雨漏りを見つけたらどうすべきか? 業者による補修方法や費用を紹介
天井や壁などに雨漏りの跡を見つけると、とても不安な気持ちになりますよね。雨漏りは放置せず、すぐに対処することが大切です。どのように補修すればいいか分からない・自分でも補修は可能かなどの疑問も出てきます。雨漏りを見つけても慌てずに対処するため、応急処置の方法や業者に依頼する方法を覚えておきましょう。本記事では、雨漏りの補修についてご紹介します。
この記事を読むことで、雨漏りの補修についてよく分かります。雨漏りが起こる原因や放置する危険性も理解しておきましょう。雨漏りの対策を考えている方は必見です。
1.雨漏りのようなシミを見つけたらどうすべきか?
雨漏りが起こりやすい場所や原因などを見ていきましょう。雨漏りかどうかのチェック方法も併せてご紹介します。
1-1.雨漏りのチェック方法
雨漏りらしきシミを見つけたら、以下のポイントをチェックしてみてください。
- 天井や壁紙のたわみやシミ
- 押し入れやクローゼットのカビや湿気
- サッシに水分が溜(た)まる
- シロアリの発生
- 床材のたわみ
可能な場合は、家の外周りも確認してみましょう。
- 屋根材のひび割れや釘(くぎ)浮き
- ベランダや出窓付近のひび割れ
- 外壁塗装の剝(は)がれ
1-2.雨漏りは屋根や外壁から起きる
雨漏りは、大雨や台風の後に起こりやすいものです。雨水が屋根や外壁から侵入し、屋根裏や押し入れなどの見えない部分に広がります。雨の直後だけでなく、数日から数週間は水分が停滞し、徐々にシミとなって現れるのが特徴です。
1-3.雨漏りの原因は屋根や外壁の劣化が多い
屋根や外壁は風雨や紫外線があたるため、経年劣化が起こりやすいものです。ひび割れや釘(くぎ)浮きなどの劣化が、雨漏りの原因として挙げられます。定期的に塗り替えやリフォームなどを実施し、雨漏り対策を行うことが理想です。ただし、新築住宅でも雨漏りが発生することがあります。新築住宅の場合は、施工不良が原因です。新築住宅なら、まず施工業者に連絡をしてください。保証期間内であれば、費用をかけずに補修してもらうことができるでしょう。
1-4.雨漏りを放置すると家の寿命に影響する
雨漏りを放置した場合、浸水被害が広がり、家の躯体(くたい)までダメージを与えてしまいます。また、シロアリの発生により、家が倒壊する恐れもあるため、放置せずに補修することが大切です。
2.雨漏りの補修は自分でできるのか? 業者に依頼すべきか?
雨漏りの応急処置方法や対策グッズについてご紹介します。業者に依頼したほうがいいケースなども覚えておきましょう。
2-1.応急処置なら自分でもできる
雨漏りが起きた場合、応急処置を自分で行うことはできます。ひび割れや剝(は)がれなどをコーキングで穴埋めする・サッシや壁を防水テープでふさいで修理する・屋根にブルーシートをかけるなどの作業です。屋根から浸水している場合は、ひび割れや釘(くぎ)浮きが目立つ部分にビニールシートをかける方法もあります。しかし、屋根の上など高所作業は非常に危険です。無理に作業を行わないようにしてください。
2-2.応急処置をしても業者に点検は依頼したほうがいい
雨漏りは、肉眼では確認できない部分までひび割れが進行している場合があります。また、普段目に触れない部分に被害が広がっている場合もあるでしょう。応急処置を自分でしても、必ず業者に依頼し、原因の特定と徹底的な補修を依頼したほうが安心です。ほかにも雨漏りが予測される場所なども点検してもらいましょう。
3.業者による雨漏りの補修について
業者による雨漏りの補修方法や費用などについてご紹介します。
3-1.屋根は既存の屋根材を撤去して新設する
雨漏りの原因となっている劣化した屋根材を撤去し、コーキングなどで補修をし、新たな屋根材を新設します。スレートの場合、新設後に色を塗り、既存の屋根材に色味を合わせる作業も行うのが一般的です。釘(くぎ)浮きがある場合は、打ち直し作業も同時に行います。
3-2.ベランダ・天窓・出窓のひび割れはコーキングで補修
ベランダ・天窓・出窓は、劣化によってひび割れや亀裂が起こります。劣化箇所に防水コーキングを施してから、散水作業で浸水がないことを確かめる作業を行うのです。
3-3.外壁はクラックの深さに応じた処置をする
