店舗の閉店時に在庫・不用品を処分する方法〜お得に処分するコツ〜

店舗の閉店が決まったら、今ある在庫をできるだけ少なくしておかなければなりません。在庫や不用品が多くなるほど、処分費用が高くなってしまいます。また、事業目的で使用したものは産業廃棄物扱いとなるため、一般ゴミとは異なる方法で処分することが必要です。

そこで本記事では、店舗閉店での在庫処分方法とポイントを解説します。

  1. 店舗閉店時に必要なこと
  2. 店舗閉店の不用品処分ポイント
  3. 店舗閉店の在庫処分ポイント
  4. 店舗閉店時の処分に関してよくある質問

この記事を読むことで、店舗閉店時の不用品と在庫をお得に処分する方法が分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.店舗閉店時に必要なこと

まずは、店舗閉店時に必要なことをチェックしておきましょう。

1-1.店舗の設備をどうするか決める

店舗を閉めることになった場合、厨房器具・テーブル・イスなどの店舗設備やインテリアをどうすべきか考えなければなりません。物件内容の契約内容や新オーナーの意向などを踏まえた上で、スケルトンもしくは居抜きという2つの方法どちらかを取るのが一般的です。スケルトンは、天井・床・壁などすべての内装と設備を取り払い、何もない状態にすることを指しています。一方、居抜きは店舗の設備をそのまま残して、次のテナントに売却する方法です。どちらの方法を選択するかは、オーナーとの話し合いで決めてください。うまくいけば、短期間でスムーズな引き渡しができます。

1-2.汚れが目立つ、古くなっている設備は処分

居抜きが選択できれば、自分たちで設備を処分する必要がないのでスムーズな引き渡しができますが、すべての設備やインテリアが残せるわけではありません。基本的に、居抜きができるのは正常に使用できる状態の設備とインテリアに限ります。明らかに汚れが目立ったり、古くなったりしている設備は、次の入居者側から見ると使えないものになるため、残せないケースがほとんどです。その場合は、自分たちで処分する必要があります。店舗閉店が決まったときは、設備とインテリアの状態も併せてチェックしておきましょう。

1-3.不用品を早めに処分する

要らないものを早めに処分するのも、店舗閉店時の大切なポイントとなります。店舗から出る不用品は、家庭ゴミよりも大きめのサイズが大きく、使い道が限られるケースがほとんどです。調理器具・事務用品・特殊な機材などが大量に発生するケースもあります。引き渡し当日までに不用品は、すべて撤去し処分しておきたいところです。余裕を持って処分したほうが、買取にも出せるので処分費用を抑えることができるでしょう。

1-4.店舗から出たゴミは産業廃棄物扱い

店舗から出たゴミは、普通のゴミとして処分できないので注意が必要です。事業目的で使用したものは、すべて産業廃棄物扱いとなります。産業廃棄物は自治体での処分ができないため、事前に回収してくれる不用品回収業者を選んでおかなければなりません。「時間がないから……」と適当に業者を選んでしまうと、高額な費用を支払ったり不法投棄されたりというトラブルになる恐れがあります。時間に余裕を持って、産業廃棄物の処分方法を考え、安心して依頼できる業者を選ぶことが大切です。

2.店舗閉店の不用品処分ポイント

では、店舗閉店時に出た不用品はどのように処分すればいいのでしょうか。

2-1.産業廃棄物は自治体で処分できない

前述したように、店舗から出た不用品はすべて産業廃棄物扱いとなるため、自治体で処分できません。ただし、使い古した厨房機器や備品は買い手が見つからず、手放すのが困難でしょう。そんなときは、各自治体が許可を与えた処理業者へ連絡する方法があります。産業廃棄物収集運搬許可を取得した業者へ回収を依頼し、必要に応じた処分費用と運搬費用を支払うことで、スピーディーな処分が可能です。どの業者へ依頼すればいいのか分からない場合は、自治体に問い合わせてください。間違ってもゴミ捨て場に持ち運ばないように気をつけましょう。

