会議室をレイアウトする際のポイントは? 効果や影響など徹底解説

会議室のレイアウトを変えるだけで、雰囲気はもちろん、会議の効率性もアップできることをご存じでしょうか。大切な打ち合わせやプロジェクトなどについて語り合う会議室は、とても重要な場所です。誰もが居心地よく有意義な時間が過ごせるように、どのようなレイアウトにすべきか悩んでいる方は多いでしょう。

本記事では、会議室をレイアウトする際のポイントなどを解説します。

  1. レイアウトが会議に与える影響は?
  2. 会議室をレイアウトする際のポイント
  3. 会議室におすすめのレイアウト7選
  4. 会議室のレイアウトに関してよくある質問

この記事を読むことで、会議室のレイアウト方法やポイントなどが分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。

1.レイアウトが会議に与える影響は?

最初に、レイアウトが会議に与える影響をチェックしておきましょう。

1-1.会議室のレイアウトが集中力アップにつながる

部屋のレイアウトを少し変えるだけで雰囲気が変わるように、会議室のレイアウトも大きな影響を与えることになります。会社の働き方やワークスタイルなどに合わせた会議室にすることで、集中力や仕事効率のアップにつながるでしょう。たとえば、初めて会う人との会議でパーソナルスペースが近いと話に集中できなくなりますよね。また、せっかく大切な内容について話をしているのに、逆に席が遠いと話が聞こえなくなってしまうでしょう。会議に参加している全員が話しやすいように工夫することで、大切な話に集中できるようになります。

1-2.有意義な会議を進めることができる

会議室のレイアウトを変えると、有意義に会議を進めることができるようになります。働き方や会社の意図に合っていない会議室では、有意義な会議を進めることができません。なお、有意義な会議とは、参加者全員がお互いの意見を交換し、アイデアを出しやすい環境のことです。その結果、組織に良い影響が生まれ、生産性がアップするでしょう。会議室のレイアウトを変えるだけで、会社全体に良い流れが生まれるというわけです。

1-3.ストレスフリーな空間が生まれる

ストレスがかからない空間が生まれるのも、会議室のレイアウトを変える大きなメリットです。たとえば、大きなコの字型にレイアウトされた部屋では、形式的な話し合いになってしまうでしょう。いわゆる、典型的な役員会議のような雰囲気です。形式的な話し合いの場では、上の人の意見が主張され、あまり異論を出してほしくないという雰囲気となります。そのような雰囲気の中では、ストレスを感じやすくなってしまいがちです。会議室はストレスフリーな雰囲気を作り出すことが大切なポイントになります。

1-4.会議の雰囲気を決めるのはレイアウト

前述したように、会議の雰囲気を決めるのはレイアウトにかかっているといえるでしょう。会議室のレイアウト案はたくさんあり、社内の風紀や目標・ワークスタイルなどで合わせることが大切です。どんな内容について話し合うことになるのか、いつどういうときに会議室を使うことが増えるのかなど、改めて会議室のあり方を見直してください。

2.会議室をレイアウトする際のポイント

ここでは、会議室をレイアウトする際のポイントを解説します。

2-1.参加者1人あたりのスペースを確保する

会議室をレイアウトする際に大切なポイントは、参加者1人あたりのスペースです。基本的に、会議室で座席を配置する場合、参加者1人あたりの必要スペースは約2~3㎡といわれています。パーソナルスペースというものがあり、親しい相手でないと2~3㎡以内にいることが不快に感じるようになるのです。相手が重要人物であるほど緊張してしまい、うまく会議が進められなくなるでしょう。そして、1人あたりのスペースはもちろん、座席幅も短時間の場合は1人あたり600~700mm、資料やPCなどを使用する場合は1人あたり700~800mmがベストだといわれています。なお、テーブルの奥行きは、短時間の場合1人あたり450~600mm、資料やPCなどを使用する場合は600~800mmが必要です。

2-2.どのくらいの人が入れるか

会議室のレイアウトを決める前に、どのくらいの人が入れるか目安人数をハッキリ明確にすることが大切です。会議室の人数によって、デスクやチェアの配置・スペースの目安などが大きく異なります。オフィスの会議室作りは、部屋の広さに合わせて1人あたりの必要なスペースを決めるところから始まるものです。会議室の人数が増えて10~30人規模になると、限られたスペースにいかに収容するかが大切な要素となります。スペースが足りなければ1人あたりのスペースを狭めることになりますが、あまり狭くしすぎてしまうとPC作業やメモを取ることができなくなるでしょう。どのくらいの人が入るのか・どんな用途で会議室を使うのか確認してください。

2-3.テーブルの種類とサイズ

1人あたりの必要なスペースを確保したら、そのスペースに合わせたテーブルの種類とサイズを決めることになります。テーブルの種類とサイズは、会議室の用途によって異なるので要注意です。4~10人という比較的小規模な会議室なら、対面形式・島型形式・コの字形式のテーブルが最適といえるでしょう。どの形式にするかによって、最適なテーブルの種類とサイズを選んでください。なお、レイアウトの形式に関しては、後ほど【3.会議室におすすめのレイアウト7選】で具体的に説明します。

2-4.通路スペースの確保

会議室の広さに合わせて、1人がスムーズに通れるための通路スペースを確保することもレイアウトで重要なポイントとなります。1人あたりのスペースは確保しているのに通路スペースを確保しておかなければ、通路が通りにくくなってしまうからです。通路スペースでも1人がスムーズに通るためには、幅60cmの通路が必要となります。テーブルのレイアウトや数に合わせて通路を確保することも忘れないでください。