外壁のクラックは、ヘアクラックと呼ばれる小さなものから名刺の厚みより大きなものまでさまざまです。クラックの進行具合により、対処法が異なります。ヘアクラックの場合はコーキングによる補修、大きなクラックの場合はカッターでV字にカットし、モルタルやコーキングで補修をしてから塗装をするのが一般的です。
3-4.業者では必要に応じて専門的な調査を行う
業者が行う専門的な調査には以下のようなものがあります。
- 目視調査(職人が目視でひび割れなどの劣化箇所を確認する)
- サーモグラフィー調査(温度検知で浸水経路の確認が可能)
- 発光液調査(特殊液を流し、機械で発光している場所を確かめ、侵入経路を見つけ出す方法)
- 散水調査(水をまいて浸水経路を探す手法)
- 解体調査(屋根材などを部分的に撤去して原因を究明する方法)
専門的な調査には費用がかかります。予算が決まっている場合は、見積もりを出してもらう際に相談しましょう。
3-5.雨漏りの補修費用は補修箇所や範囲によって異なる
雨漏りの補修は、補修箇所や範囲によって変動があります。屋根の場合、屋根材の種類によっても費用相場が異なるものです。費用相場は、以下を参考にしてください。
【屋根】
- 板金の撤去と交換 30万〜100万円
- スレート交換 1枚あたり1万〜2万円
- 漆喰(しっくい)の塗り替え 30万〜80万円
- 瓦の交換 1枚あたり1万〜2万円
【ベランダ・天窓】
- 防水コーキング 5万〜25万円
【外壁】
- ひび割れの補修 5万円〜
- 補修後に外壁塗装をする場合 100万円〜
- 外壁材を重ねて張る場合 150万円〜
- 外壁の張り替えを要する場合 200万円〜
業者から、内訳と作業内容を明記した見積もりを出してもらい、費用を確認してください。
3-6.自然災害が原因の雨漏りは保険が適用されるケースもある
火災保険や住宅総合保険などでは、突風や台風などの自然災害による雨漏りが補償対象となるケースがあります。加入している保険によって適用条件が異なるため、保険会社に確認してみましょう。ただし、経年劣化や新築時の施工不良は対象外となるケースがほとんどです。
3-7.雨漏りの補修実績が豊富な業者を選ぶこと
雨漏りの原因を特定し、適切な処置をするためには、実績が豊富であることが重要です。必要に応じて専門的な調査ができるなど、技術力も高い業者を選ぶようにしましょう。
3-8.安すぎる業者は手抜き工事なども起こり得る
雨漏りの補修は、劣化の進み具合や症状により、費用がかさむことがあります。見積もりを比較し、安い業者に依頼したいと考えることもあるでしょう。しかし、極端に費用が安い業者の場合、手抜き工事が起こる場合があります。きちんと工事内容や内訳を確認し、信頼できる業者を妥協せずに選ぶことが大切です。
4.雨漏りの補修でよくある質問
雨漏りの補修に関する質問を集めました。
Q.わずかなすき間でも雨水が侵入することがあるのか?
A.はい、あります。すき間ができているのは、劣化が起きている証拠です。雨漏りによる被害が拡大する前に、家のメンテナンスや劣化箇所の補修を行いましょう。
Q.自分で雨漏りの補修をして悪化するケースもあるのか?
A.コーキングを誤った部分に使用してしまい、雨水の流れを悪くするなどの失敗例もあります。知識がないまま自分で応急処置をするより、業者に依頼したほうが確実です。
Q.雨漏りの補修に多額の費用をかけられない場合はどうすべきか?
A.調査の種類や補修方法によって費用が変わるため、見積もりの段階で業者に予算を相談してみてください。ただし、ダメージが大きい場合、きちんと費用をかけて補修することをおすすめします。
Q.雨どいの詰まりも雨漏りを誘発するのか?
A.はい、誘発します。雨どいにゴミなどが詰まっている場合、家の中に雨水が侵入してしまうのです。雨どいが劣化している場合は、交換しなければなりません。
Q.補修をしても、雨漏りが再発することはあるのか?
A.はい、あります。雨漏りが起きた原因の特定を誤って補修した場合、雨漏りが再発する恐れがあるでしょう。そのため、優良な業者にきちんとした調査を依頼し、確実な補修をしてもらうことが大切なのです。
まとめ
雨漏りは、屋根材・外壁・シーリングなどの劣化が原因であることが多くなっています。どこから雨水が侵入しているのかを特定し、適切な処置をすることが大切です。自分でも応急処置は可能ですが、必ず業者による調査を受けるようにしましょう。また、雨漏りの再発や施工不良などを防ぐため、実績豊富な業者に依頼してください。