2-2.業者に依頼する

業者に依頼する場合は、不用品買取業者・買取専門店・買取処分クリーニング業者・リサイクルショップなどがあります。ここでは、それぞれの特徴をチェックしていきましょう。

2-2-1.不用品買取業者

さまざまな不用品の買取を行う業者に依頼することで、買取処分ができます。不用品買取業者なら不用品の仕分けが必要ありません。また、中には、買取サービスと処分を同時に行っているところもあります。買取不可になっても、処分が依頼できるのでスピーディーに手放せるでしょう。大量の不用品も回収・買取が可能なので安心です。

2-2-2.店舗備品などの買取専門店

購入したばかりの厨房機器や、中古市場で需要が高い店舗備品などは、買取専門店に依頼するといいでしょう。専門分野に特化しているので、価値あるものは適切な買取額で取り引きできるのがポイントです。需要が高いものは、特化した買取専門店へ依頼してください。

2-2-3.買取処分クリーニング業者

買取処分クリーニング業者は、不用品の買取だけでなく、クリーニングサービスも実施しています。店舗内のクリーニングを請け負っているので、不用品や備品処分と同時に掃除できるのが大きなメリットです。費用はかかりますが、時間がかからないので急を要する際や手間と時間をかけたくない方におすすめの方法といえるでしょう。

2-2-4.リサイクルショップ

近場のリサイクルショップへ直接持ち込むのも方法の1つです。すぐに査定が依頼できるので、スムーズに処分できるでしょう。ただし、リサイクルショップはさまざまなジャンルを扱っているため、買取額が安くなる傾向があります。買取専門店などで売れなかったものを、リサイクルショップへ売るという方が多いでしょう。

2-3.ネットオークションやフリマサイトを利用する方法も

自分で店舗備品を売る場合、ネットオークションやフリマサイトを利用する方法もあります。希望額で出品できるのが大きなメリットですが、納得のいく値段で落札されるまで時間がかかる可能性があるでしょう。また、落札者への商品送付や入金確認などで手間がかかるのもデメリットです。古くて需要が低い店舗備品は落札されないケースが多いので注意してくださいね。どうしても売りたいときは、デメリットを踏まえた上で利用しましょう。

3.店舗閉店の在庫処分ポイント

店舗閉店における在庫処分のポイントをチェックしておきましょう。

3-1.最終セールを実施する

店舗閉店が決まれば、閉店日までに最終セールを実施し、在庫処分を行う必要があります。なるべく在庫を減らすことで、不用品処分にかかる費用を抑えることができるでしょう。閉店日まで最終セールの実施を周囲へ伝え、在庫の値下げを行います。最終セールのポイントは、消費者へ余りものだという印象を与えるのではなく、普段よりお得だという印象を与えることです。常に値下げをするよりも、夕方ごろや休日など値下げ期間を限定するのも、最終セールのポイントになるでしょう。

3-2.買取処分を行っている業者へ依頼する

残った在庫品や倒産品などを中心に、買取処分を行っている業者があります。最終セールで値下げをしても売れなくても、買い取ってもらえるものは、業者に買い取ってもらいましょう。そうすることで、処分にかかる費用を最小限に抑えられますし、まだ使えるものを無理に処分する必要もありません。買取処分業者を選ぶ際は、なるべく在庫のジャンルに強いところを選びましょう。

3-3.業者選びのポイント

在庫処分の回収・買取業者を選ぶ際のポイントを以下にまとめました。

  • 産業廃棄物収集運搬・古物商許可を取得しているか
  • 在庫処分の回収と買取を行っているか
  • 無料見積もり・無料相談を受けつけているか
  • 回収や買取実績があるか
  • 格安回収・高価買取をしてもらえるか
  • スタッフの対応が丁寧かつスピーディーか

特に、産業廃棄物収集運搬・古物商許可を取得しているか否かチェックしてください。許可を取得していない業者は、不正を働いているのでトラブルの原因となります。上記のポイントを踏まえた上で、慎重に業者を選びましょう。

3-4.悪徳業者に要注意!

