家の建て替え期間や流れを紹介!成功のために知っておくべきこと
家の建て替えについてお悩みではありませんか? 長く住んでいると家の老朽化がすすみ、建て替えやリフォームを検討するようになるでしょう。部分的にリフォームをするべきか、思いきって立て直してしまうか、悩む人は多いはずです。
今回は、建て替えの期間や方法・業者を選ぶ際のポイントなどをまとめてご紹介したいと思います。
この記事を読むことで、家の建て替えに関することが分かるはずです。ぜひ参考にして、検討してみてください。
1.家の建て替えに関する基礎知識
家を建て替えるにあたって知っておくべき基礎知識をまとめました。
1-1.お金のこと
まずは、家の建て替えにかかわるお金のことをご紹介します。
1-1-1.頭金
まずは、頭金についてです。必ず用意しなければならないというものではありませんが、頭金が多ければ当然、ローンの返済が楽になります。今住んでいる家のローン返済が終わっているかなど、状況によって頭金をどうするか考える必要があるでしょう。
1-1-2.税金
家を建て替える場合、不動産所得税や固定資産税・都市計画税・登録免許税などさまざまな税金がかかってきます。いくつかの条件を満たすことで減税措置を受けられるものもあるため、事前にしっかりと調べておいてください。
1-1-3.ローン
もちろん、建て替えの場合もローンを組むことができます。住宅ローンの返済が残っている状態で、建て替えが必要になった人をサポートする「建て替えローン」というものもあるため、ぜひチェックしてみてください。そのほかにも選択できるローンはいろいろあるので、自分に合ったものを選びましょう。
1-1-4.補助金
エコ住宅への建て替えに対して補助金がもらえる制度もあります。耐震性のない住宅を省エネ性能の高い住宅に建て替えた場合、国から最大50万円が補助されるのです。補助額は省エネのレベルによって変わってくるため、事前にしっかりと調べておきましょう。
1-1-5.予算
建て替えを検討する前に、予算をしっかりと決めておきましょう。何にいくらかかるのかを把握しておかなければなりません。「実際に工事が終わってみたら予算オーバーだった」という例もあるため、そのようなことにならないように注意が必要です。
1-2.時期・タイミング
建て替えのタイミングについては、悩む人が多いと思います。建て替えを検討するきっかけは、大きく分けて「建物の老朽化」と「ライフスタイルの変化」があるでしょう。具体的には、以下のようなケースです。
- 老朽化が目立ち、部分的にリフォームするよりも建て替えのほうがメリットが大きいと感じる
- 震災に備えて耐震性能をアップしたい
- ライフスタイルが変化して大がかりな間取りの変更が必要になった
1-3.解体について
新築との大きな違いは、建物の解体が必要という点です。解体は手作業と機械作業の両方で行われるのが一般的で、どこをどの方法で解体するかによって費用や時間が変わってきます。解体の対象にしてほしくないものがあるときなどは、解体業者としっかりコミュニケーションをとることが、作業を円滑にすすめるポイントになるでしょう。
1-4.流行(りゅうこう)・エコや環境について
近年は、エコ住宅への建て替えを検討する人が増えてきています。エコ住宅には、建て替えの際に補助金をもらえる制度があるだけでなく、「光熱費を抑えられる」「自然災害時も対応できる」などのメリットがあるのです。老朽化やライフスタイルの変化を理由に建て替えを検討する人たちの中にも、「せっかくだからエコ住宅に建て替えたい」と思う人が多くなっています。
1-5.仮住まい・引越しについて
建て替えの際には、仮住まいへの引越しが必要になります。近所に仮住まいさせてもらえる実家などがない場合は、意外と仮住まい先を探すのが大変です。仮住まい先としてホテルや短期賃貸マンションなどを選択する人も多くなっていますが、ペットが不可のところが多いなど、状況によっては厳しくなることもあるでしょう。
2.家の建て替え、リフォームとの違い
建て替えはリフォームとどう違うのでしょうか。
2-1.リフォームとの違いとは?
