シリコン塗料の特徴は? ほかの種類との違いや注意点などもご紹介

塗料の中でも、シリコン塗料は幅広く使用されています。比較的安価で使いやすいシリコン塗料ですが、使用する際はメリットとデメリットがあることを知っておかなければなりません。シリコン塗料は、ほかの塗料とどんな違いがあるのか、どんな場所に適しているのかなど、分からない点も多いでしょう。塗料選びで迷っている方は、シリコン塗料について知識を持っておくと安心です。

そこで、本記事では、シリコン塗料の特徴や注意点などについてご紹介します。

  1. シリコン塗料の特徴
  2. シリコン塗料が適している場所
  3. シリコン塗料を使用する際の注意点
  4. シリコン塗料でよくある質問

塗料にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。シリコン塗料の使用を検討されている方は、シリコン塗料について正しく理解しておきましょう。

1.シリコン塗料の特徴

シリコン塗料は、ほかの種類とどんな違いがあるのでしょうか? 特徴などをご紹介します。

1-1.コスパがいい

シリコン塗料は、比較的安価で施工できるのに対し、耐久性が優れているため、コスパがいい塗料として知られています。耐久年数の目安は、12〜15年と長寿命です。

1-2.汚れにくい

シリコン塗料は撥水効果があるため、汚れが付着しにくいのが特徴です。そのため、メンテナンスの手間を大幅に削減できるメリットがあります。

1-3.光沢がある

シリコン塗料には艶出し効果があるタイプがあります。施工後も長期間光沢が持続するため、美しい外観を維持できるでしょう。光沢にもいくつかの種類があり、好みの光沢具合を選ぶことができます。

1-4.シリコン塗料には3つの種類がある

シリコン塗料は、大きく分けて3つの種類があります。水性塗料・溶剤1型油性塗料・溶剤2型油性塗料です。施工箇所や用途に応じ、種類を使い分けることができます。油性塗料は水性塗料より費用が高くなりますが、耐久性に優れているのが特徴です。

1-5.ほかの種類との違い

シリコン塗料は、アクリル塗料やウレタン塗料より寿命が長いのが特徴です。アクリル塗料は5〜7年、ウレタン塗料は8〜10年が平均寿命となっています。平均寿命12〜15年のフッ素塗料とほぼ同等の耐久性があっても、施工費用が安価なため、費用を抑えて施工できるため、費用対効果が高い塗料だといえるでしょう。

1-6.水性塗料は臭気が控えめ

一般的に、塗料には臭気があります。しかし、水性のシリコン塗料は塗料特有の強い臭気を抑えているため、施工時の臭いに関するトラブルを回避できるのがメリットです。環境にも優しい塗料として知られています。

2.シリコン塗料が適している場所

シリコン塗料は、どんな場所の施工に向いているのでしょうか?

2-1.外壁

シリコン塗料は施工費用が比較的安価でありながら、耐久性に優れ、長寿命であるのが特徴です。そのため、外壁の塗装に適しています。ただし、弾性に優れたシリコン塗料をサイディングボードに施工すると、塗膜が膨張してしまう場合があるでしょう。サイディングボードへ施工する際は、非弾性塗料を選んでください。外壁用シリコン塗料には、以下のようなものがあります。

  • 日本ペイント:ハナコレクション100ファイン(弱溶剤・1液型)・水性サーモアイウォールSi(水性・1液型)
  • エスケー化研:クリーンマイルドシリコン(弱溶剤・2液型)・水性セラミシリコン(水性・1液型)
  • 関西ペイント:セラMシリコンⅢ・セラMシリコンⅢ弾性(どちらも弱溶剤・2液型)・コスモマイルドシリコンⅡ(弱溶剤・2液型)

2-2.屋根

シリコン塗料は遮熱効果があるため、屋根の塗装に適しています。スレート・金属・トタン・セメント・コロニアルなど、さまざまな屋根材に使うことができるのが特徴です。屋根用シリコン塗料には、以下のようなものがあります。

  • 日本ペイント:サーモアイSi(弱溶剤・2液型)・サーモアイ1液Si(弱溶剤・1液型)・水性シリコンベストⅡ(水性・1液型)
  • エスケー化研:クールタイトSi(弱溶剤・2液型)・ヤネフレッシュSi(弱溶剤・2液型)
  • 関西ペイント:スーパーシリコンルーフペイント(弱溶剤・1液型)

3.シリコン塗料を使用する際の注意点

シリコン塗料を使う際は、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか? 注意点をご紹介します。

3-1.シリコン塗料は重ね塗りには向かない

シリコン塗料は、ひび割れが生じやすいのがデメリットです。そのため、重ね塗りには向きません。塗り直しをする際は、既存のシリコン塗料を完全に落とすことが大切です。

3-2.耐久性を意識する場合はシリコン含有率をチェックすること

シリコン塗料は、種類によって耐久性が異なります。塗膜の耐久性を意識するなら、シリコン含有率をチェックして選びましょう。一般的に、1液型より2液型のほうが耐久性に優れているとされています。

3-3.2液型は再利用できない

シリコン塗料には、1液型と2液型があります。1液型は耐久性が低いものの、比較的安価です。2液型は1液型より費用が高くても、耐久性に優れています。しかし、2液型は異なる液体を組み合わせて使用することから、水性・油性ともに再利用できないので注意してください。

4.シリコン塗料でよくある質問

シリコン塗料に関する質問を集めました。

Q.シリコン塗料はDIYでも使えるのか?
A.DIYには向きません。というのは、シリコン塗料は混ぜるのに熟練した技術を要するため、一般の人には扱いにくい部分があるからです。

Q.シリコン塗料の光沢は選ぶことができるのか?
A.はい、選ぶことができます。光沢にはいくつかのグレードがあり、どの程度艶出し効果を望むかで、塗料の種類を決めましょう。

Q.大手メーカー以外のシリコン塗料はどうなのか?
A.大手メーカーに比べ、無名メーカーのシリコン塗料は、品質が劣る傾向があります。平均寿命より短い期間ではがれやひび割れなどが生じる恐れもあるでしょう。塗料を選ぶ際は、できるだけ大手メーカーのものを選んでください。

Q.シリコン塗料は、アルミやステンレス製品にも使えるのか?
A.はい、使えます。ただし、油性シリコン塗料に限定されるので注意してください。油性シリコン塗料は雨水にも強い特性があるため、サッシなどの塗装にもおすすめです。

Q.シリコン塗料はカビにも強いのか?
A.はい、シリコン塗料は、防カビ効果もあります。外壁や屋根は、風雨にさらされているため、湿気がこもりやすく、カビが生えることがあるでしょう。防カビ効果があるシリコン塗料を使えば、カビ対策にもつながります。

まとめ

シリコン塗料は、広く使われている塗料です。比較的安価でありながら、寿命が長いことが、安定した人気につながっています。シリコン塗料の特徴やほかの種類との違いを知り、塗装時の塗料選びに役立ててください。また、注意点も併せて覚えておきましょう。