「安く買い取られてしまった」「後で追加費用を請求された」など、業者との間でトラブルが続出しています。慌てて在庫を処分してしまうと、悪徳業者に引っかかる可能性が高くなるので、時間に余裕を持つことが大切です。時間に余裕があれば、業者選びを慎重に行うことができます。また、複数の業者を比較し、なるべく在庫処分・買取実績があるところを選びましょう。スタッフの対応が悪く、詳細を話してくれないような業者には注意してください。

4.店舗閉店時の処分に関してよくある質問

店舗閉店時の処分に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.不用品回収業者へ在庫処分を依頼するメリットは?
A.大量の店舗設備や在庫をまとめて処分できることです。自分で1つずつ分別したり捨てたりするのは、時間と手間がかかってしまうでしょう。店舗備品の回収を中心に行っている業者なら、種類や量に応じて適切に処分してくれます。大きいものや重いものでも運び出すノウハウを身につけているので安心です。ただし、トラックの台数や運び出しによっては、追加料金がかかる可能性があるので見積書を細部まで確認する必要があります。

Q.設備や在庫処分にかかる費用はいくらぐらい?
A.不用品の種類・大きさ・重量・量などで異なりますが、ほとんどの回収業者では、1点あたり3,000~5,000円で処分を行っています。ただし、あくまで目安となるため、在庫の種類によってはもっとかかることもあるでしょう。また、処分費用に加え、運搬や搬出にかかる費用も支払う必要があります。なるべく費用を抑えたい方は、定額パックプランが用意されている業者へ依頼するといいでしょう。

Q.店舗閉店を低コストに抑えるポイントは?
A.不用品の回収と買取・クリーニングまで一貫して依頼できる業者を利用することです。店舗を閉店する場合、備品や設備・在庫品の処分からすべてを運び出した後の店舗内クリーニングまで行わなければなりません。それぞれの作業を別々の業者へ依頼するよりも、一貫して行うことができる業者へ依頼したほうが、コストを最小限に抑えることができるでしょう。また、買い取ってもらえるものは、買取に出してください。

Q.高く売れる店舗備品や高価買取のコツは?
A.ガラスケース・ショーケース・システム什器(じゅうき)・大型の厨房機器などは、中古市場での需要が高いので高く売れる可能性があります。また、飲食店の場合は、食器類・テーブル・調理道具一式も高価買取が可能です。ただし、古くて使えない・壊れているものは買取対象にはならないので注意してください。高価買取のコツは、購入時についてきた取扱説明書などの付属品をそろえることです。事前に掃除をしキレイにするのも大きなポイントとなります。

Q.買取業者選びで気をつけておきたいことは?
A.きちんと契約書などの書類を用意する買取業者を選ぶことです。口約束だけで取り引きを進める業者は、後で高額な追加料金を請求するなど不正行為を働く恐れがあります。事前に、契約書や領収書をいつ発行してもらえるか確認しておきましょう。また、出張買取を行っている業者か確認することも大切です。店舗の備品やインテリアはたくさんあるため、持ち運ぶのが困難でしょう。出張買取を依頼すれば、手間と時間をかけることなく在庫処分ができます。

まとめ

店舗の閉店時に困りがちな在庫や不用品の処分は、大量にあるほど費用がかかりますが、買取という方法で費用を最小限に抑えることができます。処分するしかないと思われるものでも、買取対象の可能性があるのです。店舗で使用する厨房機器やオフィス家具なども需要があるので、まずは査定を依頼してください。中古市場で需要があるものは、店舗備品に特化した買取専門店へ依頼するといいでしょう。ほかにも、リサイクルショップ・不用品回収業者・買取処分クリーニング業者などがあります。また、余裕を持って処分することで、慌てずスムーズに在庫処分ができるでしょう。売れるものは売り、処分費用を抑えてください。