リフォームとは、老朽化した内外装や設備などを新しくすることです。必要な部分だけリフォームして使用できる部分はそのまま残します。この部分が建て替えとの大きな違いでしょう。建て替えにもリフォームにもそれぞれメリットとデメリットがあるため、どちらを選択すべきかは状況に合わせて決めるべきです。
2-2.どちらにすべきか?
建て替えとリフォーム、それぞれの特徴を把握した上で、どちらを選ぶべきか決めましょう。
2-2-1.建て替えを選択すべき場合
- 間取りを大幅に変更したい
- 安全性の高い家にしたい
- 家を一新したい
2-2-2.リフォームを選択すべき場合
- 思い入れのある家を壊したくない
- 住みながら工事してもらいたい
- 工事期間を短く済ませたい
2-3.注意点
建て替えとリフォームで迷った場合、費用で比較する人は多いでしょう。しかし、初期費用だけを見て考えるのは危険です。確かに建て替えは、廃棄物が多い分処分費用がかさみます。家具を粗大ごみとして捨てる際の費用や、家電を引き取ってもらう際のリサイクル料が発生するでしょう。さらに、仮住まいの準備も必要になるため、リフォームよりお金がかかるイメージがあります。しかし、リフォーム工事は建て替えよりも細かい工事が多いため、工事単価が割高になる可能性が高いのです。また、建て替えのほうが建物自体の寿命は長くなります。目先の工事費用だけでなく、長い目で見て比較することが何よりも大切といえるでしょう。
3.家を建て替える方法
家を建て替える方法や流れなどをまとめました。
3-1.まずどうするのか
家の建て替えを検討したら、まず計画を立てることからはじめましょう。家族全員で話し合いをし、具体的な希望を書き出してみてください。新しい家でほしいもの・やりたいことは何か、どのような間取りにしたいかなどを書き出し、優先順位をつけていきます。もちろん、資金計画も明確にする必要があるでしょう。毎月の希望返済額や全体の限度額などを考え、自己資金をいくら用意するか考えてください。
3-2.主な流れ
建て替えの主な流れは以下のとおりです。
- 設計打ち合わせ
- 解体費用見積もり
- 仮住まいへの引越し
- 解体
- 新しい家の建築
- 引き渡し
- 仮住まいからの引越し
3-3.種類
家を建て替えるにあたって、住宅工法の種類を知っておきましょう。現在、日本の住宅工法は主に以下のようなものがあります。
- 在来工法:最も主流の工法。外壁材料や屋根形状の自由度が高い
- ツーバイフォー工法:北米で主流。耐震性にすぐれ、火災にも強い
- プレハブ工法:大量生産を目的とした工法。自由な寸法での家づくりができない
- 重量鉄骨造:高層ビルを建てるのと同じ工法。間取りの自由度が高い
- 鉄筋コンクリート造り:強さとしなやかさを併せ持つ。コンクリートの品質管理が重要になる
- ログハウス:木材を積み上げて壁をつくる
3-4.希望
次に、どのような住まいを希望しているのか明確にしていきましょう。
- 比較的自由度の高い木造がよい
- 子供の成長に対応できる家にしたい
- 二世帯住宅にしたい
- 地震に強い家にしたい
家族構成やライフスタイルによって希望のポイントは異なるでしょう。自分が暮らしていく上で何を重視すべきかをじっくりと考えて決めてください。
3-5.インテリアや間取り
どのようなインテリアデザインにしたいのか、間取りをどうするかを考えましょう。インテリアは家の雰囲気を大きく左右します。間取りは、暮らしやすさやライフスタイルの変化に対応できるかなどを考えた上で決めるようにしてください。
3-6.失敗しない方法とは?