3.会議室におすすめのレイアウト7選

それでは、会議室におすすめのレイアウトを7選紹介します。

3-1.スクール形式

正面に講師席があり、塾や学校の先生と生徒の関係のようにすべての机・椅子が正面を向いているレイアウトのことをスクール形式といいます。スクール形式はよく勉強会やセミナー・講演会などの場で見かけることが多い形式です。1人の講師が複数の受講者に対して講義などを行う際は、スクール形式が合っているといえるでしょう。スクール形式の大きな特徴は、受講生1人1人の顔を確認しながら進めることができる点です。生徒となる受講者は、スクリーンや黒板を見ながら板書したり、そのままの姿勢で話を聞いたりすることができるでしょう。

3-2.シアター形式

スクール形式と似たようなレイアウトがシアター形式です。座席がすべて正面を向いていますが、机がなく椅子だけを並べる形式がスクール形式との大きな違いとなります。机を設置せず、映画館のように椅子を並べるだけなので、より多くの人数を収容できるのが大きなメリットです。よく、入社式・講演会・説明会・報告会など筆記を行う必要がないケースに見られるレイアウトとなります。

3-3.コの字形式

机を正面に向かってコの字型に配置するの形式です。コの字の開いた部分が正面に向くようにテーブルを配置するため、司会者をぐるりと囲むような形になるでしょう。司会者となる人物は正面や横の顔を合わせながら、進行することができます。よく、プレゼン発表や業務報告を行う際に選ばれるレイアウトです。また、コの字のあいた部分にプロジェクタースクリーンやホワイトボードを設置することで、全員で確認しながら会議を進めることができます。

3-4.口の字形式

参加者全員が内側を向くように口の形に長机を設置するスタイルです。外周に椅子を配置することで、参加者全員が顔を見ながら意見交換したり、話し合いをしたりすることができます。常に誰かに見られているという緊張感が生まれるでしょう。そのため、役員会議や国際会議などで使われる形式でもあります。ただし、口の字形式のレイアウトにすると中央にデッドスペースが生まれてしまうので、ある程度の広さを確保しなければなりません。

3-5.島型(アイランド)形式

講師や司会者となる席とは別に、会議室内に座席・机の組み合わせを複数作るレイアウトのことを島型形式といいます。まるで、1つの室内に座席と机のセットがアイランドのように複数配置されているのが大きな特徴です。同じ島に座っているグループごとにディスカッションをしたり、制作作業を行ったりする際によく使われるレイアウトでもあります。

3-6.対面形式

長テーブルを対面で合わせて参加者を横並びで座らせるようにしたレイアウトを対面形式といいます。ほとんどの会社では、対面形式の会議室を採用しているといってもいいでしょう。主に、会議・商談・採用面接などのビジネスシーンで採用されることが多いですが、お見合いや結婚の挨拶などでも使われる形式です。テーブルを挟んで向かい合って座ることになるため、発言しやすくなります。

3-7.正餐(せいさん)形式

座席で取り囲んだ円卓を室内に複数配置するレイアウトが、正餐形式です。よく、中華料理屋で見られるレイアウトといえるでしょう。ビジネスシーンはもちろん、懇親会・歓送迎会などでも用いられます。一般的に、洋風のパーティーではメジャーなレイアウトとなっており、結婚披露宴やパーティーでは正餐形式でレイアウトするのがほとんどです。

4.会議室のレイアウトに関してよくある質問

会議室のレイアウトに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.目的別の形式選びのポイントは?
A.会議室にどのくらいの人数を収容するかがポイントです。たとえば、多人数に向けた情報伝達が中心の場合、少人数~多人数の収容が可能なスペースを確保し講義・発表会に向いている形式が最適といえるでしょう。少人数~24人程度でワークショップなどを行う際は、口の字形式またはコの字形式がおすすめです。少人数~15人程度で活発に意見交換を行いたい場合は、円卓形式をおすすめします。

Q.机の並び方にはどんな種類があるのか?
A.スクエア型・ラウンド型・連結型の3種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • スクエア型:会議室で1番多い机の並び方で、一体感・規則的・動きのない印象を与える
  • ラウンド型:親しみやすさ・自由・やわらかさという印象を与えることができるため、チームのアイデア出しや初対面での会議におすすめ
  • 連結型:大人しさ・重苦しさ・古めかしさという印象を与えるため、セミナー・説明会などにおすすめ

Q.会議室の照明や空調設備も大事か?
A.とても重要です。証明は青色に近いほど脳の活性化を促し、集中力を引き出すことができます。昼白色は明るい雰囲気作りに最適で、電球色は安らぎを与え、脳がリラックスできるでしょう。また、空調設備もしっかりと整えることで快適な空間へと変貌します。

Q.色を決める際のポイントは?
A.会議室の色によって人が受ける印象を大きく変えることができます。たとえば、オレンジや赤色などの暖色と呼ばれる色は脳の働きを活性化させる効果が期待できるため、議論を広げる際に有効といえるでしょう。拡散会議は暖色、検討会議やプレゼンテーションなどの収束会議は白色がベストです。

Q.会議室で避けるべきレイアウトは?
A.ほかの参加者との距離が近すぎたり、遠すぎたりする配置は会議室に向いていません。このようなレイアウトにしてしまうと、隣人のペンの音や体を動かす音などが気になって、集中できなくなってしまいます。また、発言者が遠すぎると発言が聞き取れず、意思疎通ができなくなってしまうので要注意です。

まとめ

会議室のレイアウトにはさまざまな形式があります。過去の課題を解決したり、情報共有をしたり、新たなプロジェクトを決めたりするなど、会議室は大切な場所です。だからこそ、用途に合ったレイアウトにすることが大切といえます。有意義な会議にするため、しっかりとレイアウトのポイントを押さえることが大切です。より良い効果を生むためにも、最適なレイアウトができるように知識を習得してください。