘れないことが大切です。

2-3.粗品や手土産を持参すると印象がよくなる

粗品や手土産は、高価なものである必要はありません。普段使う雑貨や消耗品などに「御挨拶」と書かれたのしを添えて渡しましょう。のしには、施主の名前を入れるため、どこの家で工事があるのかを認知してもらうきっかけになります。粗品や手土産は、500〜1,000円程度を目安に用意しましょう。

2-4.工事期間や工事内容などを明確に伝える

近隣に挨拶をするときは、以下の内容を明確に伝えましょう。

  • 工事期間(工事開始日・工事完了日)
  • 工事の時間帯
  • 工事内容(騒音・臭気・粉じんの可能性や、人の出入りがあることをあらかじめ伝えておく)
  • 施工業者の連絡先及び担当者名

施工業者の連絡先を伝えておくことで、何か問題があった場合や疑問などがある場合に、近隣から直接問い合わせをしてもらえるメリットがあります。

2-5.挨拶の言葉は柔らかい言い回しが理想

工事の挨拶とはいえ、硬い表現を使うより、受け入れられやすい柔らかな言葉を使うほうがいいでしょう。「自宅の工事をすることになりました。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」などの言葉を伝えます。分かりやすく、丁寧に伝えるだけで、近隣も理解を示しやすいでしょう。

2-6.挨拶文を用意しておくのも大切

挨拶文には、口頭で伝えた内容と同じものを記載します。口頭で伝えただけでは、近隣の人は忘れてしまう場合があるため、より印象に残るよう、必ず挨拶文は用意しましょう。また、挨拶文を手渡すことで、より印象をよくすることができるのです。挨拶文には、施工業者の情報以外に、自分の連絡先も記載しておき、施工業者が休日にあたる場合でも自分で対応できるようにしておきましょう。書式に決まりはありません。インターネットで「工事 挨拶文」と検索すると、テンプレートやひな型が出てきます。それらに従って作成しましょう。

3.工事の挨拶に関する注意事項

工事の挨拶をするときに注意したいことをご紹介します。

3-1.業者任せにしないことが大切

工事では、騒音・臭気・粉じんだけでなく、振動なども近隣に伝わります。そのため、普段とは違う生活を余儀なくされる住民もいるのです。中には、車や庭木に飛散防止シートをかけてもらわなければならないケースもあります。洗濯物を室内干しにしてもらう必要もあるのです。そのため、施主がきちんと自分で挨拶回りをすることで、周囲から理解されやすくなります。業者任せにしないことが、トラブルを未然に防ぐ重要なポイントです。可能であれば、業者が挨拶をする際にも同行しましょう。

3-2.マンションと戸建て住宅でも挨拶回りに違いがある

マンションは密集しているため、工事中の音や振動が伝わりやすいものです。「向こう三軒両隣」に縛られず、なるべく広い範囲に挨拶回りをするように心がけましょう。また、管理組合や自治会などに挨拶をしておくと安心です。戸建て住宅の場合は、工事車両の出入りなどにより、通行の妨げになるケースがあります。近隣の住宅に車両を移動してもらう場合もあるため、事前に伝えておくことが大切です。

3-3.不在の場合は改めて訪問するか、玄関先に置いておく

不在の場合は、在宅する時間帯を確かめて再訪問しましょう。不在が続くようであれば、玄関先やポストなどに挨拶文と手土産を置いておきます。挨拶文は近隣に配布したものとは別に作成し、「何度かお伺いしましたが、ご不在でしたので手紙で失礼いたします」と書き添えておきましょう。

4.工事の挨拶でよくある質問

工事の挨拶に関する質問を集めました。参考にしてください。

Q.手土産や粗品にはどのような品が喜ばれるのか?
A.賞味期限がある食品などは避けたほうがいいでしょう。タオル・洗剤・ラップ・入浴剤・スポンジなどの雑貨なら、どの家庭でも使うことができ、重宝する品です。

Q.挨拶文には、工事をしない日も記載したほうがいいのか?
A.はい、記載したほうが親切です。施工業者が作業を行わない日は、近隣も安心して過ごすことができます。口頭で伝えると同時に、挨拶文への記載も忘れずに行いましょう。

Q.粗品や手土産に添えるのしは、外のしと内のしのどちらが適切か?
A.地域によって異なります。外のしには伝えたい内容がすぐ分かるメリットがあり、内のしは身内の喜ばしいことをおすそ分けする意味合いがあるのです。風習などを確認し、適切なほうを選んでください。

Q.施工業者は挨拶文を入れるだけで終えてしまうところもあるのか?
A.はい、あります。近隣に挨拶回りをしてくれる場合でも、対応がそれぞれ違うのが特徴です。見積もりの段階で、業者からどのような挨拶回りをしてくれるのか、きちんと確認しましょう。

Q.挨拶を怠ると、工事を中断しなければならなくなることもあるのか?
A.はい、あり得ます。近隣からのクレームにより、工事を中断しなければならなくなると、工事期間が長引いてしまい、費用もかさんでしまうものです。中には、騒音や振動などで日常生活に支障をきたし裁判に発展するケースもあるため、事前の挨拶が大切なポイントになります。

まとめ

工事の挨拶は、近隣とのトラブルを避けるために重要なものです。業者からも事前の挨拶はありますが、業者任せにせず、自分でも挨拶をしておくようにしましょう。手土産や粗品にのしをつけ挨拶文を添えると、より丁寧な印象を与えることができます。マンションと戸建て住宅では挨拶する範囲なども変わってくるものです。お住まいの環境に応じ、適切な挨拶ができるように心がけてください。