建て替えには膨大なお金がかかります。実際に住んでみてから「こんなはずではなかった」「イメージと違った」ということがないようにする必要があるでしょう。失敗の理由として最も多いのが「イメージが明確になっていなかった」というものです。どんな家にしたいのか、理想がはっきり固まらないまま家づくりをすすめないようにしましょう。最もおすすめなのは、複数の住宅展示場に足を運び、実際の家を見てみることです。そうすることで「こんな家にしたい」というイメージがわいてくるのではないでしょうか。
4.家を建て替える際の業者選び
家の建て替えを依頼する業者選びについてご紹介します。
4-1.業者選びのポイント
業者選びのポイントは以下のとおりです。
- 豊富な実績があるか
- 技術力があるか
- 適正価格であるか
- 見積書の内容が明確であるか
- 設計力・提案力があるか
- 保証やアフターサービスが充実しているか
- 質問や相談に対して丁寧に答えてくれるか
4-2.ハウスメーカー・工務店・不動産・建築家について
家の建て替えは、ハウスメーカーや工務店・建築家などに依頼することができます。それぞれの違いやメリット・デメリットをまとめました。
4-2-1.ハウスメーカー
全国規模で経営を展開しており、実際の工事は下請けの工務店や工事会社が行うことが多いでしょう。部材の品質が安定しているため、工期も短くて済むのが特徴です。ただし、規格化されているものが多いため、プランに多少の制限が出るというデメリットがあります。
4-2-2.工務店
地域密着型の建設会社のことです。比較的小規模な会社が多く、設計から施工まで一貫して行っているところが多いでしょう。ただし、実績を裏づける情報が少ないため、その会社が建てた家を自分で見学に行って判断する必要があります。
4-2-3.建築家
主に設計を業務として行っています。自分の理想に合う建築家がいる設計事務所に依頼すれば、満足のいく家づくりができるでしょう。ただし、建築家のこだわりが強い場合は工期が長くなり、コストもかかる可能性があります。
4-3.諸費用・手数料について
工務店との間で契約が交わされる際に必要な費用や、設計事務所に支払う設計費用など、諸費用についても確認しておきましょう。金額によっては住宅の購入資金に組み込んでおく必要があります。
4-4.注意点
業者選びで迷ったときは、営業担当者の態度も判断基準の一つにしましょう。「質問にしっかりと答えられない」「契約を急ぐ」など、態度に問題のある担当者だと信頼できません。営業担当者との相性はとても大切で、「人柄を気に入った」という理由で契約を決める人も多いのです。ただし、誠意や努力だけでなく、しっかりとした知識と経験があるかどうかを見極めることも大切でしょう。
5.家の建て替えに関するよくある質問
「家の建て替えについて知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.現在住んでいる家の耐震性について知るにはどうしたらよいですか?
A.1981年の建築基準法改正により、新耐震設計基準が導入されました。そのため、1981年以前に建てられた「旧耐震の家」は耐震診断を受けることがすすめられているのです。耐震診断は、その建物の設計や施工を行った業者に依頼すると受けることができます。または、自治体の相談窓口で依頼先を紹介してもらいましょう。
Q.リフォームや建て替え工事にはどのくらい期間がかかりますか?
A.リフォームの程度によりますが、大がかりなものだと1か月以上かかるでしょう。建て替えの場合、半年程度はかかると考えてください。
Q.建て替えの際にかかる解体費用の相場はどのくらいですか?
A.1坪あたり3万円程度が相場といわれています。延べ床面積45坪の一軒家だと、約100万円になる計算です。
Q.土地によっては建て替えができないというのは本当でしょうか?
A.いったん家を解体して更地にすると、現在の建築基準法が適用されて新たに家を建てられなくなることがあります。特に、「建築物の敷地は道路に2m以上接する必要がある」という「接道義務」を満たしていない土地が当てはまるため注意が必要です。
Q.解体工事を業者に依頼する際の注意点を教えてください。
A.解体工事費用にも相場があるため、不自然に安い見積もりを提示してきた業者には注意が必要です。不法投棄などの違法行為をしている可能性もあるでしょう。また、工事後に高額な追加料金を請求される可能性もあります。
まとめ
家の建て替えについて、リフォームとの違いや流れ・業者の選び方などをまとめてご紹介しました。家の建て替えには高額な費用がかかります。工事が終わってから後悔することがないよう、しっかりとポイントを押さえながらすすめていく必要があるでしょう。ぜひこの記事を参考にして、満足できる建て替えを実現してください。